jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

BLとJ問題を考える--美男子の使命は,永遠のアイドルであってもいいのでは

かつて一度としてモテたことのない筆者にとって,タレントとして活動する現代の美男子たちは遠い存在である。正直,映画俳優も目指さなかったし,舞台俳優も目指さなかった。音楽の道もなくはなかったが,とても食べて行ける実力はなかったので早々にあきらめた。選んだ仕事は自分にピッタリ合い,職場環境も最高に良かった。社会的な使命も果たしており,やり甲斐があった。まあ,世の中のために役立っているだろうと思いつつ,プライベートが固まったのは40歳を目前にした辺りである。健康にも問題はなく,自称万年青年なので,常に前向きである。

 日本経済がおかしくなってきた2000年過ぎに,仕事も斜陽になってきた。社内で窓際部署に移されたり,所属する部署が解散したりと先行きが怪しくなり,最初の希望退職で退職した。その後は築いた家と家庭を元手に家計的には低空飛行で家族には迷惑を掛け続けているが,仕事的には新しい会社で何とか自分のやりたいことを続けられている。処遇は最悪だが,別の意味での社会貢献も続けており,やり甲斐を持てることは幸せだと思っている。

 さて,前職を退職した後,再就職活動は難儀を極めた。前職の経験を活かせる仕事の募集が基本的にまったくなかったからである。資格もなければ,何か卓越した業績を上げたわけでもない。管理職としても不適任だった。

 デジタル系の新規事業の立ち上げには確かに参画していたが,デジタル分野は世の中では若い人の領域であり,50過ぎの人間はお呼びではなかった。実際,ベンチャー的な企業ばかりであり,とても入り込むことはできないと感じた。

 年齢不問で結構な募集があったのが,コミック誌の編集業務である。正直,筆者の適応分野からは遠かったが,デジタル化などの経験を活かせる可能性を感じていた。しかし,そこで初めて「BLコミック」という言葉に出会った。

 最初は,大手出版社からの募集なので気にならなかったのだが,調べてみるとボーイズ・ラブという言葉だとそのとき初めて分かった。筆者の知らない世界であった。採用の可能性はゼロとは言わないまでも,さすがに応募はしなかった。

 筆者の時代にも,女流マンガ家による男性描画が非常に女性っぽく描かれていた。イメージ的には,宝塚歌劇団の男役をマンガ化したように感じていた。実際,コミックをベースとした宝塚の演目も生まれた。

 そのうち,歌謡界で美男子のアイドルグループが続々と登場するようになる。いずれも長身で細顔で,おしゃれな男性たちである。髪の毛も金髪にしたり,ピアスやお化粧も普通で,まさにマンガから抜け出してきたようなイメージだった。その多くが,問題となった元J事務所のプロデュースだった。

 BLの世界では,男性同士の恋愛が展開されるようである。双方同意の下なので,別に問題はない。周囲に問題を起こしているわけではない。ただ,異性から見たときにどうかな,という疑問は残る。

 そのうち,この美男子アイドルグループの主流が,韓国の歌手グループに飛び火したかのように大ブレークする。韓流ブームも手伝って,日本市場で最初に展開し,そして一気に世界へと拡大した。いまや,日本のアイドルグループもほぼ韓国アイドルを追いかける形になっているように思える。整形が当たり前に行われている韓国で,美男子化もさらにエスカレートしているように思える。

 さて,日本でも韓国でも,美男子アイドルグループの大活躍で,それぞれ一大財産を築いていると思われる。しかし,ダンスパフォーマンスを続けるには年齢的な限界も来る。日本でも歌手活動を中断して,俳優の道に進んだり,個人の芸術活動に入ったりするケースも多い。アイドル時代の成功とのギャップが大きい人も多い。どのタイミングで家庭を持ち,家族を作るか,という判断も微妙だし,世の中の反応も気にしつつ暮らして行かなければならないのかもしれない。

 美男子アイドルに降り掛かったJによる性加害問題と,BLの世界がどこか通じてしまうように思うのは筆者だけだろうか。

 同じ歌手グループでも,「ビジュアル系」と呼ばれる人たちもいた。派手な服装や化粧で,主にロック系の激しい音楽で,どちらかといえば暴力的な男性を誇張しているように思えた。それは男性的な生き方と見える。しかし美男子アイドルはどういう道をたどるのだろうかと心配になったりする。

 まあ,モテなかった筆者からすると,周り中の女性からキャーキャー騒がれるのは優越感を持てて羨ましい限りだが,1人のパートナーを選ぶのはさまざまな困難が待ち受けている。メディアやパパラッチもウロウロしており,プライベートを維持できないかもしれない。また,パートナーとなった側も,いろいろな意味で落ち着けないかもしれない。

 伝説の映画俳優の中には,1人で生涯を貫く人も多い。それはファンの気持ちを大切にしていることであるとも考えられる。本当はそれぐらいの覚悟でこの道に入ってほしいと思ったりする。そこにつけ込んだJの性犯罪は,許しがたいものがあるが,残念ながら他の事務所でも女性に対する性加害は日常的に行われていると考えられる。これを機会に,女性タレントも事務所や経営陣,監督陣などを糾弾するきっかけになれば,業界の正常化に向かうのではないかと思う。