jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

芸人がCMに出るのは変だと感じる理由がわかった--CMのシナリオで「演技」するのは芸人の仕事ではないからである

テレビ広告の堕落--ボディービルも旧アニメ使用も許せない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/6/20 にも書いた。とにかく,お笑い芸人がでしゃばり過ぎている。筆者は,お笑い芸人がMCを務めるのは気に入らないが,さすがに頭の回転が早いので,適役ではある。

 しかし,芸人のCM出演はいかがなものか。というのも,CMというのは広告主の意向に従ったシナリオに沿って演技するものである。クリエイターである芸人にとって,シナリオどおりに演技するのは屈辱以外の何者でもないのではないのか。

 かつて,有名俳優がCMに起用され,その企業が詐欺などの不正を行ったことで,一般国民が被害を受けた事件が続いた。特に,サプリメントなどの通販商品や,サラリーマンローンなどの金融商品のCMでは,俳優が広告塔になることで営業拡大する動きがあった。広告に多大な費用をかけてでも,それに見合った売上と,企業への信用力を上げるという効果が絶大だったからである。

 CMへの芸人起用という現在の風潮は,広告経費の圧縮という流れの中で,一般国民への影響力の高い芸人を安い出演料で起用できるという,ニーズに合った動きだった。安い・うまい(広告主にとって安上がりだが広告効果は高い)。広告主にとってはありがたいし,テレビ業界にとっては少しでも広告収入を上げるための必死の経費節減対策だったと言える。

 しかし芸人の人気は俳優よりも不安定である。正直言って,俳優稼業よりも自己主張が強すぎて,浪費癖も強めであり,有名になって派手な生活をしてしまいがちである。そこにつけこまれて自分が詐欺に遭う被害も出ている。一気に人気を失いかねない。広告主にとっても,薄氷を渡るような気持ちはないのだろうか。

 筆者にとっては,俳優が勧めるCMは説得力があるが,芸人が勧めるCMは基本的に拒絶感を覚える。その商品は絶対に買わない,という気になってしまう。つまり,筆者に対しては逆効果なのだが,若い人にとっては説得力があるようである。

 さらに厄介なのが,大御所の芸人である。若手芸人が大声で叫ぶ芸風が中心なのに対して,大御所はじんわりと語りかけてくる。起用する側も,余計な注文をつけられなくなっており,勝手にアドリブで突っ走られてしまいがちになる。中には,筆者からするとこれはセクハラだろう,パワハラだろう,という発言が多々見られる。広告の中でも,番組のMCの中でも頻繁に見られる。特に男性芸人から女優ゲストに対する接し方は,明らかにセクハラ,パワハラを含み,いわゆるマウントを取りに行っている。放送側はなぜこれを阻止しないのか,と不思議になってしまう。

 また広告主も何も言わないのかと不思議になる。取引先の不祥事で広告を引き下げるケースは目立つが,番組の質の悪さで広告を取り下げたという話はほとんど聞かない。筆者の感覚の方がおかしいのかもしれない,とたまに疑心暗鬼になることもあるが,日本全体がマヒしているのだと筆者は主張したい。

 CMと言えば,2022年4月以降のNHKの態勢もおかしい。それまで第一線で活躍していたキャスターを地方局に異動させるのも異常だが,NHK受信料を払え払え,とばかりにお知らせに起用するようになっている。どうみても,異様に見える。NHKに対する国民の目が,ある政党の主張によって明確になってきたことから,自衛策に乗り出したようにも見える。民放と同じようなお笑い番組を作ったり,芸人をMCに起用したり,という動きがおかしいことも,以前から指摘しているとおりである。

 筆者にとってのテレビは,次の世代の人にとってはSNSや動画サイト,サブスクの映画サイトなどインターネットメディアに移っている。新聞を取る人もテレビを観る人も減っている。おそらく,CMへの芸人起用は,それほど続かないと信じている。