jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

カバンの紐がかわいそう--振り回され、ちぎれそう

近ごろの学校の生徒のカバンは、小学校が相変わらずランドセルだが中学はデイパック、高校もボストンバッグ中心からデイパック採用に移りつつあるように見える。

    ボストンバッグと言っても伝わらないかもしれない。筆者にとっては、横長の筒状のカバンに長めの手提げ紐が付いた、小旅行用のカバンという認識である。

 カバンにはたいてい,持ち手や肩ひもが2本付いている。長さもほぼ同じである。ということは,両方を同時に使うことが前提だと考える。デイパックも肩ひもを両肩に掛けるとちょうど背中の真ん中に来て安定する。手提げひもも,2本を一緒に持つものだと思っている。

 ところが,東京に来て高校生のボストンバッグの持ち方にビックリした。2本の手提げひもの片方だけ肩に掛けていたからである。

 手提げひもが固定されている方向からすれば,バッグのサイドから上方向に引き上げてバッグの重みを支えるような縫い方になっている。ところが,手提げ1本で持つと,手提げひもの縫い目に直角方向に重みがかかることになる。縫い付けてある端の1個所に力が集中し,縫い目がちぎれてしまうように思えるのである。

 一方,デイパックでも片方の肩ひもだけで持つ人が多かった。最初は単にショルダーバッグのクセで片方だけ肩を使うからだろうと思っていた。筆者も,荷物が軽い場合は,片方の肩にだけ掛けて使っていた。

 しかし,相当中身が重く,大きなデイパックでも,片方の肩ひもだけで持つ人が相当数いる。しかも厄介なことに,この大きなデイパックを背中に背負うのに,片方の肩ひもだけ持って後ろに振り回して背負う人が多いのである。突然,前を歩く人のデイパックが自分の顔の前を横切る。当たったら大変である。しかも,もう一方の肩ひもがフリーの状態のため,まるでムチのように飛んでくる。これも当たったら痛い。

 以前,このブログで書いたのは,急にカバンを反動で背負うのをやめてほしいという内容で,それは周りの人に迷惑がかかるからだと書いた。もちろん,周囲に迷惑なことに変わりはなく,やめてほしいのだが,振り回されるカバンも,そのひもも可哀想である。

 2本の肩ひもや手提げひもが付いているということは,バッグの重さを均等に支えることが前提になっている。それを片方で持てば,当然そのひもに普通の2倍の重さがかかることになる。設計上は2倍ぐらいの重さには十分耐えられるはずだが,これを繰り返されたとき,肩ひもも手さげひもも悲鳴を上げてしまうのではないか。

 考えてみると,小学校のときに使っていたランドセルは,この肩ひもの付け根の構造が実に頑丈だった。それこそ,肩ひもを振り回そうが,重い荷物を入れて背負い直そうが,走って階段を降りようが,まったく動じない頑丈さだった。このときの習性が,そのまま残って,デイパックやボストンバックでも,片方のひもで振り回すのが当たり前だと思っているのではないか,と思わせる節がある。

 軍隊用のリュックサックや,キャンプ用のリュックサックなどは,数十kgもの荷物を入れても持ち運べるように設計されており,ちょっとやそっとでは壊れたりしない。しかし一般ビジネス用や学校用,ファッション重視のデイパックやボストンバックでは,そこまでの強度を持たせていないのではないだろうか。

 逆に,生徒用のボストンバックなどは,学校で販売されるものに限定されるため,相当の使い方をしても壊れないように作られているのだろうか。

 モノを大事にしましょう,と言われて育った筆者にとっては,何でも丁寧に扱うのがクセになっている。あのカバンたちももう少し丁寧に扱ってほしいのではないかな,と思うのは老婆心なのだろうか。ちなみに,筆者が日常使っているママバッグはデイパック方式なのだが,たまたま書籍を10冊ほど入れたときに片方の肩ひもの根本の縫い目が切れてしまった。元々,赤ちゃんの衣料やミルク,ウェットティッシューなど軽量のモノを入れるバッグだから貧弱なのは仕方がない。その後,付け根を補強して使い続けている。機能的にはまことに優れたバッグだからである。

 正直,やはり安物は安物である。学生用デイパックでも,アウトドア向けメーカーが作ったモノは強度に優れているのかもしれない。でも,正しく使ってあげた方がいいかな,と年寄りは思うのである。