jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

少子化問題への2人の評論家の意見がいずれも的外れ--古市氏,堀江氏,カネと地位を得た評論家の戯言である

少子化問題をめぐって,超売れっ子の評論家がコメントした記事が載っていた。社会学者の古市憲寿氏のコメントは古市憲寿氏「日本では第3次ベビーブームが起こる可能性がありました」 (msn.com)で,政府の対策がピントはずれで,「男女が共に働きながら育児をしやすい環境と雰囲気を整えていたら」少子化がもっと穏やかに進んでいたとコメントした。これに対して,実業家の堀江貴文氏は,ホリエモン 少子化問題、古市憲寿氏の政府が「ピントがずれて」いる説に疑問「金の問題なんかなぁ」 (msn.com)とコメントし,「結婚、子育てしなくても楽しいこと増えたから」だと自説を展開した。

 筆者にしてみれば,2人とも裕福な環境にいるからこその的外れなコメントにしか見えない。そもそも,古市氏は現在39歳で独身,堀江氏は子供1人とのことで,自身が再生産の法則を破っている。そんな人達に,少子化についてコメントする権利はないと筆者は考えている。

 1947年から1949年の」第1次ベビーブームは,戦後の帰還兵の結婚と高度経済成長によってもたらされ,このベビーが結婚適齢期を迎えたころに第2次ベビーブームが起きた。1971年から1974年はまだ経済が成長していたころである。しかし,再生産のための出生率2.0人を超える数字ではなく,その後も出生率は低下を続けている。そもそも第3次ベビーブームなど起こりようがなかった。たしかに,女性の社会進出が進み,共働き家庭も増え,DINKS(Double Income No Kids)で子供なしで自分たちの生活を楽しむという裕福な家庭も話題になった。

 しかし,バブルが崩壊した1991年以降,上場大企業の倒産,定年性の崩壊など,戦後の経済成長を支えた企業体系が崩壊し,長期にわたって安定収入を得られなくなった人が増えた。

 収入が安定しなければ,結婚して家族を作るという余裕もなくなり,さらに夫婦2人が最低限の再生産数である子供2人を作る余裕もなくなった。

 日本は,戦後の経済成長で世界で一人勝ちし,経済復興のモデルケースと称賛された一方で,恨まれる一面もあった。「護送船団方式」などと経産省の保護政策が批判され,政府も企業もさまざまな歯車が狂った。結局,モノづくり産業,輸出産業が崩壊し,大手金融業,生命保険会社も破綻し,怪しげな投資会社と仮想通貨を運用する怪しげな金融会社などが台頭し,その他の多くの企業がほとんどがブラック企業になり,正規雇用なしで社員のことなど考えない経営者ばかりになった。

 かつては,就職することで社会的地位を得,安定した収入を得られ,これに対して会社に忠誠を尽くし,ガムシャラに働いて業績を伸ばし,さらに会社の発展に貢献するというプラスのスパイラルがあった。

 しかし,長期の安定した経営ができなくなった企業では,正規雇用もできず,安定した収入も与えられず,経験を積むこともできず,転々と職場を変わるような社会になってしまった今では,結婚など夢であり,まして子供を授かって責任を持って育て上げることもできない。

 政府の対策を指摘するなら,技術流出を招いた際の他国のやり方が一枚うわ手だったとも言える。韓国は財閥,台湾,中国は国家が,選択と集中でモノづくりに特化して投資した。これに対する日本の見過ごしが失敗だったと言えるかもしれない。おカネの掛け方が下手だったとも言える。

 モノづくり技術がなくなり,汗水流して働くことに価値を覚えなくなった日本人にとって,安心して結婚して子供を設けて平和に暮らせる生活を取り戻すには,まず外貨を稼げる産業が何かを見直し,それに見合った収入を得られる仕組みを作る必要がある。

 今世界が必要としている「モノ」は何か。それはエネルギーと食糧だと考えるからである。しかしこれに加えて,ひょっとしたら次の混迷の時代を考えると,日本にとっては防衛技術開発,世界にとっては攻撃技術開発も必要かもしれない。

 今のAI産業やアニメ産業,観光産業などは,外貨を稼げない単なるバブル産業に過ぎない。技術的にもフローであり,ストックにならないのである。投資に対するリターンがない。永続的なものではなく,一過性の収入でしかないからである。

 まず,じっくり足を地面に付けられる産業は何かを考え,それを国を上げてサポートしなければ,日本という国そのものが崩壊してしまうのである。

 ましてや,学者や評論家など一過性の典型的な仕事は,単にその国の中で収入を得ており,外貨獲得に何の役にも立っておらず,返って日本の内部留保を減らすだけになっている。自分の立場が安定しているからこそ,他人事のようなコメントが言えるのだと思う。以前から何度も指摘しているが,意見・コメントを言うだけで何の提案もしない政治家,評論家,学者は,百害あって一利なしの存在である。さらに,これらの著名な評論家の意見・コメントをただ単純に伝えるだけのマスコミ,ネットメディアの無能ぶりにもあきれたものである。

 筆者はもちろん戦争には大反対である。したがって,軍需産業を支持しないし,まして次世代戦闘機の輸出についても反対である。仮にこの戦闘機の輸出を認めたとしても,日本国民の生命を守ることにはまったく繋がらないからである。

 しかし,国民の生命を守るための防衛技術の開発,そして当面のシェルター建設への投資には賛成する。また,有事に人口集中を分散させて国民の被害を減らすためのセカンドハウス政策の実施もぜひ進めてほしい(テレビ番組のJアラートジャックで,いろいろな状況が見えてきた - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/11/3)。

 ロケットをまともに飛ばせないのなら,レーダー,ビーム兵器,電磁撹乱兵器など,“バリア系”のシステムを持つべきだろう。インターネット経由のサイバー攻撃に対するバリアシステムも開発すべきだろう。そのいずれも,今はまったく丸腰状態である。これでよく日本を預かる政治をしているものだと思う。

 おそらく平和ボケな時代は終わり,またまた戦乱の時代に入りそうである。2024年 11月5日に実施予定のアメリカ合衆国大統領選挙で,世界情勢が一変する可能性がある。そのときまでには間に合わないかもしれない。今の政府では日本を守れないし,今の野党の考え方でも,日本国民を守ることはできない。少子化政策などという小手先の政策について云々しているようなレベルの話ではない。

【追記】コメントを書いていたら,次のようなとんでもコメントを見つけた(「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い…現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化" (msn.com))。精神科医の熊代亨氏のコメントである。精神科医がこんな精神では,まさに日本は終わりである。