2024/2/17,国産の最新大型ロケットH3が2号機で打ち上げに成功した。H3ロケットの打ち上げ失敗--日本は航空宇宙ビジネスから撤退すべき段階 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/2/17 と書いてから,本当にちょうど1年後の成功となった。
H3ロケットのペイロードは,最低で4トン,最大で6.5トンである。しかし,今回のミッションでは,小型衛星「CE-SAT-IE」,超小型衛星「TIRSAT」の2衛星を放出した。発射信頼性のないロケットに,高額な衛星を載せることはない。現時点ではまだ,成功確率は50%である。衛星も1基何億円もの価格になる。おいそれと搭載するわけにいかない。3回め成功で67%,4回め成功で75%である。1回めの失敗がいかに大きく響くかが分かるだろう。
国内の衛星を打ち上げていては,赤字になるばかりである。かといって,海外の衛星打ち上げの受注ができるとは思えない。
「日本の技術はすばらしい」と部品メーカーが言っているというニュースがあったが,1回目から失敗するような技術って何だろうかと思ってしまう。
継続的な宇宙ビジネスとして,もはや日本の居場所はない。軍需産業のない日本で,1年に1本しかロケットを作れないような国で,宇宙ビジネスなどありえない。
宇宙デブリを撮影する人工衛星が2/18に打ち上げられたが,これはアメリカの民間ロケットによるミッションだった。
ロケットビジネスで外貨を稼ぐことなど,今の日本の技術では無理である。軍需産業を持たない日本で,ロケット技術をほかに転用する道がない。年間2桁のロケットを打ち上げられる他国に,コストの面で勝てるはずがない。信頼性の数字も低い。
まあ,H3ロケット2号機の成功で,JAXAも三菱重工業も面目は立てられたのだから,成功裏に終わったことで,幕引きすべきだと思う。この宇宙ビジネスに掛けている予算を,災害復興,医療,介護,年金,少子化対策,そして新産業育成などに振り向けるべきだと思うのである。
宇宙は,かつては人間のロマンだった。しかし今や,宇宙は各国の権益の対象となっている。それはすべて軍事目的である。監視衛星,破壊衛星などである。日本は逆に,宇宙への進出を一切やめることを宣言することで,地球の平和,人類の協調を主張すべきではないかと思うのである。宇宙ビジネスは,科学者の遊びであり,民間企業の投資資金集めのためのお題目でしかない。宇宙ビジネスで地球温暖化は救えない。食料問題は救えない。宇宙の果て,宇宙の誕生,などの話題を語っても,他国ではこれが軍事利用につながるのは明白である。したがって,日本とは桁違いの資金が投入される。
もはや形骸化している国連に代わり,敗戦国であり,平和主義国である日本が,世界に主導的な態度を取るべきだと考える。