jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「蔓延防止等重点措置」の略称ウンヌンより幼稚なこと

「蔓延防止等重点措置」を略すと魚の名前になり,名物となっている地域から使用を控えてほしいという要望が出ているらしい。田村厚生労働大臣は「蔓延防止措置」,尾身茂有識者会議会長は「重点措置」が適切とのコメントをしている。

 この重点措置は,新型コロナウイルスの蔓延を抑える効果が期待されているわけで,いわば「正義の味方」なので,名物の魚に対するマイナスイメージの風評被害が出るような気はしない。ただ,この魚の動きがノンビリしているために,新型コロナウイルス対策として手ぬるい印象を与えるかもしれない。「間が抜けている」とまでコメントをする必要もないのではないか。あまりにも表面的な意見を言っているようにしか見えない。噺家のコメントとしても不適切だと感じる。

 筆者としては,この略称によく似た響きの略称の方が気になっている。「マルボー」。組織犯罪対策部というのは警察に実在する組織で,暴力団による犯罪を取り締まる。「マルサ」(国税局査察部)も,ドラマや映画で広く使われたことで印象が強い。こちらも「正義の味方」なのだが,犯罪がらみの組織なので,これに似た今回の略称を使うことは望ましくないと思っていた。

 似たような言葉が多いので,重要なキーワードを入れて区別して呼んだ方がいいだろう。緊急事態なのか非常事態なのか,特別措置法なのか重点措置なのか。したがって今回は尾身会長の「重点措置」という呼び方がいいのかもしれない。

 そこで,あえて略して呼ぶ必要もない,というのが今回の結論だと思うが,筆者は「まん延」と1文字だけひらがな書きするのが気に入らない。確かに,常用漢字にはないのだが,「蔓延」の漢字変換は普通にできる。直感的に「まん」と読むこともできる。似たような字でやはり常用漢字にない「曼荼羅(まんだら)」や「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」などは,ルビあるいはカッコつきで表現するだろう。ならば「蔓延(まんえん)防止等重点措置」と表記した方が理解しやすい。

 もちろん筆者もメディアにいた人間として,テレビや新聞では常用漢字以外は基本的に使用しない。ルビつけやカッコつきでの表記もしない。政府官報でも「まん延防止・・」という表記になっているので,「蔓延」と書くこと自身が間違いということもできるが,逆に「又は」とか「等」「及び」などの接続詞,副詞に漢字を使う神経を理解することはできない。

 このブログの執筆については,かなりいい加減に書いているので,誤りも多々あるかとは思うが,目くじらをどこまで立てるかというところだろうか。

 あとは筆者は,最近の若者の略称についても残念ながらほとんど理解できない。どうせ作るなら,ウイットのある略称を作ってもらいたいものだと思う。