jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

我が家は引き続きStay Homeなのだが

「日本での新型コロナウイルス対応ワクチンの接種が加速している」と盛んに報じられている。2021/6/7時点の数字を改めて確認してみると,計1834万8184回。このうち医療従事者は849万4017回(うち353万9085回は2回目)、高齢者は985万4167回(うち105万9471回は2回目),1回のワクチン接種を受けた人は人口の10.9%、2回のワクチン接種を完了した人は3.6%とのことである。

 1年前の統計になるが,65歳以上高齢者は,2020年は3617万人。総人口の28.7%だったようである。

 この2つの数字から計算すると,高齢者への1回目接種率は27%,2回目接種率は2.9%。そして64歳以下の若い人への接種率は,医療関係者以外は基本的には「いずれも0%」である。「医療関係者を入れて」「総人口の」で計算しても,正直言って意味がないと思うのである。

 筆者は,高齢者枠の中で一番若い年齢層に当たるが,すでに報告したとおり1回目の接種を受けた。本来なら,筆者が接種を受けた段階で,筆者より高齢の方は接種を受けているはずと考えれば,高齢者全体の1回目接種率が現時点で90%を超えていてもおかしくないはずである。

 5日前の6/5に筆者は「2021/7/23の段階での筆者の予測は,65歳以上の高齢者の1回接種率は30%程度,64歳以下は5%以下にしかならないと思っている」と書いた。この点からするとオリンピック開催時では,高齢者で1回目接種率27%はクリアしているようなので,予測を訂正しなければならないが,それでも90%超えのような数字にはならないような気がする。

 一方,64歳以下の接種では,大企業や大学などによる職域接種の申し込みが盛んに行われている。1組織で1000人以上。これが現時点で400社以上の申し込みがあり,6/21ごろから接種を始めるという。1社あたり1日で100人ぐらいはカバーできると思われるので,10日間で40万人が接種できる計算になる。

 高齢者が移動の不便さのために二の足を踏んでキャンセルが相次いでいる大規模接種センターも,若い世代には受け入れられると思われる。もともと,仕事世代にとって居住地周辺で接種を受けるには休みを取らなければならないという壁があったが,都心や県庁所在地周辺での大規模接種センターだと半日の休みで済むというメリットがある。接種ミス(希釈,接種間隔,ワクチンメーカー)なく進められることを願っている。

 しかし,「解除」「緩和」「完了」などの言葉によって,人々の緊張が一気に崩れるのか,人の動きがかなり活発になってきている。正直,まだまだ緊急事態宣言や蔓延防止等特別措置の最中であることが意識の中で希薄になっているのではないだろうか。

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2021/6/10時点の緊急事態宣言,蔓延防止等特別措置の対象都道府県

 このうち,群馬,石川,熊本の3県は,6/13に特別措置が解除される予定である。

 一方,オリンピックの聖火リレーは,今日から青森である。以下の赤く塗られた県は,すでに走り終えている。あと11都道県のうち5都道県が宣言・措置中である。

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2021/6/10までに聖火リレーが走った都道府県。今日から青森県

 ワクチン接種済み証でモノを割引するキャンペーンが始まっている。このためにデパートに買い物に来る高齢者がいる。ワクチン接種の帰りにお酒を飲んで飲酒運転で捕まる高齢者がいる。ワクチン接種したからと言ってパーティションを外そうとする高齢者がいる。

 2020年のGo Toキャンペーンのときも,感染者の多い地域から少ない地域への人の流れによって感染が拡大することを心配し,事実全国的な感染拡大が一気に進んだ。移動するなら,責任を持ってPCR検査を受けて陰性を確認してから移動することも提案した。PCR検査付きのツアーパッケージ商品は,いいアイディアだと思った。しかし,結局多くの人は,ただ遊びに行き,気晴らしに出かけただけになった。

 現在,緊急事態宣言が2度の延長の最中である東京でも,昨年の緊急事態宣言中よりおそらく2倍以上の人が行き来している。相変わらず,テレワークをほとんど顧みない中小の会社が多いようである。夜8時での飲食店の時短の影響で,この時間帯の駅周辺の混雑ぶりは肩がぶつかり合うような密度であり,想像を絶する。
 6/9の発表では,2020年3月からの新型コロナウイルスによる自宅での死者数が500人を超えたという。2021年5月中に97人。大阪が24人。兵庫12人、北海道と東京がそれぞれ10人だった。生前に検査で感染が判明していたのは39人で、残る58人は死後に分かったという。

 日々,新型コロナウイルスで亡くなる方も毎日50~80人おられる。1ヶ月に2000人前後。このうち5%が,自宅で治療を受けることなく亡くなられたことになる。

 何を言いたいかというと,「ワクチンの接種が加速」して感染者数に減少傾向が見られる,と言っても,十分な抗体ができると言われる2回目まで接種できたのが,高齢者ですらわずか2.9%,64歳以下は基本0%。この中で,ワクチン接種済み優待販売,東京オリンピックの開催が前提でのお祭り気分,宣言・措置も解除されるとの前提での高揚感,そしてこの「加速」「完了」「解除」などの前向きな言葉のマジックで浮かれる人が多い日本人の単純さ,平和ボケ状態を指摘したいのである。人心を惑わす言葉のマジック - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/7。とうとう,小池東京都知事の言葉のマジックも通用しなくなった。

 筆者は,ひたすら自宅のパソコンとにらめっこでワクチンのキャンセル枠をゲットし,前期高齢者としてはおそらくほぼ最速で6月中に2回目の接種を完了する予定である。ワクチン接種が完了したら,フルタイムで出社することを求められているが,これには応じないつもりである。基本的に引き続きStay Homeを続けたい。マスクなしで平然とジョギングしているような街には出歩きたくないのである。

 国民のワクチン接種率,特に若い世代の接種率が50%を超えるまでは,あくまでも人流を抑え,ウイルス感染拡散を防止することが,国民としての義務だと思っている。というのも,ワクチンを受けない残りの50%が,PCR検査陰性証明も持たない不届き者として野に放たれているからである。「野放し」になるワクチン未接種者。日本は絶望的な結果になると予測 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/7。他国では,ワクチン接種証明とPCR検査陰性証明が並行して実施されているからこそ,行動の解禁が行われているのであり,PCR検査ないし抗原検査の陰性証明を出せない日本は,最終的にウイルス感染を抑え切れない状態でまたリバウンドすると絶望的な予測を筆者はしているからである。国民全体にワクチン接種を義務づけることもできず,検査体制も整備しない体制で,日本国民は勝手な振る舞いを始める。強制力を持たない日本は,最悪のシナリオをたどることになると予想している。