jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

さあ,民間病院の出番です

筆者は,県単位の緊急事態宣言は意味がないと思っている。現在,緊急事態宣言が,東京都、京都府大阪府兵庫県,愛知,福岡に発令され,明日5/16から,北海道,岡山,広島が加わって9都道府県で,5/31までの予定である。

 一方,蔓延防止等重点措置は,埼玉,千葉,神奈川,岐阜県三重県愛媛県沖縄県で5/31まで。そして明日5/16から,群馬、石川、熊本が6/13まで加わる。

 この間,宮城県の重点措置が5/2で解除。北海道が5/16から重点措置から緊急事態宣言に変更になった。

 毎日のように発令される都道府県や期間が変更になり,なかなかフォローしきれない。メモの意味も含めて,内閣官房のWebページを記す 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言・まん延防止等重点措置|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 (https://corona.go.jp/emergency/)。

 あまりにややこしいので,都道府県単位,日単位で色分けして管理してみた。緊急事態宣言地域を「緑色」,重点措置を「青色」にしてみると,連休前から対象地域が徐々に拡大しているのが分かる。しかしなんだかマバラで,感染力が高く重症化リスクも高い変異型ウイルスが9割以上を占めてしまった現在の措置としては,何か物足りない。実際,1回目,2回目の緊急事態宣言では,北海道から沖縄までビッシリと「緑色」が押さえている。3回目の今,移動の抑制が効いていないような印象である。

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2021/5/16からの緊急事態宣言,蔓延防止等重点措置の発令都道府県

 今日5/15の時点でのワクチン接種実績は,5/13の首相官邸のデータによると,医療従事者等:4,888,279回,高齢者等:705,157回 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html。医療従事者の1回目接種が3,367,995回,2回目接種が1,520,284回である。2回接種後10日ほどで,中和抗体が9割以上の効果を現すとすると,5/6の数字で1,042,998回,というのが,今日時点で「かなり感染を受けるリスクを抑えてウイルスに立ち向かえる」医療従事者の数ということになる。100万人である。

 2008年の統計22010209.pdf (mhlw.go.jp)で,医師は280,431人,看護師 918,263人,准看護師 397,237人であるので,合計は1,595,931人となる。すると,今日時点で,ほぼすべての医療関係者は2回目接種も終わり,2/3の人は「戦える医療関係者」になっている,という単純計算になる。

 ところが,2021/2/20の毎日新聞Webニュースによると,「優先対象となる医療従事者が、想定の約370万人から約100万人増える見通しとなった」という 

https://mainichi.jp/articles/20210220/k00/00m/040/175000c。これだと医療従事者は470万人もいることになる。

【追記】上記の厚生労働省の資料は「医療関係従事者数」としている。この数字を合計すると,2,710,283人となる。270万人である。ここには,医師歯科医師,薬剤師,保健師助産師,看護師,准看護師理学療法士(PT),作業療法士(OT),視能訓練士言語聴覚士義肢装具士,歯科衛生士,歯科技工士,診療放射線技師臨床検査技師,臨床工学技士,就業あん摩マッサージ指圧師,就業はり師,就業きゅう師,就業柔道整復師救急救命士の数が書かれている。先の「1,595,931人」は医師,看護師,准看護師の数で,その他の業務の人が110万人だという。

 ただ,この中で「理学療法士(PT),作業療法士(OT),視能訓練士言語聴覚士義肢装具士,歯科衛生士,歯科技工士,診療放射線技師臨床検査技師,臨床工学技士」の合計が「304,811.40(常勤換算)」という謎の小数点が入っている。たとえば10万人が常勤,残りの20万人が0.5人換算の非常勤だとすると,この30万人の実数は10万+20万×2=50万人に跳ね上がる。0.3人換算なら70万人ということになる。先の毎日新聞Webニュースで想定より約100万人増えるという数字のマジックの一つがこれだと予想される。さらに,病院の事務部門,共通部門,経営部門,そして事務系などのアルバイトなども入ってくるという。 医療施設数が175,656施設あり,間接部門として3人ずついたとして,50万人が加わる形となる。

 そうすると,ほかにも病院に薬を納品する業者や,廃棄物を処理する業者,清掃業者,食堂関係者,売店関係者,それぞれへの商品納品業者,葬儀関係者なども病院関係者,ということが言えるのかもしれないが,どういう判断になっているのだろうか。

 さて,仮に医者30万人,看護師90万人,准看護師40万人,合計160万人として,この8割が民間病院とすると,新型コロナウイルスに直接関わっている医者は6万人,看護師18万人,准看護師8万人と単純計算してみたが,なかなかこの医療関係者数の数字が見つからない。全国のすべての病床数が151万床で,このうち新型コロナウイルスに使われている病床数は約2万7000床というデータがある。全体のわずか1.8%だという。

 さて,これらの数字を考えてみると,新型コロナウイルスに直接関わっている医療関係者は32万人で,すでにワクチン接種は受けていることになる。また,新型コロナウイルスに直接関わっていない主として民間の医療機関の医療関係者にしても1/3はワクチン接種を受けていることになる。

 もちろん,これから高齢者や一般の人に向けてのワクチン接種のための仕事もしていただくことになるのだが,新型コロナウイルスの患者さんを直接治療する側にもまわり,病床も都合する,という動きをそろそろ始めてもいいのではないか。

 設備が大変なら,それは国が手配し,場所と人材と技術を提供する 

新型コロナウイルスの治療設備と場所を国が作り,民間の医療機関から半分ボランティアで医療提供をする体制づくりを提案 - jeyseni's diary 2021/5/13。いいかげん,テレビのコメンテーターだけでなく,第一線で治療に当たってほしい。新型コロナウイルスの現場が医療崩壊していて,残りの98%の医療機関が知らんぷりしているのが,どうしても理解できない。