今日は8/4(水)。東京オリンピック2020の開会式を入れて13日目。今日も入れてあと5日間である。COVID-19の国内感染確認者,東京の確認者はほぼ連日,最多を更新中。 もう止められないオリンピック。最終日の感染者数を予測--ハズレ【毎日更新中8/3】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/27 に毎日の数字を更新している。
デルタ株COVID-19変異ウイルスが猛威を奮い,緊急事態宣言の拡大も行われたにも関わらず,競技が強行されている東京オリンピック。筆者も,直前まで開催の中止を求めていたし,開催途中でも中止をすべきだと主張してきた。このままだと,東京オリンピックは全種目開催,東京パラリンピックは中止,という最大の不公平を招きかねない。
それでも,競技に臨む各国選手の姿を見ていると,実に清々(すがすが)しい。本当にこのオリンピックに自分の人生を賭けて来日しているのを感じる。事前のワクチン対応や,出国,入国時の検査,そしてせっかくわざわざ来れた日本や東京の観光もできない缶詰状態の中で最終調整し,そして競技に臨む。海外からの選手が,これらの制約の中でも最大のパフォーマンスを発揮しようとしている姿が印象的である。
もともと,海外から大会に参加する場合,長い航空機での移動や時差の影響,環境の違い,食事の違い,言葉の壁など,多くのプレッシャーがある。それを跳ねのけるだけの精神的なタフさも求められるため,多くの海外選手はメンタル面でものすごく強いのを感じる。
一方,日本の選手には東京オリンピック開催に至るまでの心の迷いがあったのではないかと推測した。これは,筆者も含むマスコミのミスリードもあるが,日本選手のメンタル面での弱さがあるのではないかと感じた。COVID-19の感染拡大が止まらず,オリンピック中止の意見も多かった。
選考の過程も,なんだかスッキリしなかった。選考会がなくなったり,会場が変わったりした。実力が出しきれなかった選手も多かったような気がする。
東京オリンピックの開催が決まったが,感染罹患を恐れてか,選手村入りをしない種目も多かった。毎日のPCR検査も普段はなく,精神的な緊張につながったのではないか。
そういうメンタル戦に,メダルが期待された選手への重圧が加わって,水泳,体操,陸上,レスリング,重量挙げなど,伝統的な競技での敗退が目立った。世界での1位ランキングを持っていた選手が出場したテニス,ゴルフなども敗退した。筆者にとって最も印象的だったのは,体操の内村航平選手の敗退である。若手の橋本大輝選手が優勝し,世代交代を印象づけた。
一方で,若い選手が登場した新種目で,好成績が見られた。サーフィン,スケートボード,BMXなど,ヤンチャな競技での活躍が目立った。競技一覧については,改めてオリンピック競技を考えてみた - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/2/11 にまとめてある。1964年の東京オリンピックとの差も紹介しているので,参照いただきたい。また,ほかの種目でも「初出場で金メダル」という選手が多かった。
オリンピックに何度も出場すると,前回大会の結果を受けて評価される。連覇を目指す選手も,屈辱を払拭したい選手も,より大きなプレッシャーが襲いかかる。これを跳ね除けるメンタルの強さが,今回の大会ではCOVID-19の直接の影響,および日本政府の政策の不備などによって,心の揺れを招いてしまったのではないかと思われる。
本来,開催国の選手は,フィジカル面でもメンタル面でも海外選手よりもはるかに有利な立場にある。練習の場もあり,気候も食事も宿泊地も変わらない。時差もない。その中で,COVID-19を抑えきれなかった日本政府,不安を煽ってしまったマスコミにも罪があると思われる。残り5日。「他競技を背負って」などというプレッシャーなしに,自分の実力が出せるようにがんばってほしい。