jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

東京は汚いままだった---オリンピックに結局間に合わず、そのまま放置

東京オリンピックパラリンピックの誘致で東京は美しく合理的に模様替えされる予定だった。そういう公共建設事業にカネをばら蒔くためのイベント誘致計画だった。当時の猪瀬東京都知事も、そのあとを受けた舛添都知事も、予算をどんどん膨らませた。その象徴が国立競技場の新築だった。

 当初、フランスの設計家の案が採用されたがあまりの巨額に途中でキャンセルし、そこでまず損益を計上した。その後、小池都知事の代になって、隈研吾デザインの案に変わったが、これも予算をさらに削減したために、今どきありえない屋根なしの競技場になった。オリンピック開会式でも、パラリンピック閉会式でも雨になり、パフォーマーが雨に濡れながらの演技となった。競技途中も雨に見舞われた。

 公共交通のリノベーションも目的だったろう。特に地下鉄は東京駅を中心に大規模な改修が進められた。むき出しの線路沿いのコンクリート壁は、パネルをその前に設置して壁を隠した。通路の壁もきれいなタイルを貼り付けてリニューアルを目論んだ。

 渋谷地区の大規模リニューアルもこの一画だろう。首都高速日本橋付近の立体交差を地下に埋めるという工事も進行中である。

 しかし、すべて東京オリンピックに間に合わなかった。オリンピックが1年延期されたが、やはり間に合わなかった。そして、渋谷と日本橋以外の、急を要しない美化改修は、ほとんどが止まったままである。壁のタイル貼りはできても、線路沿いのコンクリートむき出しや古い標識もそのままである。

 要は、オリンピックで来日する観光客を当て込んだ投資が見事にバブルと弾けたものである。

 しかし、ようやく日本のCOVID-19禍にも出口が少し見え、ワクチン接種も進んでいる状況で、海外からの観光客需要は高まっている。コロナ禍が収まったら、一番行きたい国が日本なのだという。そろそろ、もう一度、オモテナシの国を示すタイミングではないのか。

 ゴミは相変わらず街に散乱している。カラスのいい餌場になっている。仕事につけない人も多い。こんな国を海外の観光客に晒すのは、本当に恥ずかしい。そういう気持ちがないのかなぁと残念である。街づくりに対する「ポリシー」がないのが日本である。だから,色も形も高さもバラバラ。袖看板は平気,道にまで看板が立てられ,汚らしい街の代表と言ってもいいのではないか。