jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

DMを整理しながら「アベノマスク」の在庫について考えた

クレジットカード明細,オンライン明細の断捨離ができない--パスワード管理の難しさが足かせに - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/3 と書いた日の夜,思い立ってクレジットカードのチェックをしてみた。とりあえず,財布,定期入れ,カバン,そして引き出しに入れてあるカードを一覧にしてみた。

 最近,どのカードをどの支払いに使っているのか混乱していたが,この一覧登録で少し整理ができた。なんと,やはりどのカードで支払っているのかが不明な案件も見つかった。調査は継続することになる。

 利用状況は,カードと明細書を突き合わせてのチェックになるのだが,この明細書の封書が膨大に溜まっていることは書いたとおりである。おそらくこの明細書発行から封入までは,機械化されているのではないかと想像するのだが,某CMにあるように手作業で封入しているという可能性も否定はできない。また自動封入されたとして,これを発送するために郵便局に運び,また郵便局ではこれを仕分けして,そして各家庭に配布される。印刷のための紙やプリンター,物理的な移動,それに関わる人件費などを考えると,オンライン明細の方が合理的なのは間違いなさそうである。

 さて,DMの断捨離に一部着手できたので,いい正月休みになったわけだが,この「溜まる」ということで思い出したのが,2021年末に起きた「アベノマスク在庫問題」である。配布表明が2020年4月。2020年6月には我が家にも届いた ついに我が家にも「アベノマスク」到着 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/6/13。

 上記のブログでは,「2020/6/15に配布完了」と発表されたと書いてある。ところが,2021年末に明らかになったのは,在庫が約8130万枚あることと,2020年8月から2021年3月にかけての保管費が約6億円に上っているということである。またこれを廃棄するのに約6000万円かかるという。在庫のうち1100万枚は不良品のようである。

 在庫数は,生産したマスクの3割にも上るという。生産と配布のための予算は,総額260億円(調達に184億円、配送費として76億円)である。

 ただ単純計算すると,「配送費の30%は使わなかった」とすると,23億円は予算が余ったことになる。その浮いた分を保管費に回しているのなら,ある意味で「予算の消化」であり,また廃棄に6000万円かけたとしても,これも予算内である。それほど目くじらを立てる問題ではないようにも思える。

 問題は,「全数配布完了」と発表しておきながら,倉庫保管が3割もあることと,配送費として計上した76億円を実は使い切ってしまったために配送できなくなって倉庫保管にしたのではないか,と疑われることである。
 そもそも,調達の184億円というのはグレーである。当時の安倍晋三総理が自分の側近のルートで中国企業に発注した額だというが,そこで中間マージンを得たであろうことは容易に想像がつく。一方,配送費の76億円は郵便料金や封入の個別封筒,注意書きプリントの印刷,紙代,そして人件費なので,単純計算すればそれほど狂うことはない。途中で予算がなくなったというのなら,それは予算作りの誤りであり,ここも追及すべきところだろう。「配送に関わる人件費や印刷代などを読み違えた」といった言い訳では済まされない。担当した官僚が無能だったのかもしれない。

 出版に関わる者として言わせてもらえば,在庫は「資産」である。しかしその保管料は負の資産となり,在庫の圧縮は企業にとっては常に考えなければならない業務である。何とか販売するために値下げをしたり,それでもある一定期間が過ぎれば廃棄の判断をせざるを得ない。当然,廃棄には費用がかかるが,保管料は減る。かつて世界に轟いた「トヨタ生産方式」における無在庫経営の理想論になる。

 アベノマスク配布後,飛沫拡散を防ぐだけなら布マスクでも効果があるとされ,2020年夏はさまざまな布マスクでおしゃれ感覚で着用する人が増えた。息苦しくないウレタンマスクも売られるようになり,ファッションにうるさい若者が黒マスクを好んで着用した。しかし,感染源が直接の飛沫ではなく,細かいマイクロ飛沫だと認識され,再び不織布マスクが必要になった。緊急で複数の国内企業に補助金を出して不織布マスクの生産をさせたが,結局は現状では中国製マスクがほとんどではないかと思われる。

 そして,アベノマスクの在庫問題が明らかになったのだが,最終的に岸田文雄総理の指示で2022年中の廃棄処分が決まったようである。保管状態を写真で見ると,ダンボール箱(約10万個という)に本体のみが重ねられて大きなビニール袋でまとめ梱包された状態のようである。つまり,各家への配送のための個別包装をする前の状態のようだ。

 もったいないが,本体は可燃物として燃やすのが一番速くて環境負荷がない廃棄法かと思われる。できれば,その熱を有効利用している焼却場で使って,少しでも役に立ててほしい。また,効率よくほぐせる工夫をして,ふとん綿などに再生できないかと思ったりする。すでに,古着をほぐして資源化する方法はあるので,そういう企業が手を挙げて再資源化に取り組んでもらえるといいのだが,と思った次第である。

 ちなみに,筆者宅のDM類も,基本的には可燃ゴミとして廃棄することになる。市のゴミ焼却場が焼却熱の一部を利用していることが唯一の救いである。