jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

クレジットカード明細,オンライン明細の断捨離ができない--パスワード管理の難しさが足かせに

ここ数年で,多くの決済の請求明細書のオンラインへの移行が進められている。金融機関側から,「紙の明細書は中止になります」と連絡があったり,「通帳を発行する場合は2000円かかります」と脅しとも思える連絡があったりする。

 筆者は,オンライン明細についてはかなり前からどちらかといえば肯定的だった。特に銀行関係の通帳は,残高記入が面倒に思えていた。カードがあればATMで必要な出金はできるし,複数の銀行の通帳を常時持ち歩くのも面倒に思っていた。

 スマートフォンが登場する以前から,パソコンでオンライン明細を取得するサイトで1年間の入出金明細を取得する仕組みをもう何年も利用している。データ一覧を取得することで,これをExcelファイルメーカーに取り込み,集計や分析ができる。通帳だと,ページをめくって数値を確認したり,複数冊の通帳にまたがったりして,集計や分析はほぼ無理なので,オンライン明細は確定申告直前には必須となっていた。

 一方,クレジットカードや保険の明細は,基本的に毎月郵送されてくる。一部のクレジットカードについては,すでにメールで請求明細案内を送ってくる。

 前者は,ユーザーにとってとりあえず必要な情報はハガキ1枚分ぐらいなのだが,さまざまな注意書きやローンの案内,その他,特典やポイント交換の案内などとともに送られてくるので,A4で8枚ぐらいの情報が送られてくる。捨てるのも変なので,この封書がどんどん場所を取ることになる。明細以外に,傷害保険の案内や,旅行割引の案内がダイレクトメールとして別途郵送されてくる。「DMは即ゴミ箱」などと世の中の整理の達人は言っているが,筆者にはそれほど思い切ることができない。

 そのうち,カードの更新の案内が書留で届くのだが,これも新しいカードを取り外し,サインを書き込み,財布の中の前のカードと入れ替えて,古いカードを処分する,というミッションを完成すると,更新封筒に入っている他の書類,利用規約などはそのままスルーして封筒に入れたままになる。この更新案内も後にほとんど見る機会もないのだが,捨てることができず,溜まっていく。実は先日,この更新時に別の書類が入っていた,ということがわかって慌てて探したのだが,今度はこの封筒が見つからない,という逆の事態も起きてしまっている。

 昨年末に思い立って,まず分類をしようと10分類できる状差しを購入。確定申告に必要な控除証明書や納税書,年金,健康保険,市からの案内,そしてCOVID-19ワクチン関連などをピックアップし,さらにクレジットカードの明細書や銀行からの案内も,会社ごとに分けてみた。しかし,ある意味で時間切れとなり,中身の確認や廃棄までは手つかずのまま,年を越してしまい,現在に至っている。視界の右奥に,整理した平たい段ボール箱が見える。蓋はしていないので,覗き込めばその封筒群が見える。今年2022年の正月は時間の余裕が比較的あるのだが,今のところ手つかずのままである。

 一方,オンライン明細の案内が,メールでどんどん届くようになった。実にありがたいのだが,これがまた苦痛のタネになっている。というのも,メールで案内が届いたあと,当該Webサイトに飛んで開くところまでは行くのだが,ここでIDとパスワードの入力が待っているからである。

 もともとオンラインで注文するAmazonなどのショップは,IDをメールアドレスにすることが多く,そのままメールを開くときのパスワードを流用することが多かった。今でも,多くのオンラインサイトでこの組み合わせが残っている。

 ところが昨今のオンライン犯罪の巧妙化に伴い,パスワードの使いまわしに対するアラートが頻繁に出るようになった。結果としてその都度,新しいパスワードを考えて登録するのだが,最初の5個ぐらいまでは容易に記憶できるが,これを超えると記憶がまったくあやふやになってしまうことがわかった。

 「パスワードをお忘れの方はこちら」というリンクを押すと,おかしな要求が出されることがある。「前のパスワードを入力し,新しいパスワードを入力してください」といったメッセージである。いや,前のパスワードがわからないから「お忘れ」なのであって,わかっていれば入力するよ,と思って,結局中身を見ないまま放置しているサイトがいくつかある。

 「パスワードをリセットするので,新しいパスワードを入れてください」という場合も,以前使っていたパスワードはもう受け付けてくれず,まったく新規のパスワードを考えて入れ直さなければならないケースが増えてきた。よくある「母音抜き」などでさらに5つぐらいのパスワードは生成したが,今度は「アルファベットの大文字と小文字は必ず入れること」「数字や記号も入れること」など,難しいルールがどんどん導入されてくる。どのパスワードをどのサイトで使ったか,一覧表で管理する必要が出て来ており,これをローカルで管理するのか,オンラインで管理するのか,という悩みも出てきている。

 パスワード管理の達人は,管理ソフトを使い,マスターパスワード1個を覚えていれば,あとは管理ソフトが自動的に入力してくれる,という仕組みを紹介してくれたりしている。また,パスワードの自動生成ソフトというものも,30年以上前からあるが,本当にランダムな数字やアルファベットの羅列となり,パソコン用のキーボードでも打鍵が大変で,ましてスマートフォンだと大文字小文字や数字,記号の切り替えが面倒なのと,辞書機能を使うと変な空白が自動的に入ったりして誤パスワードとされるなど,実に使いづらい状況になっている。

 一方,この情勢下で,銀行のカードのパスワードが相変わらず数字4桁で通ってしまうのが,逆に不安である。最近は指紋を使った生体認証への変更が進められているが,変更登録には銀行に行かなければならないし,筆者の場合は右手での登録での認識がどうしてもうまく行かず,左手でようやく認証されるのだが,認証装置が画面の右側にしかないため,手首をひねって指を置くという悲惨な事態になっている(その後,認証登録をやり直して,右手での認証がスムーズにできるようにはした)。しかし,COVID-19禍の現在,この指紋認証接触感染の恐れを否定できない。とにかく,現金の引き出しをなるべく避けるために,クレジットカードやQRコード決済などへの移行を急速に進めている。

 銀行,クレジットカード,QRコード決済などを一括して管理してくれるサイトも,以前から利用している。しかしこれも結局は一般企業である。昨今,クレジットカード会社も含めて,個人情報や登録ID・パスワード情報の漏洩問題も多く発生している。それも,ハッキングによる外部からの侵入で漏洩するだけでなく,社員や出入り業者,さらに非正規従業員による情報の盗み出しなどの事例も報告されている。

 果たして,会員登録時に入力するIDとパスワードの組み合わせについて,それを運営する会社の中で社員が容易に見られるような状況にあるとすると,情報漏洩に対するセキュリティやコンプライアンスなどが大丈夫なのか,いつも心配になる。すでに,銀行員による個人口座からの抜き取りや,介護施設職員による入所者の口座からの引き出し,元社員による個人情報の持ち出しなど,コンプライアンス違反の事例も多く報告されている。その犯罪を犯した者を特定して処罰するのは比較的簡単だが,一方で被害を受けた者の救済はほとんど行われていない。単にオレオレ詐欺系の被害だけではないのである。

 googleやYahooが取り入れた2段階認証も,パソコンの操作に加えてスマートフォンの操作も求められ,逆に煩わしい。サブアカウントを使用しようとすると,メインアカウントで認証が必要になり,そこにアクセスするのにまたスマホ操作が必要になる,など,筆者にとってはかなり混乱した状況になってきている。

 年金の案内もオンライン,マイナンバーカード関係(マイナポータル)もオンライン,でもパスワードを忘れると,年金事務所や市役所に出頭して登録し直す必要があったりする。

 とりあえず,ID・パスワードの管理の整理を,近々敢行してみようと思っている。何しろ,ケーブルテレビですら,登録時のパスワードが不明になって,番組の更新ができていないのを解消できず,年末年始に家族から突き上げを食らっている筆者である。