jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

進化の頂点が破壊的な武器を持つことになるとは--ノーベル賞の限界か

ノーベル生理学・医学賞2022を受賞したスウェーデンのスパンテ・ペーボ博士は,旧人類と現人類の進化や交雑の歴史をミトコンドリアDNA解析によって明らかにした功績を讃えられた。

 その後の現人類の進化は,恐ろしいほどのスピードで進んだ。道具を使い,火を使うことが,人類を変えて行ったと言われているが,何万年経過しても他の生物が道具を使うような進化をすることはない。現代人は宇宙人、中でも女性が宇宙人だという自説 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/10/5 とコメントしたが,2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻や,相次ぐ北朝鮮のミサイル実験,アメリカやタイでの銃乱射事件などを見るにつけ,やはり男性も宇宙人だと言わざるをえないと改めて思った。

 道具が飛び道具になり,相手を支配する姿勢から壊滅する姿勢へと“進化”している。暴力は犯罪だ,という取り決めも現人類の知恵から生まれた「法律」という文化だが,抑止力にもならなければ,社会復帰してもまた犯罪を繰り返してしまい更生もできない。敵対する相手があれば,殲滅しなければ自分が殲滅される,という争いの繰り返しになっている。 

 1対1の闘いは,スポーツという形で相手を傷つけないというルールの下でガス抜きされてきた。取っ組み合いから棒や刀といった手持ちの武器を使う競技は,ルールが厳しく決められている。

 しかし,飛び道具を使った闘いのガス抜きができる方法がない。飛び道具は相手を殺すための手段でしかない。「使わないようにしよう」という取り決めをしたとしても,相手が使い始めたら自分も使わざるをえない。いくら守りを固めても,それを上回る武器を用意されれば,一溜まりもないからだ。そして,攻撃される前に相手の攻撃能力を破壊する,という専守防衛という手段が取られるが,相手は「実験」と称して脅しを掛け続けるという状況を抑止する力にはなっていない。

 世界中でルールを作っても,話し合いに応じない国が,武器を持つのは自国を守るための権利だ,と主張して,核兵器も通常兵器も一向に減らない。数字的に削減しているように見えるのは,古くなった兵器を廃棄しているだけで,新しい兵器が数倍の破壊力を持っていれば,数を減らしても危機は減らない。

 話し合いに応じない国は,現時点では権威主義国家と定義される独裁国であり,そのトップは総じて男性である。ロシアのプーチン大統領,中国の習近平主席,北朝鮮金正恩主席の3人が,人類の危機への引き金をいつ引くともしれない状況になっている。

 飛び道具を使う戦いは,自分が身体的にも精神的にも傷つくことがなく,相手を身体的に傷つけ,殺害することを目的にしている。動物が相手を傷つけて殺す行為は,自分のサバイバルのための食糧確保という手段以外は認められない。つまり,戦争行為はすべて「犯罪」である。侵略行為も犯罪である。

 犯罪を起こす人物は,拘束しなければならないし,拘束しても更生することは期待できない。しかし,こうしたリーダーは神格化されている場合もあり,国民が洗脳されていることもある 人は個人崇拝でしか動かない--それは個人の器量なのか、あるいはカネの力なのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/10/4。厄介である。

 ソビエトの崩壊によって,東西の冷戦が終了し,世界が平和になった,というのが筆者の人生の中で最もありがたかったことだが,アルカイダなどのゲリラ国や,北朝鮮などの無秩序国が残り,厄介だなと思っている中で,ソビエトの残党としてロシアが引き続き核兵器を持ち続け,今回のウクライナ侵攻につながったかと思うと,現人類の進化の頂点が核戦争という人類壊滅へと突き進んでしまうのではないかという危機の時代に「進化」してしまったと思わざるをえない。

 日本が世界をリードした平和に向けた科学技術産業が一気に衰退し,「日本という理想モデル」と言えなくなってしまったのが残念でならない。相手を批判しても,抗議しても,相手にはまったく通じていない。あとは再び技術力で解決するお手本を見せなければならない。何度も主張しているが,水素エネルギーと食糧養殖工場による自給自足のモデルをいち早く構築し,「ああ,こうすれば他国にカネを借りなくても自立できるんだな」というモデルを見せなければならない。

 ミサイルに脅され,円安に脅され,ただ他国に足並みを揃えるために海外からの観光客受け入れを開放し,マスク着用義務を根拠なく解除するという,無策でオタオタしている日本政府が情けない。「批判するだけでは何も起こらない」「逃げるだけでは解決しない」。新しいアイディアを出し,それを形にしていくことで,世の中が変わる,というのが,人類の知恵だろう。