jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

イヤーカフ型イヤホンで「歩き」情報収集に乗り出す--何時何分,歩行者ナビ,歩行速度まで確認

骨伝導イヤホンは非常に快適である。自宅以外の静かな部屋で本を読んだりスマホを見ながらニュースの音声を聞き流すという使い方が,現在のメインである(Bluetooth骨伝導イヤホンを使ってみた--万能ではないが耳への負担がないという安心感 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/10)。

 というのも,基本的に周囲に迷惑を掛けないことと,周囲への注意を払うことを同時に実現する場合,耳を密閉するカナル型では周囲の音が聞こえないからである。逆に耳の穴に挿し入れないインナーイヤー型(というのも変な定義のように聞こえるが)でもいいのかもしれない。

 骨伝導イヤホンは,頭蓋骨に音源を響かせる必要から,皮膚に押し当てる必要がある。このため一般に,ステレオだとバネ性のある半円形のループで左右の音源を接続し,こめかみのところに押し付けるスタイルになる。上下方向のズレを支えるために,耳たぶの上に引っかける。よく考えたスタイルになっている。

 屋外で使う場合,音漏れを気にしてボリュームを下げ気味にしていると,さすがに聞き取りにくい。だいたいは流しで聞いていても,聞きたい場面になると音源をこめかみから耳に移動させると,インナーイヤー型のように聞こえる。ただ,耳たぶから外れるので,手で支えなければならないし,見た目も良くない。

 その後,インナーイヤー型でも音漏れをほとんどなくすタイプが開発された。音を耳の穴の方向だけに指向性を持たせることで,外側への音漏れがほとんどないという。さらに,ソニーは何と中央に穴を開けたドーナツ状の振動ユニットを開発した。耳の穴の解放感はさらに進み,音漏れも消す。ノイズキャンセル機能も付いており,インナーイヤー型ながら屋外での使用にも堪えるという。

 ただ,インナーイヤー型にせよ,カナル型にせよ,Bluetoothなどの無線接続型だと耳からの落下の危険性を否定できない。屋外で使うのは,控えてしまっていた。自宅で,テレビを誰かが聞いている中で,その番組以外のものを聞きたいという用途で,カナル型Bluetoothイヤホンを使っている。電車の中で音を聞くのは,有線のカナル型イヤホンになる。周囲を見回すと,ほとんどの人が無線のカナル型イヤホンを耳に挿して歩いているのが,なかなか信じがたい。

 いろいろネットで探しているうちに,「イヤーカフ型」というスタイルを見つけた。耳たぶに挟んで固定し,耳の穴に向かって指向性のある音を送り込むことで,密閉しないが音漏れせず,周囲の音も聞こえる,というコンセプトである。

 たとえば,オフィスで弁当を食べるとき,筆者はPCの画面でリアルタイムの動画ニュースを表示させながら弁当を食べる。音は有線のイヤホンで,片耳だけのインナーイヤーホンである。ご飯を食べているときでも,周囲から声を掛けられることもあり,両耳を塞ぐわけにも行かない。片耳だけでながら視聴をしているスタイルである。

 これを屋外の移動時間にもしたいというのが,1つのトライアルである。

 屋外で,道を歩いているときは,骨伝導イヤホンで十分可能である。周囲の音も聞こえるし,それほどうるさくもないので,骨伝導でも十分聞くことができる。しかし,電車の中では耳がオープンだと主に外の雑音ばかり耳が聞いてしまい,骨伝導イヤホンの音はほとんど理解できない。

 一方,カナル型を片耳だけ挿し込んで視聴した場合は,音的には問題はほとんどない。カナルを挿し込んだ左耳はメディアの再生音だけで周囲の音はないし,右耳は環境音だけを拾っている。しかし,右耳の振動部分が垂れてしまい,物理的な処理に困る。

 ところが,イヤーカフ型は,結構いいところ取りなのである。耳の穴に挿入しないので外部の音も聞こえる。指向性スピーカーで音質はクリア。しかし,電車の中ではさすがに外部の音が大きく,集中できなかった。

 特筆すべきは,耳たぶへの装着時の違和感がほとんどなく,しっかりと挟んでいるため落下の危険がない。どうしても正確に聞きたい場合,耳穴の方に押し付ければ外部のノイズ音は遮断される。

 骨伝導イヤホンだと,かならず両耳で音が再生される。それほど集中しなくていい場合も多く,その場合は片耳で聞けることが望ましい。

 イヤーカフ型は,片耳ずつ取り付けるので,片耳使用ができる。歩きながらでも周囲の音がメインなので,安全性は確保できる。しかもスマホを見なくて済むのでスマホ歩きではなくなる。

 正直,スマホ歩きでゲームをしながら歩いている姿を見ると,わざとぶつかってやろか,という気持ちが起きるほど腹立たしい。たいていはスマホを見ながらゆっくり歩き,周囲に歩調を合わせる人がほとんどいない。

 さて,片耳イヤーカフ型イヤホンでは「ながら」作業なので,これまでとは違った使い方ができる。そこでいろいろとトライしてみた。

 腕時計をしなくなって1年。街中に時計がなくなって,やはり不便を感じることもある(街中から時計が消えた--ディスプレイの片隅に表示してほしい【追加情報】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022.4/15)。そこで,毎分,「今何時何分」を読み上げるアプリを考えた。ちょうど,「177」にダイヤルして時報を聞けるのと同じ状態を作ってみようとした。アプリとして「音声秒針時計」をまずインストールした。177に慣れている筆者にとっては,表現に少し物足りなさを覚えるが,街中を歩きながら,片耳で時刻を知ることができるのは快適である。

 次に,歩行者ナビである。とりあえずgoogleマップで歩行者ナビの読み上げを聞いてみた。画面だと地図を見ながらなのでより分かりやすいが,耳からの情報だけでも十分だった。googleマップの惜しいところは,電車の行き先案内と連動しないことである。そもそも乗り換え案内検索機能がない。歩行を含む行き先案内の中で,耳だけで情報収取するのは無理である。もっと,“耳ナビ”に適した方法を提供してほしい。ほかのアプリも試してみたが,今ひとつ納得ができるアプリにまだ出会えていない。

 あとは,AmazonのAlexaやIphoneのSiriでさまざまな検索や操作ができるかもしれないと思っているところである。

 耳アプリは,視覚障害者向けにいくつか開発されている。そこにはユニークなアプリもあるような気がする。また進展があればご報告したいと思う。