jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

耳ナビで視覚障害をサポートできないかという提案--周囲の状況を解析し「耳元でそっとささやいて教えてくれる」優しいシステムをイメージ

耳ナビは一種のAR--時計代わり,案内人代わりの新しい体験 - jeyseni's diary (hatenablog.com)(2023/9/8)とまとめた日の夜中に,この耳ナビのもう1つ使い道を思いついたので,忘れないように書き留めておくことにする。これは,自分が視覚を失うことに対するハイテクだがローテクな支援システムの提案である。

 生まれて40歳までは常に視力は右が1.5,左は1.2をキープしてきた。40台になって手元の細かい文字が見にくくなり,老眼が始まったと言われた。その後も老眼は進行し,65歳を過ぎた現在はこうした距離1m以内のパソコン作業時にも老眼鏡が必要になっている。

 それでも距離1m以上の周囲全体は,ほぼしっかりと認識できる。遠くの看板の文字も読むことはできる。ただ,ここ数年は乱視も加わって文字が滲んで見えたりすることがある。目を細めたり,少し視線をずらしたりして認識する行動が増え,まさに老人化が進んでいる。

 それでも周囲の9割をほぼ問題なく目で認識できることは非常にありがたい。なんとか最期までこの状態でキープしたいのだが,閃輝暗点--目の病気ではなく脳が原因だがここからApple Vision Proへの期待へと持論を展開 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/7/17 や,網膜剥離黄斑変性症などの可能性はある。いつ視力を失うかもしれないと考えると,ちょっと怖い。

 視覚障害の人が白杖を使って歩いているのを見ると,思った以上にスムーズに歩いていることが多い。足に引っかかるような大きな出っ張りは避けることができるだろうが,地面の細かい凹凸でつまずいたり,何よりも顔に当たるような植栽や看板などを避けるのは相当難しいのではないかと感じている。

 そこで「ARメガネ」と「i-Sight」と「耳ナビ」の組み合わせによる視覚支援システムの提案である。

 ARメガネとi-Sightの組み合わせについては,対「スマホ歩き」ARメガネの構想 - jeyseni's diary 2021/12/12 で提案した。スマホ歩きしたい人はApple Vision Proを買って映像を見ながら正面を見て歩くようにしてもらえば本人の衝突事故は避けられるし,ぶつけられる側も向かってくる人の次の行動をApple Vision Proの中で表示して,右に避けるか左に避けるかを判断すればいい。歩行型i-Sightで単純に警告音を出してもいい。

 ただその警告の出し方は,相手に知られないようにさりげなく知らせてもらった方がいい。クルマでもクラクションを鳴らされたらムカッとするのと同様,人混みの中であちこちで警告音が鳴っていたら相手が暴徒化しないとも限らない。

 そこでイヤーカフBluetoothイヤホンの登場である。アラートを耳元でさりげなく流すことで,相手に気づかれずに自分で避けるなどの行動をすることができる。ポイントは,カナル型では周囲の状況をまったく遮断しているので,サポートにならない点である。つまり,イヤーカフ型イヤホンは「耳元でそっとささやいて教えてくれる」ところがポイントなのである。

 音楽を聞いたり,スポーツ中継を聞いたり,ゲームをしたりするには,外部の音を遮断して集中した方が楽しい。ただこれでは街中を歩く社会人としての常識を疑われる。同じカナル型を使うトランシーバーは,片耳に装着して使うが,左右の耳で周囲の音の聞こえ方に差があるのが気になるときもある。その点,イヤーカフ型だと周囲の音は左右とも自然に入ってくるし,その上にアラート音が重なる,という実に自然なささやきサポートになるのではないかと思うのである。

 歩行者型i-Sightが前方の障害物を認識し,イヤーカフ型イヤホンが耳元でそっと教えてくれる--そんな歩行者ナビの登場を期待したい。もちろん,筆者が今回体験したような時計情報,駅接近情報,交差点情報もささやいてくれるとありがたい。

 耳ナビは,情報量をきちんと整理する必要がある。何でもかんでも音にしてしまうと,逆に混乱してしまう。アナウンス系は無くすか音声再生のみに--騒音公害に聞こえるこの頃 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/10/30 でもコメントしたが,情報が多すぎると逆に迷惑だし,情報をスルーしてしまう可能性もある。

 「情報量の数値化と認知度の関係」という研究も必要かもしれない。インターネット検索で膨大な情報にアクセスできる手段が提供されて喜ばしい半面,必要な情報が必要なときに届けられないことで災害の被害が拡大する場面も出てきた。不要なアラートで振り回される事態も起きている。逆に,必要な情報を届けても,受け取る側が情報過多でマヒしてしまって,行動が取れなかったり,騙されたりすることもある。

 AI(人工知能)を使って情報を一気に絞り込んでしまうと,これがまたフェイク情報になってしまっている。そのフェイクの完成度が思った以上に高いので,人々が信じてしまう。文章,音声,画像などのフェイクが飛び交ってしまっている。

 耳ナビは,目の前のリアルな世界,自分の周囲のリアルな音が基準となって,これに情報を付加してサポートする。まず「信頼できる情報」の基準を自分で持つことの大切さを改めて教えてくれたと筆者は感じている。