jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

軍事偵察衛星は防犯カメラか,隠しカメラか--使う人間によってプライバシー侵害の犯罪行為に

北朝鮮が,初めて軍事偵察衛星の打ち上げに成功したと発表している(2023/11/21)。その後,金正恩が成果を褒め称えたりする様子が報道され,ついにアメリカの軍事基地などを衛星から観察したという報道までされた。現時点ではまだ,どのような観察結果が出たかについては写真公開はされていない。またおそらく,公開はしないだろう。

 今回打ち上げられた衛星に搭載されていたのは,ごく普通のデジカメクラスのカメラだと思われる。ちょうど同じぐらいの高度を飛んでいるISS国際宇宙ステーション)からのライブ中継カメラ程度(ISS(国際宇宙ステーション)のライブカメラに癒やしを求めた件--「地球の7割は海」を改めて認識 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/5/22)で,島や半島などの形ははっきり写るが,そこにある建物などは認識できない程度だと思われる。

 それでもアメリカの軍事基地全体や,ペンタゴンなどの巨大な建物は認識できるだろう。画像解析を駆使すれば,細部も確認できるかもしれない。

 しかし,公開してしまえば,「北朝鮮の技術はこの程度」とバカにした報道がされるか,「実際はもっと高解像度だが,わざと解像度を落として発表した」と疑心暗鬼な報道しかされないだろう。実際に,そんな高解像度画像を出すはずがないからである。

 問題は,北朝鮮側が「◯◯が見えた」「◯◯に守りの不備あり」などといったプロパガンダをおそらく次々に流布するだろうということである。つまり,軍事偵察衛星を自分で持てたので,言いたい放題ができるようになったことである。

 欧米に軍事監視衛星は,大義名分は「世界の平和維持のための防犯監視」であり,すなわち東側諸国やテロ国家の動きを抑止するための機能を持っていた。街中の防犯カメラの機能である。その映像を善意で活用し,平和を維持するという理由付けができる。

 北朝鮮の軍事偵察衛星は,「偵察」つまり相手の動きを掴むことが目的であり,これまで対立してきた西側諸国に対する抑止力を持つことになる。西側諸国も,おかしな動きをしにくくなる。偵察と称するが,西側のプライバシーを含む情報を「勝手に」収集できる点が問題なのである。

 つまり,アメリカや西側が防犯カメラを設置したのに対し,北朝鮮は「隠しカメラ」をセットし,西側諸国の動きを逐一モニターする「盗撮」用の隠しカメラのようなものである。

 今回の打ち上げに対して,ロシアが資料のチェックと指示の書き直しをすることで,金正恩首席のロシア訪問,特に宇宙設備の視察の意味がわかってくる。ロシアのチェックを受けたために,自信を持って打ち上げに臨むことができたのだろう。

 次回の打ち上げは,年内に2回ある予定と報じている。次回は,衛星も含めてより自信を持って打ち上げできると思っている。ロシアの後ろ盾があるからだ。そうするとさらなる「覗き見」カメラが厄介な状況になってしまいました。

 もっと厄介なのは,この衛星の撮影画像をさらに厄介なアングラ組織に売り渡して資金集めの手段ができることである。その情報の流出先は,もはや人の話を聞くことも人を思いやることもない無法地帯である。

 今後,引き続いて軍事偵察衛星を打ち上げると,北朝鮮は発表している。ロシアが技術のバックアップを始めたことから,おそらくロシア製ロケットでロシア製軍事偵察衛星を打ち上げることになると予想している。北朝鮮という皮は被っているが,中身はロシア製である。成功しないわけはない。

 核兵器開発にしても,ICBM開発にしても,北朝鮮の暴走がとまらない。ここは,西側諸国はこの軍事偵察衛星の機能を消す必要がある。宇宙空間で宇宙戦争が勃発する危険性を孕んだとんでもない段階にあると言える。宇宙デブリができない形で,破壊する必要があるだろう。

 ちなみに,現在のAI技術を使えば,低解像度の画像であっても,世の中にすでに流布している多くの画像情報をかき集めて自動合成することで,もっともらしい高解像度画像を合成することはそれほど難しいものではないと思われる。米軍基地を衛星から撮影した画像だ,と言っても,航空機からの写真と合成すればいかにも宇宙から高解像度写真が撮れたように偽造することもたやすい。まあ,現実と比べて偽造に気づけるかどうかは専門家の目しかなく,われわれ一般素人はコロッと騙されるのだろうと思われる。何とかこの“AI偽造”に歯止めがかからないものだろうか。人間の尊厳すら脅かす恐ろしさを感じる。