jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

16年前のデジイチ中古ボディー購入を検討したがやめた件--ニーズ,重さから逆算

若い人たちの間に,ミラーレスデジタル一眼カメラ(デジイチ)が流行っているという。ほぼ全員がスマホ,しかもカメラ機能に優れたiPhoneを多くの若者が持ち歩いているというのに,わざわざ重たいデジイチを持つというのがよく分からないし,意外にも若い女性がミラーレスデジイチを購入するのだという。

 筆者のカメラ遍歴は,最初は親に買ってもらったハーフサイズの「オリンパスペンS」。小学6年の修学旅行用に買ってもらった。中学に入って,SL(蒸気機関車)の写真を撮りに行くことになり,中古の一眼レフカメラを買ってもらった。ここからキヤノンとの付き合いが始まる。高校まではこのフィルム一眼で,200mm望遠レンズでSLを追い回していた。

 仕事を始めて,今度は一転,細かい部品を撮影する必要に迫られ,100mmマクロレンズを使いこなせる一眼レフを購入。さらにデジタル一眼レフが登場すると,中でも手頃なEOS 650を購入した。オートフォーカスで,あらゆる場面で使いやすく,長年愛用してきた。

 デジタルカメラが登場し,取り直しも簡単にできるフィルムカメラにない特徴が魅力で,コンパクトデジカメ(コンデジ)からスタートした。初期にデジイチも発売されたが,35mmフィルムと同じサイズのCCDの製造ができず,APS-Cという二回りほど小さいサイズの撮像素子を搭載したデジイチが登場した。フィルムカメラ用のレンズを取り付けても焦点距離が1.5倍と望遠系になるが,逆に同じ焦点距離だとレンズを小さくできることから,コンパクトなデジイチが実現できるという触れ込みだった。しかし画素数もそれほど多くなく,画像としてもフィルムには敵わないと判断し,コンデジで十分と判断してきた。そのうち,ガラケー搭載のカメラで撮った画像でも,Webでの使用にはまったく問題なかった。

 それでも,手頃なAPS-Cデジイチを試してみたいと思って,初心者向けのオリンパスE420を購入した。使い勝手は問題なかったが,画質に満足ができなかった。CCDの感度が低かったために,昼間はうまく撮れても夕方以降は難しかった。大きさや重さの点では,12倍ズームレンズを搭載した一眼レフ風の一体型デジカメが使いやすく,仕事での愛用機はパナソニックの「LUMIX DMC-FZ1」を持ち歩いていた。

 フルサイズのデジイチはプロ用にはあったが,それこそ目玉が飛び出るほどの値段で,素人が手を出せる代物ではなかった。ミラーレスデジイチが主流になった現在も,数十万円クラスになる。レンズもいろいろと揃えていくと相当な出費になると思うのだが,それほど魅力があるのかなという気がする。

 息子が中古のフィルム一眼レフカメラを買い,やはりそれなりにトラブルを抱えているのだが,今度は下の娘がデジイチが欲しいと言い出した。女子なので無骨なミラー型ではなくミラーレスにするようだ。

 そういう話の流れで,そういえばEOS 650が物置で眠っていることを改めて思い出した。バッテリーはすでに放電しており,今さらフィルムを使う気持ちも萎えてしまっているのだが,フルサイズのデジイチの中古ボディを使えば,レンズは活かせるかもしれないと考えた。検索してみると,2008年発売の「EOS 5D mark2」のボディが一桁万円で売られているのを見つけた。16年も前のモデルになる。

 まあ,遊びならいいかと思ったし,いちおうカメラ店が点検した保証品なので,動作に問題はないと思い,おもわずポチっとしてしまいそうになった。

 ただ,今後このデジイチをどう活用するかを考えたとき,明確な目的を見つけられなかった。筆者の性格上,カメラクラブの撮影会ような集まりに参加する気持ちもないし,作品を発表する気持ちもない。そういう集まりだと結局はカメラ自慢になってしまい,金力がモノを言うことになる。仕事で使うかと言えば,今のところまったくその予定もない。小物撮影は,深深度撮影ができるコンデジ「tough TG-5」でゆっくり楽しもうと思っている。ビデオカメラも,手でグリップするタイプをほとんど使わなくなった代わりに,アクションカメラでビデオ撮影して楽しんでいる。自転車に取り付けたり,自撮り棒の先に取り付けて高い視点からの撮影を楽しんだりしている。運動会のようなイベントで遠くから子供を望遠撮影するというニーズもなくなったからである。

 スマホのカメラ性能が一気に上がり,まさか超広角と広角という2レンズや,超広角+広角+望遠という3レンズを搭載するようになるとは思わなかった。さらに,2つのレンズで同時撮影した画像情報を使って被写体までの距離情報も持たせることで,撮影後にピントが合う位置を変更したり,背景をぼかして一眼レフカメラで撮影したような効果を持たせることもできるようになった。

 一方で,デジイチもそのCCD性能の向上により,1回の撮影で距離情報を取得し,そこから3D画像を作成する機能を今後搭載するかもしれない(3D撮影はどうなる--キヤノンの新技術を考察してみる - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/2/29)。

 結局,あまりにもデジタル処理が進んだことに対して,若者も冷静になってフィルムカメラへの回帰が行われているのかもしれないし,デジイチで自分の意図どおりの写真を撮りたいという気持ちが現れているのかもしれない。これはこれで重要である。

 新規導入のOPPOスマホも2レンズで,動画には手ブレ補正,タイムラプス,スローモーションなどのモードも標準で搭載していた。しばらくはこのスマホ・カメラの性能評価を先にしてみたいと思う。フィルム時代のカメラは,まだそのまま物置のコヤシ状態が続きそうである。