jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

アクションカメラをミニカメラとして使ってみる

世の中,GoProが小型アクションカメラの代名詞にもなるほど,使われるようになった。かつて,片手では支えきれないほどの重さの8mmビデオカメラを皮切りに,片手の手のひらに握って支えるほどのHDDビデオカメラまで使用してきた筆者にとって,コンパクトデジカメでムービーが撮れるようになったことも驚きだった。しかしアクションカメラは,手のひらに握って隠れてしまうほど小型で,しかもヘルメットや肩に載せてムービー撮影ができ,さらにハイビジョン超えの4K8Kでの撮影までできるという,にわかに信じがたい性能を持っていた。

 コンデジでのムービー撮影は,正直なところほとんど行ったことがなかった。ムービーを撮るなら,やはりレンズのズーム倍率が20倍~40倍と高いビデオカメラの方が有利だった。餅は餅屋だと思ったものである。

 ところがアクションカメラは,どちらかといえば超広角で広範囲の風景を写すというコンセプトでできている。画角が広い分,画面を左右に振る(パンする)と周辺が歪んだような動きになるが,自転車やバイク,クルマなどに搭載して連続撮影すると,臨場感が得られる。そういうムービーづくりのために開発されたのだと考えられる。

 その手のひらに入ってしまうほどの小型ムービーカメラも,GoProとなると結構いい価格になる。子供も成長したため,学校行事でのムービーの出動機会がまったくなくなり,かといってただ超ワイドな小型アクションカメラを何に使うか,という明確な目的がないので,購入することはほとんど意識になかった。

 特に何か機会があったわけではないが,たまたまAmazonでアクションカメラのバチモンを見かけた。ほぼ1桁違う安さに,だまされたと思って購入したのが,2022年7月である。

 アクションカメラは,本体に三脚ネジ穴も無ければストラップを取り付ける金具もない。その代わり,豊富なアクセサリーが10点近く同封されており,さまざまな使い方ができる。その使い勝手も試してみたいと思っての導入である。

 本体がシンプルなだけに,アクセサリー類を取り付けると,結構デコボコが大きくなる。例えば三脚ネジ穴の付いたアクセサリーを取り付けると,単独では床の上に置くことができず,必ず三脚が必要になってくる。筆者は,自撮り棒の先にアクションカメラを取り付けて使うことを想定して,アクセサリーをセットしたが,他の使い方ができないことに気づく。「う~ん,これは使い道がない」と思ってそのままお蔵入りしていた。

 10月に入って,久しぶりにこのバチモンアクションカメラを取り出してみた。3ヶ月も経つから,まず充電だなと思っていたら,意外にもバッテリーはほとんど減っていなかった。こういう点は優れているな,と思いつつ,活用法を考えることにした。

 最近は,コンデジではなく,一眼レフタイプのデジカメを持ち歩くことが若者の間では流行っている。いかに軽くなったとはいえ,あの重さのあの大きさのカメラを常に首から下げていることに違和感があって,とても持つ気がしないし,そもそも撮影対象がそれほどあるという意識がない。

 かつて,自分の人生の行動を記録できないかと思って,小型のタイムラプスカメラを検討したことがある。ペンダントのように首から下げて,1分に1枚,といったペースで自分の眼の前の画像を記録すれば,その日の天気やすれ違った人などが記録できるのではないかと考えた。古くなったドライブレコーダーを流用することも考えた。

 今回,アクションカメラを首からペンダントのように下げることで,あまり意識せずに持ち歩く方法を試すことにした。

 ところが,GoProを含めて,ペンダント型に首から下げるアクセサリー部品が見つからない。ネックストラップというと,なんだかイヌの首輪のような,アゴのすぐ下にカメラが位置するようなアクセサリーしか売られていなかった。唯一,GoPro用の「スリーブ + ランヤード」というシリコーンゴム製スリーブで首から下げられる製品を見つけたが,筆者のバチモンアクションカメラにはわずかだが大きい様子だった。

 付属の硬質のアタッチメントにロングストラップを付ける方法を考えたのだが,このアタッチメントは三脚穴を付けるのが目的で,上下に突起があって,今一つかなと思った。そこで考えたのが,アクションカメラの周囲をヒモやリボンのようなもので囲み,そこにストラップを付けるという方法である。

 最初は,カメラのネックストラップのヒモをギュッと締め上げる方法を模索したが,締め付け力が弱く,うまく固定できなかった。そこで思いついたのが,結束バンドである。これでカメラの周囲をぐるっと囲み,ロック部分できちんと締め上げ,最後に余分なところを切る。この輪の中にネックストラップを結びつければ,簡易ペンダント型アクションカメラに早変わり,というわけである。

バチモンアクションカメラの周囲に結束バンドを巻き付け,そこにネックストラップを付けてみた

 結束バンドの上部にストラップの結び目を移動すれば,カメラを水平にキープできるので,タイムラプス動画の撮影もできそうだ。

 ボタンが少ないので,なかなか操作を覚えられないが,超広角で画面が歪むのは仕方ないのだが,ポケットに入れても首から下げても,ほとんど持っているという感覚がない。ミニカメラとしても楽しめそうである。

【追記】アクションカメラ持ち歩きを体験して,世界初のデジカメであるカシオ QV-10のことを思い出していた。1987年発表で,CCDは25万画素,画像サイズが320×240ドットと,現在で言えばトイカメラレベルなのだが,後ろに液晶モニターが付いており,飲み会の会場でも撮影してすぐに画像を見られるというコンセプトが新鮮だった。新しい製品が日本でどんどん生まれ,技術大国を謳歌していた時代のことである。GoProなどのアクションカメラや360度撮影カメラ,タブレットスマホなど,その後の製品がいずれも海外発であることに,改めて日本の技術力の低下を感じざるをえない。