jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「身内」を考える

人にとって,家族や身内というのは大事なものだと思う。血のつながりとか血縁など,他人とはまた違う感情が生まれる。それが愛情の場合もあれば,支配・隷属の場合もある。無償の愛がある半面,ドメスティックな表面化しない犯罪にもなりかねない。DNAで証明できる厳然とした関係があるだけに,厄介である。

 親が子を導こうという思いだとしても,子にとっては強制に感じることもあるだろう。親の心,子知らず,子の心,親知らず,は,いつの時代にも存在する。

 筆者にとっては,家族5人はもちろん大事である。なかなかいい家族だと思っている。しかし,大人の年齢になった子どもたちに気を使われていると思うことも少なくない。自由に羽ばたけ,と言いたいところだが,心配なところは限りなく多い。あとは信頼するしかないが,考え方の差は厳然と存在する。

 100%の愛情を注げる対象としてのペットの犬が2匹いる。最初は犬だったが,今はもう家族である。こちらも11年の付き合いになるが,いい子に育ってくれていると思う。多少の駆け引きはあるものの,言うことも聞いてくれる。人間との数の比率,大きさ,生活習慣などのバランスがうまく取れたからだろうと思う。世の中でペットの虐待があることを聞くと,悲しくなってくる。何か条件がうまく合わなかったのではないかと思うが,被害を被っているのはペットの側である。多くの殺処分の対象になっていることも残念である。

 ペットが家に来るきっかけはさまざまだろう。我が家の場合は,ホームセンターを何度か訪れるうちに,その中にあるペットショップで子犬たちに出会ったのがきっかけである。偶然の出会いが家族になったきっかけである。

 人と人の出会いも,結局は偶然である。たまたま同じクラスにいたとか,同じ職場にいたとか,仲介してくれる人がいたとか,はたまた街角ですれ違ったとか,場面はさまざまだが,偶然としか思えない。そのときの自分の波長と相手の波長が合うことが重要なのかなと思ったりする。

 偶然の出会いがきっかけだとしても,長い人生の伴侶となるのが理想だろう。家族,身内以外に信頼できる相手というのは,なかなかいない。「無二の友」というのもあるが,生活までは共にできない。気持ちも習慣も癖も基本的にすべて共有できるかどうかが問題である。

 出会いから結婚までの期間は,これもそれぞれなので,短いカップルもあれば長いカップルもある。長いつきあいのうちにお互いの存在が空気のようになってしまうとも表現されるが,これは理想論である。家族,身内でも意見が異なることの方が多いのに,ましてや他人同士である。表に出てこないさまざまな調整を心の中で進めなければならない。それが一つの楽しみと見るか,ストレスに感じるかによって,その後の展開も変わってくる。

 筆者は,結婚の使命の一つはリプロダクション(再生産)であると思っている。親の世代はいずれ消えていき,子の世代が次に台頭するためには,夫婦から最低2人は子供が育っていく必要があると思っている。したがって,健康な子供を授かったことに感謝している。

 現在は、自分のDNAを調べて、将来の病気の可能性を知ったり、出産前に胎児のDNAを検査して、障害の可能性を知ったりできる時代になった。自分のDNAはある程度は自己管理できるが、出産前に胎児の未来の一部が確率的にせよ判明することには、やや疑問がある。

 一方、親になるからには、まず自分のことを知り、パートナーのことを知り、親になるのに相応しいかどうかをまず考えるべきだろう。自分の健康状態を最適にすること、そして年齢からくるリスクを最小限にすることを考えるべきだと思う。

 筆者の場合は30台でのギリギリ結婚である。お相手は20台後半から30台前半と思ってきた。人生経験、社会経験を経ることが大事だと思ってきた。自分も20台はガムシャラに生きてきた。旅行、留学、バイク、スキー、自己啓発なども集中しておこなってきた。社会人としての自信が付いてからの婚活なので、時間がかかってしまった。

 女性の場合は、健全な妊娠に年齢の幅が狭い。年齢が上がるにつれて自然に上がるリスクがある。このあたりのマッチングが難しいところである。

 さて、話題のきっかけは、タレントの有吉弘行氏とアナウンサーの夏目三久さんの結婚である。本人同士のことなのでコメントはしないが、有吉氏が46歳、夏目さんが36歳。そして出会いから10年経っての結婚だというところに引っ掛かっているのである。

 年収も問題ないのだろうが、結婚の一番の使命と筆者が考えるリプロダクションには条件が良くなくなりつつあると感じる。

 子供がほしいのなら、女性の年齢を考えて少しでも早く出産してもらう方がいいのだが、と思い、「この結婚の意味」が何なのかが知りたいのである。周囲の談話の中に「相手を支えてあげる気持ちができたのでは」というコメントがあったが、これは結婚における男女の古い考えだと思う。お互いがきちんと自分の仕事を社会に対してできる関係であってほしい。

 筆者は、その点だけに注目していきたい。

 

またまた「富岳」シミュレーションの想定不足の件

マスクなしでマイクロ飛沫がどこまで飛ぶかというスーパーコンピュータ「富岳」のシミュレーションが紹介されていた。立った状態で前方1.5m、歩きながらだと後方3mまで広がる、というものである。

 ではこの距離離れていれば感染を受けるリスクが無くなるのかといえば、実はそうではない。実社会では風も吹いている。湿度による浮遊距離も時々で異なる。

 歩いている場合はさらに変動する。仮に無風状態であっても、マイクロ飛沫を飛ばしている人の後を何分も歩くことになると、3m空けたからといって、飛沫に繰り返し曝されることになる。まったくもって安全距離とはいえない。

 最近ではかなり少なくなったが、いまだにくわえタバコで歩いている人がいる。その後ろを歩けば、タバコのニオイは3mどころか5m、いや10m離れても臭う。まさにマイクロ飛沫状態である。

 この一般的な定性的な経験をプログラマーはやはり考慮すべきだろう。まあ、タバコ嫌い人にとっていかにタバコのニオイが嫌か、ということではあるが。

マスク会食とマスクインナーカバー

大阪府の吉村洋文知事の行動、言動が何かと批判の対象になっているが、筆者はまずその行動の早さを評価する。まず動いて(もちろん十分思慮の上で)、その結果で次の動きを決める。勘に頼った行動ではない。「大阪モデル」のような具体的な基準を決めたのも吉村知事である。

 新型コロナウイルスの感染確認者がリバウンドしたのは残念だが、変異ウイルスへの移行などの予期しなかった要因もある。すぐに対応されているのはすばらしい。

 提案の一つである「マスク会食」は理想だが、食事が出たら15分間は食べることに集中し、食後に10分間会話するという時間配分の方が潔い。この方が感染防止マスターも注意しやすい。

 モノを口に運ぶ時にマスクを片耳外すのは慣れればできるというものの、マスクが汚れたりメガネがずれたりと、結構わずらわしい。基本はマスクを外して食べることに集中した方がいい。

 マスクを外したり着けたりを繰り返す場合、気になるのがマスクの形崩れである。特に不織布マスクは、立体になって顔にフィットしつつ、口とマスクが直接付かないようにある程度の固さを持っているしかし、1日使った後に固さが無くなって口に付きやすくなる。マスク会食での外し着けの繰り返しは、この形崩れを進めてしまう。

 ここでオススメが、マスクインナーカバーである。マスクインナーカバー--100均以外でも入手 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/2/20。マスク両側から両手で支えてアゴまで移動させる。マスクインナーカバーがちょうどアゴに収まって安定する。食べ物が口に入ったらまた両手で口の前まで移動させる。この繰り返しの間、マスクの変形は最小限に抑えられる。口がマスクに直接付かないので、マスクが汚れることも少ない。またアゴがマスクに直接触れることも防げる。

 布マスク愛用者にも、オススメしたい。

【追記】その後も,マスクインナーカバーは大活躍している。Seriaでもその後,購入できた。正直,100円ショップで同じ商品を購入できたのは,おそらく初めてである。(とはいえ,なぜか棚の一番下の段にひっそり置いてあったのだが)。

 マスクインナーカバーの欠点の一つは,マスクを外したときに落としてしまう可能性があることである。たしかに,不織布マスクの内側のヒダに引っ掛けて落とさないように工夫はしてあるのだが,引っ掛ける位置が常に変わるし,あまり効果があるようには見えない。

 家族にも配布して,予備が必要になったので,またまたAmazonを検索してみると,なんだかいろいろな種類,価格の同様商品が続々と検索できる。一生使えるかもしれない数十個セットもあったが,とりあえず10個セット500円を1つ注文してみた。税込みなので,1個あたりは100円ショップよりも安い。

 届いてみると,100円ショップバージョンとまた微妙に形が異なる。顔への当たり具合も異なる。穴の開き方も異なる。筆者としては,このAmazon版の方が,鼻への当たりが優しく,顔へのくっつき具合が少なく,また穴が大きいので鼻が痒くなったときにマスクの上からちょっと触ることができるので,こちらを普段使いするようになった。この辺りは,個人の感覚の違いもあるので,1発目で当たることを祈っている。

「感染再拡大防止のための重点措置」で「市中での全アルコール提供禁止」ではどうですか

「蔓延防止等重点措置」の内容,呼び方が世間を騒がせている。内容がしっかりしているのなら言い方などどうでもいいのだが,緊急事態宣言との違いがわかりにくい,地域を限定することでかえって効果が限定的になるのではないか,など,「切り札にならない」と思われることで,略称で揶揄されているのかもしれない。

 当初から保健所で実施している積極的疫学調査そのものが「蔓延」防止である。今回の措置は,「地域」「業種」などを絞って「重点的」に「制限」「対策」を実施して,「再拡大を防止」することが目的である。ということで,「感染再拡大防止のための重点措置」と明確に言い換えることを提案する。略称は「重点措置」でいいだろう。

 以前から筆者が主張しているように,飲食店そのものが感染の原因ではない。まして,営業時間が影響するものではない。むしろ,店内の密集度を下げつつ,売上を上げるには,営業時間を延長して回転数を上げた方がいい。また,アルコールの提供によって,店内での緊張が緩み,会話のボリュームが上がり,滞在時間が延びて感染拡大リスクを上げる。

 したがって,アルコールの提供を禁止し,市中のアルコール自動販売機を止め,街なかを酔って歩くことを禁止することが,一つの大きな対策になる。店舗でのアルコール提供がなければ,営業時間の短縮措置を解除する。もちろん,パーティションの設置や会話の制限,マスクの着用,アルコール消毒,換気などは必要である。密を避けるために定員の1/3とした分,営業時間を深夜まで認める。これで3回転させて売上を上げることをしてもらえば,飲食店も助かるのである。

 アルコールは自宅のみ。オフィスや飲食店で飲酒すれば,表を歩くことになり,市中での飲酒行動は警察による逮捕の対象となる。

 地域限定という意味では,繁華街をまず対象とすることである。さすがにアルコールのみを提供する店舗は一時期休業していただくしかない。その分,手厚い保護をしていただきたい。

 「宅飲み」「オンライン飲み会」でいいではないか。

 それにしても,医療機関でのクラスター発生は仕方ない部分はあるが,介護施設でのクラスター発生の原因はなんだろうか,と考えると,介護スタッフが外で感染を受けたことによるのではないか。とすると,どこかで飲食・アルコールを通じて感染したからではないのか。家族の面会が制限されている中,介護を受けている人が外出することはないのだから,スタッフの気の緩みとしか思えない。精神的,肉体的にきつい仕事なので,その発散が原因となっているのかもしれない。これも当面,「宅飲み」「オンライン飲み会」で解消してもらいたい。

「蔓延防止等重点措置」の略称ウンヌンより幼稚なこと

「蔓延防止等重点措置」を略すと魚の名前になり,名物となっている地域から使用を控えてほしいという要望が出ているらしい。田村厚生労働大臣は「蔓延防止措置」,尾身茂有識者会議会長は「重点措置」が適切とのコメントをしている。

 この重点措置は,新型コロナウイルスの蔓延を抑える効果が期待されているわけで,いわば「正義の味方」なので,名物の魚に対するマイナスイメージの風評被害が出るような気はしない。ただ,この魚の動きがノンビリしているために,新型コロナウイルス対策として手ぬるい印象を与えるかもしれない。「間が抜けている」とまでコメントをする必要もないのではないか。あまりにも表面的な意見を言っているようにしか見えない。噺家のコメントとしても不適切だと感じる。

 筆者としては,この略称によく似た響きの略称の方が気になっている。「マルボー」。組織犯罪対策部というのは警察に実在する組織で,暴力団による犯罪を取り締まる。「マルサ」(国税局査察部)も,ドラマや映画で広く使われたことで印象が強い。こちらも「正義の味方」なのだが,犯罪がらみの組織なので,これに似た今回の略称を使うことは望ましくないと思っていた。

 似たような言葉が多いので,重要なキーワードを入れて区別して呼んだ方がいいだろう。緊急事態なのか非常事態なのか,特別措置法なのか重点措置なのか。したがって今回は尾身会長の「重点措置」という呼び方がいいのかもしれない。

 そこで,あえて略して呼ぶ必要もない,というのが今回の結論だと思うが,筆者は「まん延」と1文字だけひらがな書きするのが気に入らない。確かに,常用漢字にはないのだが,「蔓延」の漢字変換は普通にできる。直感的に「まん」と読むこともできる。似たような字でやはり常用漢字にない「曼荼羅(まんだら)」や「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」などは,ルビあるいはカッコつきで表現するだろう。ならば「蔓延(まんえん)防止等重点措置」と表記した方が理解しやすい。

 もちろん筆者もメディアにいた人間として,テレビや新聞では常用漢字以外は基本的に使用しない。ルビつけやカッコつきでの表記もしない。政府官報でも「まん延防止・・」という表記になっているので,「蔓延」と書くこと自身が間違いということもできるが,逆に「又は」とか「等」「及び」などの接続詞,副詞に漢字を使う神経を理解することはできない。

 このブログの執筆については,かなりいい加減に書いているので,誤りも多々あるかとは思うが,目くじらをどこまで立てるかというところだろうか。

 あとは筆者は,最近の若者の略称についても残念ながらほとんど理解できない。どうせ作るなら,ウイットのある略称を作ってもらいたいものだと思う。

マイナンバーカードを銀行で発行するという案

マイナンバーカードの発行枚数が,全人口の26%になったという。制度が始まって9年。これほどうまく行っていない仕組みも珍しいのではないだろうか。年金制度での大失策が,政府の施策に対する不信感につながっているのだろう。筆者もマイナンバー制度開始当初から,カード発行はしばらく見送っていた。とにかく,「マイナンバー」と「マイナンバーカード」が別のものだ,という点を素直に理解できないところがまず不信感を抱かせた。

 発行されたマイナンバーカードは正直言って,格好が良くない。色も中途半端だし,顔写真は小さくそして画質は非常に悪い。記載してあるマイナンバーがすぐに見えないようにという目的でマスクのついたビニール袋が付属するのだが,これがすぐに破れてしまう。不思議なデザインである。10年も同じ顔写真を表示するなら,何かほかの方法もあったのではないかと思う。おそらく擦れて消えてしまうのではないかと思う。

 さて,文句ばっかり言っても仕方がないので,とにかく全員がマイナンバーカードを持つようになるための一つの方法を提案したいと思う。それはマイナンバーカードと銀行口座を紐付けて取引銀行でカードを発行することである。

 マイナンバーカードの発行を申請する際,個人情報と写真データの受付をまず市町村の役所に電子申請する。これはまずQRコードスマートフォンで読み取って,スマホで写真を撮って,役所に送ることで,登録完了となる。ここは「10分でできます」というぐらいに簡単である。しかしこの後,役所が受付完了のメールを送ってくるのに1ヶ月,役所に受け取りに行く日の予約に2週間,役所での受け取り手続きに30分+暗証番号+暗証コードの登録,という面倒な手続きが待っている。

 そこで,マイナンバーカードの発行申請手続き時に,自分の取引銀行の口座情報も入れるようにする方法を提案するものである。役所は,受け付けたデータをそのまま取引銀行に転送する。もともと,QRコードマイナンバーと個人情報を紐付けて申請受付しているので,ここで役所の情報との齟齬は起きない。情報を受け取った銀行は,マイナンバーカードの原カードに写真データをプリントして準備完了。後は口座情報との整合性を銀行側が確認し,窓口で個人確認し,暗証番号,暗証コードを登録して手渡して終わりである。

 カード発行,個人認証,パスワード管理は,銀行の基本業務である。そこで個人情報の齟齬や漏洩があれば,銀行にとっても痛手となるので,確実に進められる,というわけである。

 何でもかんでも自分でやろうとするのが役所の悪いところである。どうせそれを民間企業に丸投げして失敗した例が多数あるではないか。それも実績のないソフト会社中国企業に丸投げしたり,天下り先企業との癒着で業務委託したり,不透明なことばかりしている。ならば,管理する,責任を分担する,その代わりにマイナンバーの利用拡大のアイディアもシェアする,という意味で,銀行はベストパートナーではないだろうか。

 

8800億円の恩恵

筆者は現在,埼玉県に住んでいる。しかし,実家の関係で本籍地は兵庫県である。子供のパスポートの関係で現住所に本籍を移すタイミングがなかなか合わず,そのままになっている。

 本籍が居住地にない最大のデメリットは,戸籍謄本を取るときの面倒さである。これまでは,発行手数料の450円を送るのに,郵便小為替を郵便局で発行してもらい,これを郵送していた。郵便小為替の発行手数料が100円。郵送の切手代が往復で168円。合計で718円かかっていた。送ってから入手するまでの日数も,約1週間必要だった。あらかじめ封筒に宛先を書いておき,郵便局に行って郵便小為替を発行してもらい,その場で封筒に封入して投函すれば,郵便局に行く手間だけで済むが,まず郵便小為替を発行してもらった場合は,再度ポストに投函する手間がかかる。

 この戸籍謄本発行が,コンビニのマルチコピー機でできるのが,マイナンバーカードを使った「コンビニ交付」である。今回,初めて使ってみた。

 最大のメリットはコストである。郵送での請求だと,上記のように718円かかるが,コンビニ交付だと戸籍謄本の発行手数料の350円だけで済む。そして,戸籍謄本が必要なときに,すぐに発行できる。筆者の場合は,郵便局よりもコンビニの方が自宅に近いので,距離的なメリットもある。マイナンバーカードを持ってコンビニに行くだけで,その場で発行できるのである。

 マイナンバーカードで居住地以外にある戸籍謄本を取る手続きをするには,公的個人認証電子証明書の登録が必要になる。マイナポータルでの手続きになるが,マイナポイントの申請手続き同様の多少面倒な手続きが必要になる。

 筆者は,やはり文字入力のしやすいパソコンでの手続きが性に合っている。別途,指定のICカードリーダーを買わなければならない,という辺りですでにハードルが高い。筆者はマイナンバーカードの前身として存在した住基カードの時代にICカードリーダーを購入し,これがマイナンバーカードでも使えたから良かったと思っている。しかし,マイナンバーカードを使用するのに,パソコンも2台換えているし,最新パソコンでカードリーダーを認識するかどうかも怪しかった。しかし,スマホでの手続きは,何となく信用がおけない。当初,マイナンバーカードの申請は,「個人番号通知書」の下半分を切り取り,必要事項を記入し,同封の封筒に顔写真とともに入れて返送する方法だった。10年間使用するので,正しい証明書写真を入れることを考えていたが,街なかの写真ボックスが今の時代に800円もかかるのが気に入らなくて,延び延びにしていた。

 「そのうち健康保険証としても使えるようになる」と聞いて,手続きをしたのが2019年5月である。写真ボックスで,プリントとともにデータもダウンロードできる機種があると聞いて,勤め先近辺などあちこち探し回った。最終的に家に一番近いコンビニの前に置いてあった写真ボックスで撮影することになった。パソコンでの手続きは最初から用意されていたのかもしれないが,写真データも一緒にデータ転送し,手続きは完了した。

 このあと,受け付けられたことが連絡が入るのを待つのだが,だいたい1ヶ月ぐらい先になると言われていた。封筒で返送した場合より,電子的に申し込みをした方が,受け付けの手間も少なく,早く通知が来るのではないかと思っていたのだが,結局は手続きから1ヶ月ぐらいかかってようやく受け付け完了メールが届いた。正直言って,「手続きが失敗したのか」「内容に何か不備があったのか」とやきもきしつつ,「これはだれもができる仕組みではないな」と思ったものである。

 次が市役所に出向いてのカード発行手続きである。平日しかできないので,午前半休を申請して予約日に市役所に行った。予約時刻に行ったが,前の人の手続きが長引いて30分余分に待たされることになった。当時は登録用のパソコンが市役所に2台しかなかった。

 対面ではまず担当者が,免許証の顔写真と本人,そしてすでにできあがっている「マイナンバーカード」の顔写真を見比べて確認するところから始まった。住所や誕生日などの個人情報での個人認証後,マイナンバーカードの記載内容の確認を求められ,最後に暗証番号(数字4桁)と暗証コード(英数字で6~16桁)を決めてタッチパネルで入力。その内容を手書きで書き込む紙をもらって書き込んで完了した。

 暗証コードは「英数字で6~16桁」と書いたが,正確には「大文字の英文字と数字の組み合わせ」に限られる。これも変な話である。一般の暗証コードは,解読しにくいように大文字と小文字を必ず混ぜるように指導され,さらに一部の記号も含めることが近年は求められるようになった。筆者の場合も当初考えていた暗証コードが大文字小文字を含むものだったため,これをすべて大文字と数字に置き換えて登録した。後になって,マイナポータルでの手続きの際に暗証コードがすべて大文字だったことをすっかり忘れて,何度か打ち込んでロックがかかってしまい,この解除のために再び市役所を訪れることになる。

 2021年3月になって,再びマイナンバーカード登録推進のための登録案内が届いた。筆者は,届け出から受理まで1ヶ月もかかることを知っているので,家族にもなるべく早く申し込んだ方がいいと言っているのだが,これまでは正式な証明写真であると思っていたのが,現在はスマートフォンで自撮りした写真でいいらしい。また,登録案内に印刷されているQRコードを読み取るだけで,マイナンバーや氏名,住所なども自動的に入力されるらしい。申し込み段階は一歩進んだようだ。しかしたぶん,受け付けまでの日数がかかることと,市役所窓口で手続きするところが変わらないので,なかなか登録が進まないことが予想される。

 さらに問題があるとすると,実際にマイナンバーカードを活用する際に,マイナポータルとの連携をスマートフォンで行う場合,スマートフォンによって連携機能がないことである。iPhone系はほぼ大丈夫なので,国民の8割は問題ないようだが,Android系も3大キャリアに対応機種は多いが,格安スマホの対応機種に制限がある。筆者の場合も対応機種ではなかったため,マイナポータル登録の際にスマホをキャリアごと変えた。その後,マイナポータルとマイナンバーカードのリンクは,パソコンで行っているため,スマホで連携が取れるかどうかはまだ確認していない。ここでも注意が必要である。

 いまは改善されたのかもしれないが,マイナンバーカードに印刷された顔写真が実は非常に不鮮明である。パスポートにも同じ写真を使っているが,こちらも規定のサイズで申請したにも関わらず,不自然なトリミングがかかり,また色もおかしい。せっかくお金をかけて写真ボックスで撮影した画像が再現されないのはいかがなものかと思うし,これで個人認証に使われるかと思うと,心外だし,正しく認証できるのかどうかも怪しい。画像データはカードの中に記憶されているらしいが,カードの写真だけでアナログ的に比較されるのも気に入らない。

 ともあれ,戸籍謄本の申請では,9年間8800億円の投資の恩恵に預かったと思う。システムの開発費以外に,各自治体への機器の配置,そして何よりも担当者の人件費が膨大なのだと思う。この際,せっかくのスマホによる申し込みに続いてスマホビデオ会話による受付システムを構築した方がいいのではないだろうか,とも考えたが,個人を特定するカードだけに,電子化は難しいところもあるのかもしれない。