jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

入国制限解除初日の成田空港

2020年10月1日。たまたま私用で成田空港に行っていた。朝の8時30分から10時30分の間,空港内にいた。

 案内放送は,帰り際に1回聞いたきりだったように思う。実に静かだった。カウンターや店舗の照明も消え,すれ違う人も少ない。いつもの空港の出発ロビー,到着ロビーというと,空気感が違い,何か不思議な感じがする空間なのだが,昨日の出発ロビーは,ガランとした空間だった。空港という感じが全くしなかった。

 10月1日に海外から日本への入国制限が解除された。その初日に成田空港にたまたまいたが,「朝から制限解除の熱気」というわけではなかったようだ。これは出国ロビーだったせいかもしれない。搭乗案内の大型パネルも8割はキャンセル便が表示されていた。

 ニュースでは,この入国制限解除に伴うPCR検査体制の強化を図るために,新しいブースを設けている様子が報道されていた。受け入れる側は戦々恐々な状態なのかもしれない。

 出国時に荷物を預けるチェックインカウンターも,今や自動チェックインの仕組みが導入されていた。預けるスーツケースを台に載せると,自動的に重さを量り,行く先を入れてタグがプリントアウトされ,これを自分でスーツケースのハンドルに取り付ける方法である。これまでは,係員と対話をしながら預けており,タグづけも係員に頼っていた。自分で出力し,自分で取り付け,自分でベルトコンベアに送り込まれるのを見届ける。慣れてしまえば何ということもないのだろうが,自己責任で荷物が勝手に運ばれて行くのを見送るのは,なんとも心細いものである。

 帰りがけの出国ロビーには,おそらくアジア方面に向かう人の100人以上と思われる長い列ができていた。これまでは,チェックインカウンター前に折り返しで並んでいた人たちが,密を避けるために一列に並んだためにできた列だと思う。これにおそらく自動チェックインシステムの戸惑いで,チェックインに今まで以上に時間もかかるように思われる。

 駅の自動改札機や,飲み物の自動販売機は,カードのタッチやボタンでの選択というアナログな行動だけで無人でのやり取りができるが,自動券売機や自動チェックイン機などは,画面上の多くの選択肢からの選択や,複数ステップの選択が必要になり,有人システムよりも効率が悪くなりがちである。なんでもかんでもコンピュータ任せというのは,いかがなものだろうか。

 筆者も,テレワークに移行してからは通勤定期ではなく回数券を買うことにしているが,券売機の初期画面に「回数券」という文字がない券売機が意外に多い。JRにいたっては,在来線の回数券を買うのに新幹線の券売機を使う仕組みになっている。カードを入れる場所,硬貨を入れる場所,お札を入れる場所がバラバラの自販機も結構多い。デジタル化に比較的先行的に取り組んできた筆者も,昨今のデジタル化の普及に戸惑うことが多い。サービスの中には,スピードの要素のほかにコミュニケーションの要素も必要である。新型コロナウイルス禍において,人との距離が離れる中,いかにサービスの質を維持できるか,考えされられた一日である。