jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

バブル=ホワイト・ロックダウン。世界ハンドボール大会で効果確認

2021/1/13(水)~1/31(日) エジプトで開催された「第27回男子ハンドボール世界選手権」で,選手や関係者をホテル,バス,会場の3カ所のクローズ空間に行動制限する「バブル」と呼ばれる感染防止対策が取られたことを知った。3つのバブルの空間に出入りするたびに,PCR検査で陰性を確認し,ウイルスを持ち込まないようにすることで,その空間の中では競技も練習も打ち合わせも自由に行えるようにしていた。映像で見る限り,マスク着用もなく,選手同士の接触もされていた。それぞれの空間の中にウイルスがない状態を作っているので,従来の生活ができる,というわけである。

 結果として,2週間以上の期間,日本選手団の感染確認はなかったという。

 筆者は,早い段階から「ホワイト・ロックダウン」を提案してきた。ホワイト・ロックダウンの実施を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/9。「ウイルスレスなエリアを確保する」ことで,その中での生活を自由にする,という考え方である。今回の「バブル」と同じ考えである。その後,ニューヨークでバーに入店する前に抗原検査をする取り組みも紹介した。移動をしたい人は,抗原検査キットで自宅で陰性を自己証明すべき - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/11/28。オーストラリアで開かれたテニスの全豪オープン(2021/2/8(月) - 2021/2/21(日))でも,チャーター機の調達,ホテルでの缶詰めなど,選手の感染防止,感染拡大防止のための施策は行われてきた。個別のスポーツ大会でのこれらのノウハウの蓄積により,7月開催予定の東京オリンピックでも選手の感染防止,感染拡大防止ができるかもしれない。

 現状,一流選手といえどもワクチンを優先的に接種することはできていない。選手が感染を受けるのを防ぐには,ホワイト・ロックダウンしか手がない。ホワイト・ロックダウンの決め手は,PCR検査などでの陰性証明である。今回のハンドボールの大会では,期間中に選手は20回近い数のPCR検査を受ける必要があったという。毎日2回ぐらいのペースだろう。3つのバブルの間が切断されていることや,会場,バス,ホテルのスタッフをバブルの外の空間から完全隔離することができないため,やむを得ないのかもしれない。生活圏を含めた広域ホワイト・ロックダウンができなければ,PCR検査を毎日する,というのも必要かもしれない。

 ワクチン接種が,日本では高齢者が4月12日以降に始まるという。各自治体に運ばれるのが4月26日だという情報もある。この2週間のズレはいったいなんだろうか。また,一般の人への接種は,当初6月開始という話が出ていたが,今は7月開始とアナウンスされている。高齢者で2カ月先,一般の人が5カ月も先か,という気持ちが強い。イギリス,フランス,ドイツ,アメリカ,ロシア,中国など,世界各国で接種が進んでいないのは「発展途上国」という認識であれば,日本はさらに「後進国」といわれても仕方がない状況にある。少なくとも,政治判断がダメだった,何も行動をしなかった,という点においては世界からはあきれ顔で見られていると思う。

 東京オリンピックの時点で,ワクチン接種はかなり進んでいる。特に選手には優先的に接種が進められることになるだろう。なぜかというと,日本で開催されるスポーツ大会では,「バブル」を構成することもできず,徹底的なPCR検査も行うこともできず,またこの仕組みを維持するための強権発動もそれを抑え込む警察や軍隊の権力もないからである。せめて,参加選手,関係者へのワクチンの優先接種ぐらいは表明してほしいものである。関係者は,会場スタッフ,ホテル従業員,弁当や食材などの出入り業者なども含まれる。それも含めて認識してもらいたいものだと思う。