jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

有事,戦時下には何をしていたか--「宣言」ではなく「布告」が必要

筆者は,戦後生まれ世代である。戦争を知らない。有事というのを経験したことがない。世界中が,目に見えない新型コロナウイルスとの戦いに一喜一憂している。今,世界中は有事であり,戦時下にあると言える。

 2021/5/2現在,危機的な状況を呈しているのがインドである。感染爆発状態で,医療崩壊が起きている。人工呼吸のための酸素が足りない。

 同じように,重症者用病床が100%を超えて綱渡り状態なのが大阪府である。

 敵は,目に見えないウイルスである。人類が現在持ち得ている攻撃用の武器はワクチンである。兵糧攻めのための武器である。

 一方,ウイルスからの攻撃から身を守る鎧は,マスクであり,手洗いであり,移動抑制である。ウイルスという飛び道具に対して,籠城によって攻撃が収まるのをジッと待つ。時間が立てば立つほど,ウイルスという飛び道具が進化(変異)して,城に籠もっていても攻撃を受けてしまいやすくなる。

 戦争中だというのに,城からフラフラと外に出て,ウイルスをくっつけて城内に戻り,城の中の人にウイルスを広げてしまう。ウイルスをくっつけているかどうかを入り口でチェックするのが,PCR検査や抗原検査である。通行証であってもいい。

 しかし,城から勝手に出ていって,勝手に帰ってくる人がいるから,ウイルスの侵入を防ぎきれない。「出島」と「関所」をもう一度 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/12/1。関所を作っても,門番がいなければ人は通過してしまう。約束事,お願いごとをされても,勝手に移動してしまう。

 いま,日本にはこの「門番」がいない。現行法では,警察は手を出せない。門番として関所に立っていたとしても,出入りする人を拘束する権利を持っていないからである。

 有事,戦時下なのに,行動抑制をする法律もなければ,違反者を拘束する門番もいない。さらに問題なのは,この戦いに勝とうとする「大将」がいないことである。

 戦時中,人心をまとめていたのは,天皇という存在であった。天皇を旗頭に立てた軍部が権力を奮い,最後には「国家総動員法」を成立させて情報伝達も含めて統制を図った。ベクトルが一つの方向に定められていたため,戦争が終わるまで日本が負けることを意識しなかった人も多かったことが予想される。

 今の民主主義の時代,情報発信も個人レベルとなり,だれも火中の栗を拾おうとしない。少し勇み足気味だった吉村大阪府知事は,それでも新しい施策を打っているにも関わらず,批判の対象になって炎上してしまっている。だれも言うことを聞かなくなっている。

 電車を止めて人流を止めるには,強権が必要である。それを逃れて行動する人を押さえるにも,強権が必要である。言葉だけの「宣言」ではなく,法令,抑止力を伴う「布告」が必要な段階ではないのか。議論の余地はない。自由などの権利の抑制もしなければ,抑えきれない。菅総理は,すぐにでも令和天皇を巻き込んで,有事体制を布告,行動規制のための法律の施行をしなければならないのではないだろうか。