jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「ワクチン」による重症化リスク低減メリットは医療崩壊を防ぐ

新型コロナウイルス対応ワクチンの接種が,医療関係者,高齢者に続いて,64歳以下が対象になってきた。これまでの個別医療機関での接種から,大規模接種センターでの接種開始,そして職場や大学などでの職域接種に切り替わってきた。

 個別接種の場合は,まさに個人の自由でワクチンを接種するかしないかを決めてこれた。ところが,職域接種では“集団接種”の様相があり,接種しないという選択をしにくくなっている。接種をしない人に対してのハラスメント「ワクチンハラスメント(ワクハラ)」も起きつつある。

 ワクチン接種によるメリットとデメリットをまとめてみる。あくまでも素人としての視点であり,これは新型コロナウイルスに限定したものではない。

 ○メリット:対象ウイルスに感染した場合の重症化リスクを下げる。

 ○デメリット:注射の場合は,接種個所の痛みが出る。発熱などの副反応がある。

 まず一般的に言われる「ワクチンを接種すると感染しなくなる」というのは誤りである。実は感染するが,症状が軽いか無症状のため,感染しなかったという思いがするだけである。感染して軽症状や無症状の場合でも,ウイルスに対する抗体は作られるので,再感染した際の発症を抑える効果がある。これがいわゆる集団免疫と言われるものである。インフルエンザの場合も,ワクチン接種で感染・発症が防げるわけではない。重症化を防ぐためとされている。

 デメリットとされる「副反応」のうち,接種個所の痛みや筋肉の張り,接種個所が熱を持つなどの反応は,注射で接種するあらゆる薬剤では当たり前に起こる。インフルエンザワクチンの接種でも起こるのは経験済みだと思う。今回の新型コロナウイルスのワクチン接種が「筋肉注射」のため,筋肉の中に深く針が入り,そこに薬剤が入るので,筋肉の張りが出やすいのだと考えると,接種の翌日に腕を上げるとかなり痛むという感覚があるのもこの影響があるのかもしれない。

 メディアがこの段階の症状でも“副反応だ”と大騒ぎをするので「副反応が怖い」という気持ちが先行してしまうのではないかと思う。飲み薬の場合は,胃を荒らすことがあるので胃薬を一緒に処方したりするが,ヒトの身体は外からの刺激に対して反応するのが当たり前なので,何か適当なワードがあった方がいいかもしれない。「順反応」が適切ではないだろうか。

 ヒトの身体が薬剤に対して大きめに反応するのを「副反応」と呼ぶとすると,まず第1段階としての発熱や倦怠感などがこれに当たる。この第1段階は,アスピリン解熱剤で2日以内に改善するようなのだが,これがなかなか不確定要素が多く,人によっても反応の強さがさまざまなのが厄介なところである。2日以上続く重めの副反応も報告されている。これが接種をするかどうか迷う第一の理由だろう。

 さらに第2段階としてのアナフィラキシーが稀に起こる。薬剤に対する強いアレルギー反応である。血圧が低下して意識がモウロウとしたり気を失ったりする。今回の新型コロナウイルス対応ワクチンでは,接種後30分以内に反応が起きるケースがほとんどのため,接種会場で様子を見て,アナフィラキシーが起きた場合はステロイド剤の注射で対応していただけるはずである。

 さて,ワクチン接種との因果関係が確定されていないのが,ワクチン接種後に起きたとされる血栓症や,脳卒中などの重篤な症状と,それに伴う死亡例である。多くに場合,接種会場での30分の経過観察で全く症状が出ず,接種から数日経過後に突然発症するケースが報告されている。直後の反応でもないことから,因果関係が証明できない,というので,ややこしい。

 上で記述した「順反応」はほとんどの人に起こる可能性がある。年齢も性別もあまり関係なさそうである。筆者も接種個所の痛みが翌日に生じた。接種個所を中心として5cmぐらいの塊が腕にあるような感じで,腕を動かさないときは全く違和感がないが,腕を大きく動かしたときには少し突っ張るような感じがあった。翌々日には,気にならなくなっていた。

 数日後に受ける2回目の接種では,第1段階の副反応が起きる可能性はあるようである。2回目の接種の方が副反応が出やすいというのが,今回の新型コロナウイルス対応ワクチンの特徴のようである。

 第1段階以上の副反応が若い人に出やすいという傾向があると報道されているため,これが若い人の間でのワクチン接種拒否の動きにつながっている。

 筆者も,正直,順反応までは受け入れられるが,発熱や倦怠感以降の「副反応」は怖い。できれば反応が出てほしくないと思っている。まして,突然死などを起こしては,自分も人生に対して心残りがあるし,また家族にも申し訳ないと思う。

 若い人なら,自分の人生も長い。若い人ほどウイルスに感染しても重症化リスクは低い。ならば,ワクチン接種をせずに,感染しても重症化リスクのないという道を選ぶ,という選択も理解できる。なにしろ,ワクチンを接種しても感染リスクがなくなるわけではなく,無症状感染,軽症状の状態で他の人への感染拡大リスクがある,ということになると,副反応へのリスクと天秤にかけるとワクチン拒否の方を選ぶ可能性が高い。

 現時点で各国の様子を見ると,イギリスやアメリカ,フランスなどのように,ワクチン接種によって感染確認者が激減したという結果が出ている。しかしその後,デルタ株への切り替えによって,感染確認者が各国でまた増えてきている。

 では「ワクチン接種は効果がないのか」というと,最大のメリットは「重症者を増やさない」という効果であり,これによって医療崩壊を防げるという効果である。

 ということで,とにかく高齢者はワクチン接種による自分の重症化リスクを下げるメリットを取り,若い人はマスク,手洗い,ソーシャルディスタンシングのルールを守れるならワクチン拒否でもいいと思う。しかし,筆者は若い人がこれらのルールを守れないだろうと予想するので,やはりワクチン接種をきちんとしてほしいと思うのである。