jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

陽性確認された後,どのように対応・入院・退院/死亡という流れが,やはり分からない

COVID-19の感染陽性者が,感染後どのように扱われたかについて,すべての感染者をトレースせよ - jeyseni's diary 2021/9/8 と提案した。これに基づき,各都道府県で毎日発表されている陽性確認者のデータを調べてみた。東京都の2020/10/1以降の個人のデータは,新型コロナウイルス感染症の患者発生状況について 東京都福祉保健局 にPDF形式で保存されていた。2021/9/9時点で約33万人が登録されていた。

 東京の例では,以下の項目が登録されている。「リリース日,居住地,年代,性別,属性(職業等),渡航歴,接触歴,発症日,確定日,重症,退院等」。リリース日は,「本日の感染確認者数」と発表された日である。確定日はPCR検査での陽性確定日である。

 しかしこのデータは,個々の陽性者が,「入院」したのか「自宅療養」なのか「調整中」なのかが分からない。自宅療養から入院したのかどうか,入院してから重症病棟に移ったのかどうかも分からない。また「重症」という欄は,2020/10/11の1件だけで,現在の重症病棟の状況は読み取れない。全登録者から「退院等」に○印のある人を引いた数字は31,704人。現在の入院者数は別の発表から4008人(うち重症者252人)なので,単純に計算すると,自宅療養者,調整中者の合計が27,696人ということになる。

 一方,

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/data/130001_tokyo_covid19_details_testing_positive_cases.csv のデータでは,自宅療養者,調整中者数はそれぞれ12,486人,3,602人で,合計16,088人。どうもデータが一貫しないが,先の個々のデータの集計で「退院等」の中には「宿泊療養」のほか「死亡者累計」(2,594人)も入っている。もう少し関係を調査する必要がありそうだ。

 結局,陽性確認者を発表する時のために個々の患者さんの情報(年齢,地域,接触歴,渡航歴など)は詳しく登録されているが,その後は「退院等」に○印を入れるかどうかだけで,治療を受けたとすると,いつ入院していつ退院したか,あるいはいつ入院してその後亡くなったのか,あるいは自宅療養でそのまま回復したのか,というフォロー情報がまったく分からない。

 筆者はそこまで発表する必要はもちろんないと思うが,データとしては個別に管理していることを望んでいる。しかし実際はどうなのだろうか,と疑問になるのである。

 COVID-19の患者の流れは実はとても複雑で,単にポイントポイントの数字を集計しても実態は出てこない。ざっと分類してみたので,参考にしていただき,どの数字を基準とすべきかどうか,もう一度考えていただきたい。

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COVID-19の陽性者はどのような流れで移行していくのかのフロー