jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

2021/9/30で4回目の長い緊急事態宣言はいったん解除と予想

2021/9/30で,4回目の長い緊急事態宣言はいったん解除と筆者は予想する。まあ,大方の予想と同じである。筆者が東京都のデイリーのデータ https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/data/130001_tokyo_covid19_details_testing_positive_cases.csv

から分析・提案しているグラフを提示する。

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東京都のCOVID-19入院状況 2021/6/1~2021/9/21

 東京都の入院状況を見ても,中等症患者(オレンジ色)が2000人,重症患者(赤色)が150人と,ピークの半分になったことと,自宅待機者(黄緑色)がピークの1/8の3500人,調整中者(黄色)が1000人を切ったこと,そして何よりも死亡者数がここ2日間は1桁(3~4人)と,その前まで続いた10人以上から大幅に改善したからである。

 1日の死亡者数が抑えられてきたのは,重症病床での治療・看護が十分に行えるようになったと考えられる。中等症患者が減っていることで,重症化する人も抑えられている。ただ,1日の退院者数(緑色)が,ピーク時の5000人から1500人ぐらいまで少なくなっているのは少し気になる。

 筆者の解除基準では,自宅待機者と死亡者がなくなることが条件なので,完全な形ではないが,緊急事態宣言としては解除されるだろうと考える。

 その最中,麻生太郎財務大臣が,緊急事態宣言時の人流が減らなかったのに,陽性確認者数は減っている件について「プロと言われる方々が正確な情報を出してほしい」といった内容の発言をして,顰蹙を買っている。

 政府の人がこれを言ってはオシマイである。専門家委員会の答申の段階で意見をして,「こういう考えもあるのではないか」とその場で議論しているのならともかく,これでは後出しジャンケンである。

 しかし,2021年7月から8月にかけて,人流が増えないのに感染者数が激増したのは,結局は東京オリンピックパラリンピック2020を強行したからと明らかに分析できるのではないか。観客も入れない,関係者の感染確認者は限定的,という状況で感染拡大したのは,街の人流がなくても,競技のオンライン観戦をする周辺で起きた非合法なアルコール摂取などの大騒ぎによるものだと考えれる。おそらく諸外国ではこの期間に,日本のような異常な感染確認者の拡大は見られなかったのではないだろうか。

 この責任は,誰が取るのか。オリンピック・パラリンピックの開催を強行したIOCオリンピック組織委員会,東京都,そして政府ではないのか。専門家委員会は,直前も含めて開催の延期・中止を求めていたのではないか。

 筆者はこれまでも,自宅待機者と死亡者の関係が分からないと書いた。重症者,死亡者の関係が見えない--日別変化をもっと細かく発表すべき - jeyseni's diary 2021/2/22。東京都のデータを基に日別の状況を分析したグラフも提案した 

jeyseni.hatenablog.com

 筆者はこのグラフの傾向,個別の数字を見て,緊急事態宣言の解除の可能性について判断をした。それでもまだ,個々の状況のトレースが十分ではないことも指摘している 

「健康トレース」を提案--ワクチン接種履歴をマイナンバーと紐付けて管理し,ビッグデータとして分析する必要性 - jeyseni's diary 2021/9/13。

 しかし,筆者が求めているのは,緊急事態宣言の解除と同時に「健康パス」(「ワクチン・陰性証明パッケージ」)を開始することである。残念ながら,政府案のパッケージなるものは11月にならないと稼働できないだろう。またすでに稼働しているアメリカやフランスの例でもわかるように,やはりパスポートの偽造が続出している。これをクリアする方法を考えるまでにまた時間がかかってしまう。しかも,「スマホアプリとして提供する」などという脳天気な返答をしている。海外のような強制力も罰則もないことが予想され,抑止力もないことから,マイナンバーカードと同様にまた遅々として導入が進まないことが予想される。その間にまた,感染が拡大するだろう。

 さらに困ったことに,緊急事態宣言の解除と同時に「野戦病院構想」も見送られる公算が強い。どうせ撤収する施設など,作るだけ無駄,みたいな考えで,2021年1月の第3波での医療逼迫・自宅待機者の大量死亡が起きたときも,2021年8月の自宅待機者2万人超えを招いたときも,結局,野戦病院型の臨時病床の設置は後回しにされ,宣言解除とともにウヤムヤにされてしまった。第6波が起きるか起きないかは別として,東京で5000床,全国で1万床をいつでも準備できる態勢を作っておいてほしいものである。