jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

広告代理店も崩壊へ--結局、権威との癒着でも身を滅ぼし、権威は生き続ける

電通に続き、博報堂,そしてADKホールディングスも、東京オリンピック2020がらみでの不正が明らかになりつつある。カネは恐ろしい。

   広告業が破綻したのは、インターネットによって広告代理店というビジネスモデルが崩壊したことによる。このビジネスモデルに付いて行けなかった広告代理店は、他の業界にマーケットを移し、これまでと同じビジネスモデルで復興を模索したが、そこに権力者という落とし穴があったようだ。

   高度経済成長期におけるカネの出どころは、事業拡大の意欲に溢れた民間企業である。営業しなくても客は集まり、濡れ手に粟でカネ儲けができた。しかし,2000年を過ぎて低成長時代となり,広告費の削減が民間企業にまず押し寄せた。広告収入で半分以上を占めていた雑誌は次々と廃刊に追い込まれた。寡占状態にあったテレビと新聞も大打撃を受けたが営業収入でなんとか経営は続けられている。しかしその分,広告代理店の仕事は減った。

 行く先は,イベント系,建設系,医療系など,カネとマーケットがあるところだろう。東京オリンピック2020は恰好のターゲットだったわけだ。得意の裏工作が裏目に出たのが,今回の不正事件なのだろう。

 広告代理店といえば,長時間労働によるブラックぶりが有名で,入社早々の女性が自殺をしたことで,そのブラックぶりが顕著になった。しかし,広告代理店,マスコミ,商社といえば,その仕事ぶりはブラックそのものであることは昔から同じである。ただ,給料がそれなりに高いので,目をつぶる当事者もいる。それを承知で入社して,自殺の責任が全面的に会社側にある,というのも,実はおかしな話だと思うのだが,何でもコンプライアンス時代に,筆者のような古い考えは通らない。しかし,残念ながらそういう「ガマン」とか「自己犠牲」とかいう精神が,ビジネス戦士と呼ばれた日本にはあり,国の成長を支えてきた面はあると思うのである。

 その広告代理店が,裏の世界で権威者とつながり,甘い汁を吸おうと談合を仕掛け,成功したわけだが,数年でその悪行が明るみに出つつある。ひょっとしたら,エンブレムの盗作事件辺りから,同じような構図があったのではないか。組織委員会の運営のおかしさとも,どこかでつながっているのではないか,と思えるほどである。

 広告に単価の安いお笑いタレントを大々的に起用し,コストダウンを図ったことも,逆効果だったのではないかと,筆者は思っており,近いうちに駆逐されるだろうと予想している。

 健全な広告主と広告収入というビジネスモデルは,すでに崩壊している。その中間搾取をしてきた広告代理店の存在も,もはや不要と言えるだろう。