jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

可燃ガス入りボンベの処理はなぜ難しいのか--カセットガスボンベの寿命も気がかり

東京・六本木のマンションで火災が発生した。「スプレー缶のガス抜きをしていた」のが原因だという。同じように,消臭剤スプレー缶のガス抜きで爆発事故が2018/12/16に起きている。六本木の事故で,何のスプレー缶なのかについての記述がないが,それほど多くの不要な缶があったのだろうか。

 いずれの事故も,片付けの仕事の一環として今回は30~50本,札幌では120本ものスプレー缶のガス抜きをしたという。可燃性ガスが大量に放出された状態で何らかの火花で爆発したと考えられる。

 ほぼ使い切った状態でも,穴を開けてガス抜きをすると異臭が広がる。消臭剤では基本的に何らかの香料物質が含まれている。未使用状態の消臭剤なら,ボンベ1本でも相当な量の匂いが発生する。これを何十本も放出したとすると,その時点で周囲にも迷惑がかかるはずで,仕事だとしても何か別の方法を提案すべきではなかったのか。六本木の事故で,何のボンベを処理したのか不明だが,やはり相当な匂いが漂ったのではないだろうか。

 個人であれば,自治体のゴミ収集ルールによる。今回の場合,港区では専用の機械によって安全にガス抜きができるようになっているという。しかし,これが廃棄のための仕事だとすると,短時間に処理する必要があり,片っ端から穴を開けたと思われる。当然,ガスの密度が上がり,爆発の可能性は高くなる。この辺りにどうして思いが回らなかったのだろうか。

 もっと厄介なのは,カセットガスボンベである。消臭スプレーのように,可燃性ガスで圧力をかけているのではなく,内容物そのものがLPガスなどが圧力で液化した状態である。液そのものも蒸発することで可燃ガスになる。膨大な量のガスになる。しかも,ガス漏れ検知のために特殊な匂いもつけられている。

 このカセットガスボンベは,缶の寿命が約5年とされている。これを過ぎると缶の継ぎ目のゴムが劣化し,ガス漏れを起こす危険がある。カセットコンロで使用している間にガス漏れが起きると,爆発の危険がある。しかし,防災用途で準備していた場合,この期間を知らない間に過ぎてしまう。

 一般のスプレー缶に比べて,中身は単一である。しかもLPガス自身が劣化することはない。できればガスは回収して再利用してほしい。しかし,市の回収マニュアルには「カセットボンベは中身を使い切ってから」と書いてある。

 結局は,専門の回収業者に依頼するしかないようである。カセットボンベは,メーカー品で1本250円ほど。ノーブランド品なら130円ほどで購入できる。しかし,回収依頼の場合,1本800円ほどと配送料自己負担が必要となるようである。しかし,爆発事故を起こすよりはマシかもしれない。

 非常常備品は,水にしても食料にしても,知らない間に期限切れになっていることが多い。食品は意外に食べることはできるが,ガスは厄介である。