jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

1:1写真(正方形)に興味を覚える--スマホの構え直しや周りの余計な写り込みを気にしなくて済む

ケータイからスマホまで,現在の携帯写真は縦長である。スマホのモニターが縦長なので,そこに映る画像は縦長で問題はないのだが,ここのところ,ちょっとした違和感を持つことがあった。

 筆者が最初に持ったカメラは,オリンパスペンというフィルムカメラである。このカメラは不思議なことに「ハーフサイズ」という寸法だった。通常のフィルムが横位置で4:3サイズなのだが,この幅を半分にして縦位置に撮影するというものである。

 蒸気機関車の撮影から,小学校の修学旅行の写真まで,このオリンパスペンを使った。列車を横位置で撮ったり,風景を横位置で撮ったりする場合は,カメラを縦に構わえる必要があり,変なカメラだと思っていたが,人物を撮影したり,機関車を近くで撮影したり,手元から遠くまでの風景を撮影したりする場合は,不思議と縦位置がピッタリだった。4:3よりも少し細長いサイズだったように思った。

 その後,フルサイズの35mmフィルムでの撮影が長く続いたので,横位置が普通だと思い込むようになった。テレビも横長画面だし,その後のパソコンも横長だった。

 一方,書籍はすべてが縦長である。ノートも縦長である。これも何の不思議に思うことなく過ごしてきた。

 ところが,雑誌の編集の仕事をするようになって,「横長のディスプレイに縦長のページを表示する」ことに非常に不便を覚えるようになった。表計算やプレゼンソフトは横長の表示に適しているが,ワープロソフトやページレイアウトソフトでは縦長ディスプレイの方が適していると感じた。

 現在のPC用の液晶モニターは,簡単に縦位置(バーチカル)に90度回転できる機種が複数ある。それ以前のブラウン管の時代は,ごく限られた機種しかなかった。ほとんど1機種しかなかったのではないだろうか。会社ではそのピボットディスプレイを使っていたが,非常に高額な製品であり,家で使うことはあり得なかった。

 その後,液晶モニターは4:3のスクエアサイズから16:9のさらに横長サイズに変わっていった。テレビのハイビジョンも16:9であり,これに対応してビデオカメラもさらに横長の画角になった。デジタルカメラも同様である。

 横長のモニターは,サイズが大きくなり,また画素数が増えたことにより,書籍や雑誌の2ページを広げた形で表示できるようになった。仕事で校正をする場合も,校正前と校正後の画像を横に並べて置くことができる。しかし,ページ全体を表示させると文字は小さくなるため,横に並べて使うことはほとんどないのが現状である。

 さて,現在のスマホで撮影される写真は,ほぼ9割以上が縦位置だと思われる。自撮り棒に横位置にスマホを取り付けて記念撮影を撮ったりすることはあるが,ほとんどは縦位置である。その方が,あとでほかの人に送った場合でも,相手が画面いっぱいに表示できるからである。横位置の写真を送った場合は,相手は画面内で小さな写真を見るか,わざわざ表示を回転させて横位置に表示できるようにするしかない。

 そこで,スマホで1:1の正方形の写真を撮ることを標準にした方がいいかも,と考えた。

 正方形写真と言えば,Instagramが登場したとき,「なぜ正方形なの?」と疑問を持ったものである。筆者としては,写真を投稿するという文化がまったくないので,Instagramはまったく使っていない。いまだに意味不明の世界なのだが,意外に「真四角に世界を切り取る」ことは「情報量は最大」といえるのかもしれないと思い始めている。

 考えてみると,フィルムカメラでも正方形のサイズはあった。ブローニー版と呼ばれるサイズで,フィルムサイズは6cm✕6cmである。35mmフィルムを使うカメラが出る以前にあった二眼レフカメラハッセルブラッドなどの大判カメラで使われていた。これらのカメラは横位置で撮影することができないので,カメラを固定した状態で最大限の範囲を撮影するために1:1のフィルムサイズになっていた。考えてみれば,カメラのレンズは上下左右対称なのだから,正方形に撮影することは当たり前とも言える。

 スマホ・カメラではAndroidiPhoneにはかなわないと思っている。だれが撮っても失敗なくバシャバシャ撮れるからである。AndroidでもXperiaを筆頭にgoogle PixelがiPhoneに追いついたと思うが,他社のAndroidスマホは今ひとつオモチャ感が残り,不満を覚えることが多い。筆者が現在使っているスマホはシャープ製で,宣伝文句は悪くないのだが,使い勝手(ピント合焦の速さ)から画質(コントラスト,色味など)いずれもiPhoneに遠く及ばない。スマホだけで何かの行事を撮影するなど,冒険である。

 また,標準カメラで1:1モードがなかったので,アプリを探しまくった。いずれも今ひとつで,現在も試し続けているところである。

 1:1写真のいいところとして,被写体の周りをあまり気にしなくて済むことが挙げられる。縦長,特に標準の16:9だと,手前に自分の膝が写ったり,奥に家具が写り込んだりする。室内で撮影するときには,自分の手の影が手前に入ったりして気になっていた。1:1にすると,被写体中心に集中すればよく,ピントを合わせれば撮影OKとなる。ペットの撮影もうまくできた。

 LINEなどで写真を送っても,相手がいちいち横位置にする必要もなく,被写体をきちんと見てくれるように思える。Instagramが始まったのが,何と2010年で12年も前になる。その間,写真は気にせずに横位置にこだわってきた。ちょっとこれから「正方形」にこだわってみようかと考えている。