jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

中身の見える冷蔵庫--食材管理には中途半端。レジでの読み取り情報をレシートにQRコードで印刷することを提案

2022年に入って,複数の会社が冷蔵庫の中身を撮影して見ることができる機種を発表している。まず1月に日立が発表。カメラは扉の外に取り付けてあり,冷蔵庫の扉を開くたびに撮影。スマホでその画像を確認できるというものである。続いてアイリスオーヤマが,カメラを内部に設置したモデルを発表。こちらは常時撮影しており,スマホでリアルタイムに内部の状況を見ることができる。遠隔監視カメラのような感じである。

 Webで検索してみると,2017年に東芝が冷蔵庫のオプションとして「庫内カメラユニット」を販売している記事に出会った。しかし,実際にはほとんど注文もなかったようである。

 冷蔵庫の中身が見えるようにすることを,筆者もずっと考えていた。筆者宅には複数の監視カメラを設置している。荷物に囲まれて窓際に近づけないため,そこにWebカメラを設置し,外の天気を見たり,玄関に来た人を確認したりしている。スマホ全盛になる以前から運用していたので,仕事をしながらパソコン上に表示することで,動かずに外の様子が確認できるのがポイントである。一時期,部屋の中にカメラを設置して,ペットのイヌの様子を見る仕組みもセットしたが,家族から批判されて,これは外してしまった。しかし,リアルタイムでさまざまな場面の状況を映像として捉えられるのは,実に画期的である。台風が近づいてくれば,各地のライブカメラ映像を見て状況を確認する。河川の氾濫が増えた昨今は,河川に設置されたライブカメラの映像も確認するようにしている。個人的に冷蔵庫の中にも監視カメラを設置することを考えた。技術的には可能だが,さすがにこれも家族の同意を得られず,実現していなかった。

 中身が見えると言っても,各社の冷蔵庫カメラは1台で,基本的には最前列が写せるだけである。冷蔵庫の空間に余裕のある家ならいいが,筆者宅のように隅から隅までぎっしりモノが入っている場合は,結局は役に立たない。実は筆者が計画したのは,棚ごとに複数のカメラを設置し,切り替えて順番に見えるような仕様だった。10台ぐらいのカメラを仕込むことになる。

 古いスマホ用のカメラで性能的にも大きさ的にも十分なので,5個つけようが10個つけようがそれほど価格に影響するものでもない。電力の供給も問題ない。

 同じように,電車の痴漢防止用にも1両に20個ぐらいのカメラを付ければいいと思うのである。天井にずらっと並べて配置すれば,抑止力にもなるし,真上からならプライバシーの侵害のおそれも少ない。

 家の物置にも段ボール箱で収納しているが,どの箱に何を入れたか,分からなくなることが多い。以前は,箱にマジックインキで中身を書くようにしていたが,入れ替えるたびに中身が変わることが多く,書き直しをするのも面倒になっていた。最近は,トランクルーム代わりにダンボールでモノを保管してくれるサービスがあり,そこでは中身を1点ずつ写真撮影し,ユーザーはモノを指定するだけで取り出して送ってくれる。個人のモノを勝手に写真で撮られるのは嫌だなと思ってまだ利用したことはないが,とりあえず,物置のダンボール箱は,連番を箱に書き込み,その数字とともに蓋を開けた状態で上から写真を撮って手元で閲覧できるようにしてある。もっとも,それで役立ったということもなく,結局は物置に入って片っ端から箱を開けて探し回る,という愚行には変わりはない。

 しかし,冷蔵庫,冷凍庫での在庫管理は本当なら有意義である。いつ何を買ったか,消費・賞味期限はいつまでか,などの情報がリストアップできれば,消費期限切れで処分する食材もなくなるし,二重買いもなくなると期待できる。扉を開けている時間も短くなり,省エネにも貢献できる。ただ,部分的に取り出して残りをまた庫内に戻す,という運用にまで対応できるかは複雑なところである。

 実際,冷蔵庫の大扉を開いた正面は,すぐに目に止まるので,何が入っているかをすぐに認識でき,記憶にも残る。しかし,1列後ろに入ってしまった食材は,それがいつ入れたのか,新しいのか古いのか,が分からなくなる。食事を作ろうとしてまず目に止まるのは正面にある食材なので,後ろの食材がどんどん置き去りにされてしまう可能性は高い。10個のカメラは,特にこの奥の忘れ去られやすい食材の認識に役立つはずである。

 買い物から帰ったら,冷蔵庫に食材を入れる前に登録すればいい,という話もある。しかし,何十種類もある食材を1つ1つ消費期限などを確認して庫内に仕分けるというマメな人はほとんどいないし,ましてやその一覧から,順番に選んで料理を作る,という人はほとんどいないだろう。もともと管理できる人は,冷蔵庫・冷凍庫がギュウギュウになるようなモノの買い方をしないからである。

 書籍の場合は,世界共通のISBNコードがバーコードとして印刷されており,レジでバーコードさえ読み取れば売上管理も貸出管理もすべて同じ手順で簡単にできる。冷蔵・冷凍関連の食材にも,何か共通のQRコードを貼り付けることを提案したい。そうすれば,どこで購入した食材でも,冷蔵庫に入れる直前にQRコードを読み取れば,商品名と価格,購入日,消費・賞味期限などを簡単に登録できる。

 消費者業界,流通業界の皆さん,こういう共通コードを作ってはどうですか。

 もっとも,QRコードは正直言って読み取り速度が遅すぎる。情報過多なのである。書籍のISBNコードが13桁の数字で管理できているのは,書籍名や出版社名などのデータを共通のデータベースが管理しているからである。世の中の商品の数は書籍の10倍はあるかもしれないが,共通データベースで管理することは可能だと思われる。レジでバーコードで読み取りがされているのと同様,これに消費・賞味期限の情報だけ加えれば,各家庭での商品情報の利用も促進されると思われる。また,せっかくレシートをくれるのなら,そのレシートにレジで読み取った情報を,QRコードとして印刷して渡してくれれば,一気に情報を取り込むことができる。さらに,レジでの読み取り情報をスマホで直接受け取れるような仕組みでもいい(レジにQRコードで表示したものをスマホで取り込んでもらうとか,決済時にタッチした際に通信で送るとか)。

 いずれも簡単だと思う。レシート全体をスマホで撮影して情報を取り込むアプリやサービスもあるが,長いレシートを読み込むのは困難だし,読み取り性能も悪すぎる。QRコードを通じて情報をやり取りする方が,よほどスマートだと思うのである。