久しぶりに仕事が詰まってしまったので,通勤時間と夜中時間を有効活用するために,3日間のテレワークをした。仕事の相手が海外にいたため,時差をうまく使って効率を上げるためである。先方の都合で丸1日,予定がずれ込んだが,何とか間に合わせることができた。我ながら「Good Job!」である。
相手からの連絡を待つ間,もちろん自分側の仕事もあるのでそれをどんどん片付けていくのだが,相手の予定にかき乱されないようにするにはなるべく短時間で集中して仕事を片付けるようにしているため,それなりに空き時間ができる。この空き時間の使い方が問題である。
オフィスにいると,この空き時間をフリータイムにできない。以前の職場では,図書室に行って複数の新聞をめくって情報収集することが日常だった。短時間で情報収集するために,開く紙面もほぼ決まっていた。時間があれば仕事に関係ない紙面も開くし,また記事をじっくり読むこともある。まあ,デイリーに情報収集することが仕事の1つなのでフリータイムではないが,それなりに自分らしい時間の使い方をしていた。
ところが現在は,何でもインターネットで調べられる。キーワード検索すればほぼ一発で情報に到達できる。非常に効率が上がったので,筆者としては仕事をするにはいい時代になったと思っている。しかし厄介なのは,フリータイムが増えてしまったことである。
たとえば午前中に集中して仕事をして片付いてしまったとき,午後の仕事がなくなってしまうことがある。オフィスのパソコンで情報収集が終わると,正直やることがなくなる。かといって,スマホを触るわけにもいかない。いかにも遊んでいるように見えるからだ。ブラウザで情報収集している姿も,あまり評価されないし,余計な情報を見ているのではないかと疑われても仕方がない。
筆者の場合はファイルメーカーの自動処理化という自分なりのミッションがあるので,いかにも“プログラミングをしてます”というアピールができる。多くの場合,ブラウザー情報を自動で調べたり,そこから情報をピックアップしたり,それをデータ処理したり,といった過程でHTML文が出たりするので,何となく仕事をしているように見せることはできる。結果が出るまでは結構試行錯誤の連続なので,あっという間に時間が経ってしまうこともある。それでもこの10年でやりたいことはほぼ実現してしまった。
ということで,テレワークだと時間を自由に使えるのが気持ち的にも楽である。仕事相手と電話で用件を済ませたあとで雑談する場合も,オフィスではやりにくいが,自宅だと時間を自由に使える点もいいからである(このブログを書くこともできるし)。
そのテレワークでも,さらに空き時間が出ることがある。仕事相手からの連絡に常にスタンバイしなければならない。オフィスだと地獄だが,自宅では手持ち無沙汰になる。テレビを見ることも多いが,どの番組もお笑い芸人のMCとゲストコメントに席巻されていてノイズにしか聞こえないので,一通りチャンネルザッピングしたところで電源を切ってしまうことがほとんどである。
そこで頼ってしまうのがYoutubeなのだが,正直言ってほとんどの映像は不要である。なにしろ「フォローする」という感覚がまったく理解できないからである。twitterも同様である(と言いながら,自分のブログのフォロワー数がまったく伸びないのを不思議に思っているのだが,まあ,今の世の中の人にとってフォローする価値がない情報を発信しているということなんだな,と思いつつ,情報発信している)。
お気に入りはライブカメラである。正直言って,もう旅行をするのが面倒なので,自宅に居ながらどこにでも行けるライブカメラは楽しい。特に昨日(2022/5/27)のように各地で大雨になっている時は,定点ライブカメラの映像を見るのは重要である。近くの川の監視カメラも見たりしている。これもオフィスではできない。
その中で,昨日見ていたのが,ISS(国際宇宙ステーション)のライブカメラ映像である 🌎 Nasa Live Stream - Earth From Space : Live Views from the ISS - YouTube。
Google MapやGoogle Earthで世界各地の航空写真画像を見るのも1つの楽しみなのだが,Googleのは「今」ではない。数年前の画像だったりすることもある。これに対してISSのLive Streamは,まさに「今」の地球の画像である,というところに感動する。
ISSは約90分で地球を1周し,1日で地球を16周も周回するそうだ。その間に地球は自転するので少しずつ軌道がずれる。「次の周回で日本の上空を飛ぶぞ」というタイミングだと,やっぱり何だか気持ちがワクワクする。おかしなものである。
昨日は,世界中どこも雲がわいていて,地表が見られることが少なかった。しかも,海の上を飛んでいる時間がかなり長いことに気づいた。地球表面の7割は海なのだということを改めて認識したのである。そこで,気づいたことを列挙すると,
①人類のわがままで海の生き物にまで被害を及ぼすのは罪である(プラスチックゴミ)
②比熱の大きい水が大量にあるからこそ,地球の気候は他の天体に比べてマイルドである。南極やツンドラの氷が解けているのは,その平衡を保つための地球の自然な営みだが,これがなくなると地球環境は一気にワイルドなものになることを改めて認識すべきである。
③同様に,水は二酸化炭素を溶かし込んで安定化しているが,これにも飽和限界がある。海の環境を維持しなければ,地球温暖化はさらに加速する。そのためには,植物性プランクトンも含めた「藻類」が生きやすい環境をつくらなければならない。海洋汚染を止めなければ,藻類が減り,食物連鎖で動物性プランクトンも魚介類も減り,そして海棲哺乳類もいなくなってしまう。
④ISS上で,アメリカも日本もロシアも協力が成立している。地上での対立が空しく見える。ロシアのソユーズ宇宙船ベースの宇宙ステーションも,ISSにドッキングできるように設計されている。おそらく,中国独自の宇宙ステーションも,緊急事態のためにISSにドッキングできる設計になっているはずである。今や地球は「緊急事態」である。お互いドッキング(連携)して,人類の危機に立ち向かおう。
ISSから見た地球,宇宙から見た地球は,平和だと誰もが感じるらしい。人間の行為がいかに小さいものかを認識できるという。そのちっぽけな行為が,今や地球環境を破壊し,生態系を破壊し,そして人間同士が相手の命を奪っている。実に馬鹿げたことである。
民間の宇宙企業による宇宙旅行も実現できるようになった。宇宙飛行士の募集要項にも,科学者,研究者である必要はなくなった。カネをつぎ込んで宇宙で馬鹿話をしてきた日本人も出てきた。しかし,結局,「地球はキレイだねぇ,楽しかった」だけで終わってしまっている。まことに嘆かわしい。かつて,初めて月面に下り立ったアメリカのアームストロングは,その後,宗教家になった。宇宙での体験が人生を変えてしまった。いい加減,地球人は心を入れ替えないと,本当に自滅してしまう。
自国の宇宙ステーションを持つプーチン大統領も,習近平主席も,それぞれ自分たちのロケットで宇宙ステーションに行き,そこから地球を見てみてはどうだろうか。自分たちのしていることがいかにミミッチイことであるかがわかるのではないか。まあ,カネを使って「宇宙旅行」に行った民間日本人と同様,何の感慨もないのかもしれないが。