全国でCOVID-19による自宅療養者の数を,厚労省のグラフから拾い出してみた。
7/7 3,961人
7/14 5,809人
7/21 10,717人
7/28 18,927人
8/04 45,257人
8/11 74,063人
8/18 96,709人
つまり,7月以降,1週間ごとに倍増しているということである。これをまず認識していただきたい。
COVID-19は当初,「新型肺炎」と呼ばれた。当初から肺炎の症状を起こし,死に至る病であることはわかっていたのである。インフルエンザやSaas,Marsなどと同様,肺炎を起こす病である。
人工呼吸器の増産に日本の各メーカーは協力を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/4/3。1年半前の段階で,マスクが市場から消えた。そして肺炎の進行で病状が悪化するのを助けるために人工呼吸器やECMO(人工心肺)が必要だった。しかしこの当時は,病院での需要を満たすための増産が必要,という基本的な段階だった。
現在は,COVID-19関連病棟には人工呼吸器やECMOが備えられて治療の体制は整えられている。しかしそもそもの病床がまったく足りない状況になっている。野戦病院を作らなければ,というような事態で,病棟を作っても人工呼吸器や酸素吸入器,さらに医療用の酸素ボンベそのものも足りない状態になっている。まして,自宅療養が7/7の週以降,全国で毎週倍増しているのに,まったく足りない。
インドで,入院先もなく,酸素ボンベもないという状況が報道されたのは2021年4月末ごろである。その後,一切の報道がされていないが,どうなったのだろうか。
【追記】インドはその後,ロックダウンを続けたことと,感染拡大に伴う集団免疫率が人口の70%を超えたことで,急速に新規患者数が減ったという。1日の患者数がピークで40万人だったものが,現時点で3万人程度まで減り,街は平常と取り戻している。しかし,累計の死亡者数は公式には約100万人だが,実際には400万人の死者が出たと見られ,集団免疫を獲得する過程で多くの犠牲が払われたと分析する医師の話がある。感染拡大に伴う集団免疫獲得は犠牲が多く伴うため,ワクチン接種が望ましいと指摘している。【追記終】
日本は東京オリンピック2020を開催する方向に関心が向いてしまい,オリンピックとともに自宅療養者がほぼ10倍になっているというのに,酸素が十分供給できない状況になりつつある。スポーツ用のミニ酸素ボンベも,店頭から消えた。通販でもほぼ売り切れ状態になってきている。マスクが市場で枯渇したときは,代用品を工夫する余地があったが,酸素については方法がないし,100均ショップで買うこともできない。
「オリンピック開始時点での東京の自宅待機者5200人超」を見逃したと思われる - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/21。筆者は,「リバウンドでオリンピック中止」と単純に物事が運んだ方が平和と考える件 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/28で,東京の感染者数が1000人を超えたらオリンピックを中止することを提案し,7/14に1000人を超えた段階で4回目緊急事態宣言が出されてオリンピックが中止になると思っていたが,強行されてしまった。やはりこの7月のリバウンドは,デルタ株変異ウイルスによるもので,うわさどおりの強い感染力を証明してしまった。
人工呼吸器,酸素濃縮装置などのメーカー,および医療用酸素ボンベの供給メーカーは,躊躇なく大増産をかけてほしい。前半に出した自宅療養者のところに届けるのに,今度こそ1日たりとも遅れがあってはならない。