jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

イオン放出家電はウイルスには無力なのか

病院や 歯科医院の待合室でよく見かける空気清浄機。花粉の季節やカビの多い季節には心強い。この空間の空気は清浄なんだと思うと,なんとなく安心して治療を受けられるような気がする。

 しかし,肝心の細菌やウイルスに対する効果はどうなのだろうか,と疑ってみた。新型コロナウイルスが報じられ始めて半年が経過するが,一向に取り上げられない。

 2012年のあるメディアの報道で,イオン自身には殺菌効果はなく,同時に放出されるオゾンが殺菌を担っているという研究報告があった。https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20121218/257052/

 現時点の2社のホームページを見てみると,それぞれ1種類のウイルスについて抑制効果があったとしている。

https://jp.sharp/plasmacluster/effect/

https://panasonic.jp/nanoe/effect.html#virus

 一般に,これらの空気清浄機は,比較的狭い閉鎖空間で使うことで効果を高めることができる。放出されるイオンの濃度をある程度以上高める必要があるからだ。しかしこれは同時に,ウイルス側も濃度が高くなる条件でもある。なんらかの効果があるのなら,すでに実証されていてもおかしくない。

 メーカーの研究所も,今回の新型コロナウイルスを含む病気となるウイルスに対しての実験は済ませているのだと考える。新型コロナウイルスに対する効果がない,と言ってしまうと,製品が売れなくなるのは目に見えているから言わない,ということだろうか。効果がないのなら,ないとはっきり言って,しかし引き続き研究を続けている,という姿勢を見せた方が好感度は高まる。逆に,ホームページでの表現や,効果を大げさに連呼するテレビショッピングの販売店にも自粛を要請するのが賢明ではないだろうか。

 すでに購入されたお客様からは,クレームや場合によっては賠償責任を求められるかもしれないが,製造物責任(PL)の観点からは,より明確な説明をした方がいいと考える。

 世の中,相変わらず怪しげなサプリメントが堂々と販売されている。テレビショッピングやネットサイトにおいても,“重要な広告主様”の一つだろう。1回で顧客を集め,売り抜いて消える,という詐欺まがいの商売が繰り返されている。家電を含めた製造会社は,最終的な顧客のことを考えた真面目な商売をしてほしい。

 一方で,効果を期待したいのが,HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter) 付きの空気清浄機である。医療機関向けにも作られているが,供給が十分でないようだ。また,はっきり言えば超高額な製品である。交換するフィルタもまた高額であり,医療機関もおいそれとは購入できないのが現状のようである。

 厚生労働省の文書

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000594799.pdfを見ると,(1)「HEPA フィルター付空気清浄機(陰圧対応可能なものに限る)」(2)「HEPA フィルター付パーテーション」」の設置には,「保健衛生施設等設備整備費補助金」の補助対象となる,とされている。医療機関側の積極的な導入と,製造側の増産が求められる。

 HEPAフィルタと言えば,かつて日本のお家芸だった液晶パネル製造工場のキーコンポーネントではなかっただろうか。いまや,日本はもとより,海外からの需要にも応えるための増産を期待したい。かつてその液晶パネル生産の最先端工場であったシャープの亀山工場で現在,使い捨てマスクが製造されているというのが,なんとも皮肉な感じである。インターネットを通じた販売サイトは,予想どおりパンクしてしまった。ここはAmazonと手を結ぶしかないのではないだろうか。安定した供給が再開されることを切に望む。