jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

テレワーク城下町を作ろう

リゾートホテルの生き残り策の一つを提案したい。「職住接近,食住接近のテレワーク城下町」の構築である。小規模であれば,リゾートマンションでも対象になる。

 あるIT企業が,地方の廃屋で業務を始めた。社員の家族も,徐々にその街に移住してきた。社員の食事は廃屋の台所で持ち回りで作る。食材も周辺で調達できる。社員は,街の清掃などのボランティアもし,そのうち祭りなどのイベントにも参加して,街に活気が生まれてきた。

 以前,この話を聞いたときは,いい話だなと思っていたが,なかなかできるものではないと思っていた。しかし,新型コロナウイルスによる環境の変化で,これは企業のテレワークに使えると感じた。

 拠点となるのが,地方のリゾートホテルである。正直,日本の観光業はこの新型コロナウイルス環境によって崩壊する。仮に日本で終息したとしても,海外,特に中国も含めて騒ぎが収まらない限り,海外からの観光客が押し寄せるような状況は,もう起きないと考えられる。日本には,四季の自然,1,500年の歴史,和食という文化,日本人のおもてなし,などの魅力があると言われている。しかし,終息に向けてもたついている今の日本では,おそらく東京オリンピックは中止になる。福島原子力発電所の事故による放射能拡散の危険はまだ解消されていない。わざわざ日本に来る理由が薄くなっている。

 さて,リゾートホテルはオフィスとして使えるスペースがある。小ぶりながら家族が生活するスペースも確保できる。食事を提供できる設備もある。地域と連携すれば,日常の買い物の環境も構築できる。さまざまなエンタテインメント設備も提供できる。土地があれば,ほかの設備や企業も誘致できる。

 企業全体が引っ越しを決断するのは容易ではないが,たとえば企業の半分がテレワーク状態で双方で業務を連携する体制を取れば,半分の移動は可能になる。企業規模に合わせて複数の企業の誘致すれば,異業種交流の環境が実現することも魅力である。

 テレワークする企業にとって必要なほかの業種,たとえば飲食業やスーパーマーケット,医療機関も周辺に誘致することで,テレワークに必要な施設への改装は必要だが,一種の「テレワーク城下町」を形成できるのではないかと考える。

 都内にあるIT系企業が複数入っている巨大なオフィスビルは,企業活動としては成立しているが,住環境は提供されていない。都内では,ただ住んだり食べたりする場所はあるが,生活できる場所は少ない。これを地方に作ることで快適な住環境を提供する。新しい設備を作るのではなく,既存の設備を使うために,ホテルの業態変更が最適と考える。

 テレワーク企業がテナントとして入ることで,安定した収入が期待できる。海外からの観光客のように巨額なお金が落ちることはないが,ゼロよりははるかにマシではないだろうか。製造立国が崩壊した後,観光立国も崩壊し,世界中の観光環境も激変しようとしている今,城下町をいち早く構築できた企業が先頭に立てるのではないかと考える。その昔,トヨタ自動車が作った“トヨタ町”に匹敵するような,テレワーク城下町が,リゾートホテルにとっての生き残り策になるのではないかと考える。