jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

芸術活動の業態転換はできるか

芸術活動,芸能活動,スポーツ活動は,人々の「心の栄養」になる。食事は身体の栄養になるが,旅行などとともに心を豊かにする要素である。

 人生を豊かにするのに必要なのは,お金,仕事,教養,人間関係,そしてエンタテインメントである。お金は多ければ多いほど人生に余裕ができるが,エンタテインメントはほど良い量が必要である。多すぎると人生を誤ることもあるが,少なすぎるとギスギスした人生になる。

 欧米では,音楽や美術は「文化」として価値が非常に高いものと考えられており,今回の新型コロナウイルスの影響で活動ができない芸術家に対して全面的な保護が行われている。

 日本では少し微妙である。昔から勤勉を美徳とし,遊びを悪とする風潮がある。エンタテインメントの幅が広がり,社会的な地位も収入も昔に比べれば上がった。有名なクラシック音楽の音楽家でも,演奏だけで食べていくのは容易ではない。

 新型コロナウイルスの影響で,劇場等(劇場、観覧場、映画館または演芸場)などの休業要請が出ており,音楽,演劇,芸能,映画などのエンタテインメントの活動の場が制限されている。すでにラジオやテレビ,レコード,CD,DVD,Blu-ray,オンラインなどのメディアを経由して活動内容を届ける方法は提供されてきた。映像も,4K8Kテレビが登場したり,立体的な音響装置も市販され,その臨場感は劇場に迫っている。

 それでも,実際に劇場に足を運び,自分の目と耳と身体で感じる場の雰囲気までは伝わらない。一方通行の演奏では,演奏者に観客の熱気も伝わらない。

 この空気感が「文化」であると言える。スポーツも,目の前で繰り広げられる試合を観るからこそ,その空気感が感動を呼ぶと言える。

 当面,劇場や運動施設、遊戯施設にいくことが制限されている。演技途中の笑い,演技が終わった時の歓声などの「1対多」の空気の交流ができない。これを代替する方法はあるのだろうか。

 オンラインネットワークを通じたクローズな形での演奏・演技の公開を有料で行うと同時に,お客様とのオンライン対話やチャットなどを加えることで,これまで一人ひとりとの交流が難しかったコミュニケーションの密度を上げて,対面でのエンタテインメントに代わる場を作る努力と環境の整備が必要かもしれない。

 単なるディスプレイと音声だけでなく,拡張現実,テレエグジスタンスなどを普及させることも,ある程度その解決につながるように思われる。ここは技術の出番である。

 一般にこの手の技術革新はアダルト系でまず進むと言われている。今回は,健全な方向で普及が図られることを望んでいる。