jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「目的地」と「リアル」を目指したい--人生の生き方として

日頃から筆者は,モノづくりを礼賛し,逆にゲームやYoutubeや観光などに対して批判的なブログを書いているようである。グルっと回っても,最後には日本が世界に貢献するには,今は水素発電技術の供給と管理養殖による食料供給しかない,という結論に持ち込もうとしている。無理やり誘導しているわけでもないのだが,なぜそうなるのかを再考してみた。

 まず,キーワードの1つが「リアル」であることを意識していると思っている。

 ヒトは生物の中で唯一,「喜び」を求める生きものである。他の生きものは生き残るためだけに必死になっており,休息の時間や親兄弟・仲間と一緒にいることは「安心・安全」のためである。しかしヒトは,エンタテインメントを創り出すことで,喜びを得ることが1つの目標のような生きものである。

 エンタテインメントでも,旅行や音楽演奏会,演劇,寄席など,その演者と触れ合うのは人との交流であり,「リアル」である。その場の雰囲気や空気,温度,匂い,空間を肌で感じることは,人にとっては重要なことである。

 しかし一方で,エンタテインメントには「バーチャル」な方法が提供されてきた。テレビは旅行の代わりになり,レコードやCDは演奏会の代わりになってきた。その先に,まったく人工的に作り出された空間がゲームとして提供されるようになってきた。

 映画も,フィルムで撮影されていた時代はリアルだが,ビデオで撮影されるようになると,これを動画編集ソフトで切り貼りしたり,効果を加えたりといったリアルでない技術が加えられるようになる。CG(コンピュータグラフィックス)との組み合わせにより,よりリアルなイメージのバーチャルがどんどん進化している。アニメは最初からバーチャルな世界である。逆にアニメ用に作られたバーチャルなストーリーを現実の俳優が演じるという逆転現象も起きている。

 バーチャルの世界は,かつては「フィクション」と呼ばれていたと思われる。つまり「ツクリモノ」である。人間の頭の中で創造された世界である。月にウサギがいるとか,火星に火星人がいるとか,他の星から侵略者が襲ってくるとか,さまざまな創造の世界が,新しいエンタテインメントを作り上げてきた。それでも,「地球を守る」とか,宇宙人を仲良くなるとか,まあまあ安定を求めた設定になっていた。

 しかし,現在のゲームの世界は,ほぼ「侵略」がテーマである。守るというより攻めることに視点が移っているように思える。そのゲームの「バーチャル」な世界が,リアルの世界で侵略がいまだに進んでいる。ロシアによるウクライナ侵攻が拡大しないか,北朝鮮による核戦略が拡大しないか,そしてスーダンの内戦の激化など,が心配である。

 バーチャルの世界は,想像に際限がない。人間の想像力は,プラスの方向にも際限がないが,マイナスの方向にも際限がない。人として,いわゆる常識という範囲で止められるのが「理性」であり,「ルール」なのだが,バーチャルの世界ではこのルールが働かない。これが犯罪の温床になる。あらゆる犯罪が,人間の想像の産物であり,これをリアルの人から搾取することで犯罪が成立する。日本でさまざまな詐欺事件が行われるのは,日本人,特に若者がバーチャルの世界に逃げ込んで,犯罪を創造してしまっているからだと思われる。

 筆者が考える「リアル」は,現実の人に対して役に立つものを提供することである。モノづくりもその1つであり,次の世代の人材を育てることもその1つである。そのために,今の地球の温暖化などの危機を防ぐための技術と開発が必要であり,そこに貢献できるのが日本だと思っているのである。

 もう1つ意識しているキーワードが「目的地」である。

 筆者は,ぶらり旅ができない。必ず,目的地を設定し,そのルートを設定しないと,動くことができないというのが性分である。したがって,カーナビは自分にとっては欠かせない。到着時刻が確定しないと動けない。

 仕事でも,到着点をイメージして企画する。それが筆者のやり方である。このブログを書くときも,まずタイトルを決める。タイトルを決めることは目的地を決めることと同じと考えているからである。

 研究職は,おそらく目的地をイメージしていると思うのだが,無限の夢を追い求めているように思う。筆者にとっては,目的地が見えない状態なので,集中力,持久力のいずれも,続ける自信がない。しかし,無限の夢を追い求めるためには,無限の投資も必要になる。かつて,世界が経済成長していたころは夢の研究への投資に対する理解も得られたが,21世紀に入って経済が停滞している中,大量のエネルギーを消費するロケットによる,宇宙望遠鏡や宇宙ビジネス,さらに火星旅行や大気圏旅行などの事業については,一時自粛してほしいと思っている。宇宙の起源,星の起源を追い求めるのはロマンであり,研究者の最終目標だと思われるが,残念ながら今の地球の危機を救うことができないと思うからである。

 まず,今の70億人の人類の生命をいかに救うかという目的地に対して,地球温暖化をしないエネルギー開発と電力供給,そして食料の供給が必要である。そのためには,平和,協力,そして技術開発,モノづくりという「リアル」が必要なのである。

 バーチャルの世界で,自分だけを利するのは,もはや詐欺行為である。これを許してはならない。しかも,この犯罪を封じ込めるためには,リアルの世界で監禁しつつも生かし続けなければならない。これは,リアルの世界にとっての損失である。

 「目的地」と「リアル」--筆者はこれを残り少ない人生も貫きたいと考えている。