東京近県と北海道を除いて、新型コロナウイルス非常事態宣言が解除された。「非常事態」ではなく「日常事態」になったと言った方がいいのだが。
そう、新型コロナウイルスとの日常的な付き合いをしなければならなくなったのである。マスク着用、ソーシャルディスタンシングが当たり前のようになったのである。
自分が無症状で他の人に感染させてしまうかもしれない、ということが「日常」になったということである。マスクとソーシャルディスタンシングは、個人の意識に頼る対策だが、人間そうそう緊張ばかりもしていられない。設備側のサポートで感染リスクを下げる方法を考えなければならない。
「出さない」の基本はマスクだが、対面での仕事や家庭でリラックスしているときもマスク着用が必須だとすると、さすがに守れる人はあまりいないのではないか(筆者は前にも書いたが、家でもマスクを着用して感染拡大させない努力を続けている)。
ならば、ここは設備や機械の登場である。
「拡げない」ためには、間仕切りが有効である。パーティションで区切るのが一般的だが、相手が見えないと困る場合が多い。透明シートやアクリル板のパーティションが使われるが、透明感が今一つだ。さらなる改良が必要である。
オススメしたいのが、エアカーテンである。ただし、これも大幅な改善が必要だ。気流が強い割に、流量が少なかったり、エアカーテンの厚さが厚くて顔に当たったりして不快な感じを与える。薄く、均一に、ある程度の幅で、しかも静かで消費電力の少ないことが求められる。流体工学の設計者の出番である。
「漂わせない」技術もまた、空調に関係する。設置が簡単でコストも安く効率良く吸い込む方法を考えなければならない。コストの高い方法は、クリーンルームのダウンフロー換気で実現できている。これと同等の効果を通常のオフィスでしかも後付けで実現しなければならない。
実は、筆者は工学部の機械系の卒業である。頭のなかではこれらの仕組みは実現できている。クラスメイトや先輩後輩から、貢献してくれるのを心待ちつにしている。