jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

お客様はマスクだけでいいのか

2020年6月19日(金)から,県境を越えた移動の自粛が緩和された。その週末,各地で早速,人が動き始めた。観光地にお客様が戻ってきて,お店側もお客様側も笑顔,という構図が,報道では映し出されていた。

 ホテルなどの受け入れ側は,万全の態勢を整えての対応である。従業員のフェイスシールド着用,窓口のビニールシート設置,ソーシャルディスタンシングのための席数削減や足位置表示,パーティションの設置,そして1日数回,あるいはお客様の入れ替えの都度の拭き取りなどを進めている。

 一方,お客側はどうだろうか。さすがに最低限のマスク着用はされているように思えるが,テレビに映されているのはバスから降りるときや受付の列に並ぶところなど。カメラを向けられそうな場面で着用する,という対応で,自宅からホテルまでずっとマスク着用しているかといえば,新幹線の中やバスの中では席に座ったと同時にマスクを外すという姿が多く見られる。

 ホテルや店舗は,朝から晩まで常に新しいお客様と接しなければならないため,一日中フェイスシールドを着けた状態が続く。緊張の連続である。これに対して,お客様は「感染防止対策がされていて安心できます」ではなく,自らも感染拡大防止に努めなければいけないと考える。ホテルや店舗に感染を持ち込まないよう,家を出たらホテルに着くまで基本的にマスクを着け続けること,移動中にどうしてもさまざまな場所を触ってしまうため,途中でのこまめな手洗いや携帯アルコールによる手指消毒などを行い,移動中の感染をホテルに持ち込まないという努力が必要である。

 通勤電車でも,相変わらずマスク未着用,咳・くしゃみエチケットなしのくしゃみが続いている。観光に出かける場合,さらに気分が緩んでしまって,対策をしない人が多い。東京のクラスターとして『夜の街』がやり玉に上がっているが,感染を持ち込んでいるのは「客」という可能性もある。ホストクラブのホストの皆さんが多く感染しているのは,実は被害者である可能性もあるのではないだろうか。客から複数のホストが感染し,それが店内という密閉空間で店の従業員の間で広がった,というパターンが考えられる(もちろん,プライベートで別のところで感染した従業員が店で他の従業員に広げたパターンもあり得る)。

 コンビニやスーパーのレジに貼られたビニールシートは,従業員がお客様から感染を受けるのを防ぐためである。従業員を守るための措置である。観光地でお店側がフェイスシールドをしているのは,お客様からの感染を従業員が受けないための自衛策である。企業や店舗,さまざまな施設側で従業員から感染者を出すと,施設側の経営が成り立たなくなりダメージが大きい。したがって,「客との距離を開ける」道を選んでいるのである。

 結局は,客同士,一般人同士が,職場や街中,学校などどこかで感染を受けたり拡大させたりしているのである。その感染者が家庭や職場,施設などに入り込むことで,クラスターの発生につながっている。観光などで訪れたホテルや店舗などは,基本的に『安全』だが,そこに訪れる他の客からの感染には注意する必要がある。移動中に自分が感染し,それをホテルに持ち込んでしまうかもしれない。「新しい生活」に対する認識があまりにも低すぎる。さらなる認識をしてもらいたいものである。