jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「外出マスク」と「室内マスク」を両方とも使う

とうとう,新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全国的に解除されてしまった。前にも書いたが「緊急事態」が「日常事態」に変わっただけなので,新しい生活様式を取り入れながらウイルスとの共存の道を進むことになる。

 その中で,マスクは必須アイテムになった。世界中から見ると,日本のマスク着用率は異常に高いらしく,感染者数,死亡者数がかなり低いレベルに抑えられているのは,このマスク着用の習慣と,手洗いの習慣,そして国民の意識の高さと見られている。意識がどこまで高いかは疑問だが,マスク着用についてはやはり効果があったと言えるのではないだろうか。

 しかし,いまだにマスクの使い方については十分理解されていないと思われる。以前「感染罹患防止」と「感染拡大防止」という区別をしたが,それでは理解いただけないようなので,今回は「外出マスク」と「室内マスク」に分けてみたいと思う。

 「外出マスク」は,主に「感染罹患防止」を目指している。これも以前書いたように,一般のマスクではウイルスの感染を受けるのを防ぐことは基本的にはできない。しかし,街にはマスクなしで大声で話をしたり,咳・くしゃみマナーも守られているとは思えない(外出自粛の期間は,意外にもマナーは守られていたと感じたが)。そこで飛沫を直接受けるのを防ぐために,「外出マスク」が必要と感じている。

 「外出マスク」は,したがってできるだけ高性能な方が望ましいと考えるようになっている。医療用のN95マスクはいまだに供給不足が続いているので,一般人としては入手を控えているが,できれば欲しい。ただ,街でN95マスクを着けていたら,逆に医療関係者と思われたり,「今の時期,街なかで使うなんて非常識」と批判されないとも限らない。なるべく普通の雰囲気のマスクを探しているところである。

 そうすると疑問なのが,現在街中でも着用されている布マスクである。布マスクは,「感染拡散防止」用。つまり飛沫を周りに飛ばさないためのマスクである。かわいい柄の布を使った布マスクや,格好いい形の立体布マスクなど,巷で使われている。これはこれで結構なのだが,「感染罹患防止」効果は評価しづらい。どんな布を何枚重ねて作製しているかによって,飛沫の吸い込みをどの程度防ぐことができるのかは評価できない。また今後,夏に向けてさらに暑くなり,「ナツノマスク」が人気だというが,涼しいということは基本は空気が通りやすいということで,飛沫吸い込み防止効果はさらに怪しくなる。

 当面は,「外出マスク」はPM2.5対応をうたった比較的高機能の使い捨てマスクにしようと思っている。ウイルスの罹患防止機能は限定的だが,少なくとも布の織り目よりははるかに細かいメッシュであることが期待できるためだ。夏場,マスク着用による熱中症の危険性について注意が出されているが,活動の強さと水分補給も併せた対策と考えれば,知恵を使って防ぐ努力をしたい。人とのすれ違いのない路上の場合は,マスクを外したりずらしてもいい。

 一方,「室内マスク」は他の人への「感染拡散防止」用である。したがってこちらは,布マスクで十分であり,さらに言えば,食品加工業などの現場で使われている透けるような衛生マスクでも大丈夫である。むしろ,長時間の使用が必要な「室内マスク」では,呼吸が楽であることも重要である。

 「室内マスク」は,オフィスでの使用を想定したネーミングだが,外出先から帰ったら「外出マスク」から「室内マスク」に替えて,外での感染を家の中で拡散させないようにする必要がある。オフィスでは,マスクに加えて透明パーティションを設けたり,机の配置換えをしたり,席の間を空けたりして,相互のソーシャル・ディスタンシングを図ることはできるが,家の中ではパーティション設置などはなかなか難しい。仮に持ち込んでしまっても拡散させないために,「室内マスク」は絶対必要と考えている。

 厚生労働省から,「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」が2020年5月14日に出されている。飲食店や遊興施設ではなく,一般オフィス用である。

 マスク着用の義務づけもなく,パーティションも作らず,対面で会議をする会社が,いまだに多数ある。テレビ番組では,出演者の間隔を空けたり,オンラインでディスプレイに映したり,ビデオクロマキーで合成して,お互いの距離を取っている。学習塾では,講師がフェイスシールドとマスクをして子どもたちに教えている。海外でも,道でのすれ違いを避けるために歩道で左側通行を義務づけている例がある。こうした社会の新しい常識に向けての動きを,報道が伝えるただの冗談だとこれらの意識の低い企業は見ているのだろうか。社員のことも客のことも考えずに,これまで通りの日常に戻ろうとしているこういう企業こそ,ブラック企業に加えて糾弾すべきだろう。