2020年6月2日に発令された「東京アラート」が6月11日に解除されたが,感染者数の発表は1日20人を超え,6月14日は47人と発表された。人間はこの『解除』という言葉に弱いらしい。実際,都内の人出は通常時の80%ぐらいまで戻り,しかも真夏日の連続で屋外でのマスク装着率は60%を下回る感じである。行き交う人がほぼカップルやグループで談笑している。ソーシャルディスタンシングなどどこにもない状態である。
郊外に向かう電車も同様である。都内での移動者が増えたため,都内から郊外に向かうターミナル駅の混雑ぶりは凄まじい。乗車して15分間は立ち席も50人はいるだろう。やはり車内での談笑が目立つ。
布マスクのおしゃれ感覚の広がりによって,マスク装着率は一時は上がったが,この夏の暑さにはほとんどの人が耐えられないだろう。2002年のSAAS流行以来,夏場でもマスクを使っている筆者も,今年のような閉め切らない電車の中でエアコンの効きが悪い状態ではかなり厳しいと感じている。
室内,特に学校の教室では,マスク着用と机の間隔あけ,分割登校などが進められているが,さらに机の前と左右についたてを立てる学校も出てきた。透明な板ならまだしも,ダンボールで囲った形も報じられている。さすがにこれは行き過ぎではないだろうか。これならオンライン授業の方が集中できそうな気がする。
『解除』で緩む人々の気持ち,人混みの混雑度の上昇,冷房の効かない室内や車内,などと考えていくと,ウイルスを拡散しないように思いやりから着用しているマスクではアピールが弱く,もっと強固に拡散もさせないし,罹患もしない,という意思表示のために,混雑した電車内や街中,対策の甘いオフィスなどでは,フェイスシールドで『自衛』をアピールするしかないかなと思い始めている。
自作の簡易マスクをしている人はほとんど見かけなくなった。自作自作と言っている布マスクも,結局はほとんどは購入したもので,自分で作って使っている人は少ない。今,YouTubeでは自作のフェイスシールドがどんどん紹介されているが,残念ながらクリアファイルを利用するアイディアは周りが見えにくいのでほぼ却下されるはずである。また,自作簡易マスクと同様,この自作フェイスシールドを使う人もほとんどいないだろう。
自衛のために,以前購入したPET樹脂のフェイスシールドをいよいよ来週は使ってみようと考えている。対策の甘いオフィスでの個人的な抵抗策としての賛同も少し得られている。日本で初めてフェイスシールドを着けて街中を歩く人物になってしまうのかもしれない。