jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

何でもかんでも,カタカナにしないでほしい。新型コロナウイルスは正式名称と新略称を提案

2021/7/3,また線状降水帯による集中豪雨が,静岡県や千葉県で被害をもたらしている。7/3午前,静岡県熱海市の伊豆山で大規模な土砂崩れが起きている。伊豆山というと,筆者がかつて勤務していた会社の保養所があるエリアである。山筋は違ったが,同じような地形である。道もなかなか険しい。

 保養所や別荘の立地は,自然が豊かなところで,見晴らしのために傾斜地であることも多い。今回の土砂崩れのエリアは,人家が密集した地域へ裏山が崩れたという形のようだが,基本的に日本の8割はこういう地形であり,やりきれない思いがする。

 この災害に合わせたかどうかわからないが,2020年7月に熊本で起きた水害で,球磨川の氾濫が水位上昇のために「バックウォーター現象」で街中に水があふれた,という記事があった。バックウォーター(backwater)という言葉は確かに英語にもある。下流側の水位変化の影響が上流側に及ぶ現象のことで,日本語の訳は「背水」となっている。「背水現象」という日本語もある。

 ただ,背水を使うと「背水の陣」という言葉を思い出すし,また「排水」や「廃水」と読みが同じなので,「背水」を思い浮かべにくいかもしれない。かといって,わざわざカタカナ語を使わなくても,「逆流現象」でいいのではないか,と思うのである。「本来,排水される水路を水が逆流して街中にあふれた」でまったく正しく意味が通じる。あるいは,当時のニュースで使われていた「内水氾濫」で十分だと思う 線状降水帯,一級河川の堤防決壊,内水氾濫ーー水の災害は天災か人災か - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/6。

 ネーミングで言えば,そろそろ「新型コロナウイルス」の特定の呼び方がほしい。かつて,SARSコロナウイルス (Severe acute respiratory syndrome coronavirus, SARS-CoV )は,SARS重症急性呼吸器症候群)が病名,SARS-CoV-1がウイルス名だった。MERS(Middle East respiratory syndrome,中東呼吸器症候群)が病名,MERS-CoVがウイルス名である。

 今回の新型コロナウイルスでは,ウイルス名が「SARS-CoV-2」と先に名づけられている。そうすると,ウイルスは「SARSコロナウイルス2」と呼ぶことになる。しかし,病名は「SARS-2」ではなく「COVID-19」(新型コロナウイルス感染症)と正式にされたので,何となくややこしい。

 SARS,MARSは「サーズ」「マーズ」と日本でも呼びやすいし,病名やウイルス名と呼んでもだいたいの意味は通じるのだが,今回は,病名がCOVID-19,ウイルス名がSARS-CoV-2で,共通項がない。MARSの時のように地域名を付けることは適切ではないと考えられたようである。

 新型ウイルスの病気、正式名称は「COVID-19」 WHOが命名 - BBCニュース 2020/2/11。命名のルールは「コロナ(Corona)」、「ウイルス(Virus)」、「病気(Disease)」WHOに報告された「2019年」の組み合わせであるという。もし,毎年のように新しいコロナウイルスでの病気が登場したとすると,COVID-20,COVID-21などと呼ばれるのだろうか。さらにややこしくなりそうである。

 とりあえず,病名の「COVID-19」を“COVID-19感染症”(読み方は“コビッド19感染症”),あるいは“COVID-19コロナウイルス感染症”,ウイルス名も俗称で“COVID-19ウイルス”,変異株を“COVID-19デルタ株ウイルス”というふうにしてはどうだろうか。

 ひょっとしたら,現在のワクチンが効きにくいというラムダ株が,実は別のコロナウイルスではないかという気もしている。ならばラムダ株はCOVID-20ウイルスと呼ぶべきことになるだろうからだ。

 海外メディアで“新型コロナウイルス”に相当する「new coronavirus」という言い方はまずしない。すでに複数の変異株が出ている中で,「new coronavirus variant」「new coronavirus mutant」の「new」は,variantやmutantにかかるからである。“COVID-19コロナウイルス感染症”と呼ぶことを提案したい。まあ,日本式に詰めて“CV19”(シーヴィー19あるいはシーブイ19)として発信してもいいかもしれない。いくつかの製品の型番以外には,いちおう引っかからないからだ。本稿が初出である。

 日本では「新型コロナ」とか「コロナが・・・」などと省略して表現されることが多い。これで迷惑を受けている企業もある。少なくとも「新型コロナウイルス」とまではきちんと表現すべきだろう。「COVID-19ウイルス」と呼べば,より適切に響くと思われる。