パルスオキシメーターの表示を紫色を含む「トリアージュ」で示すことの提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/10 と提案した。しかし,市販のパルスオキシメーターにこの機能はない。これは自己管理するしか方法がない。
どういう数値によって線引きし色分けの基準にするかは,医療専門家にコメントいただきたいが,たとえばExcelを使ったイメージは下記のようなものである。
原理としては,まず計測日と計測時刻,計測値を入力すると,ただちにまず,計測値に対する評価が出てくる。これは「セル書式の設定」によるものである。とりあえず,95以上を緑,90~95未満を黄色,90以下を赤で表示している。 【修正】厚労省による重症度分類に基づいて,96%以上を軽症(緑),93~96%未満を中等症I(黄色),93%以下を中等症II(赤)として色分け直した。色使いは,厚労省の資料とは異なる。
通常,90近くの値が出たらちょっとビックリして慌てて相談の電話を掛けるだろう。ただこの段階ではおそらく「もう数日様子を見てください」と言われるのがオチであることは,前回も書いた。この表の右側の「トリアージュA」で見ると,「緑」判定で,もう少し様子見してもいいかもしれない,と出る(計算式については後述)。測定値の誤差の可能性もあるという自己判断もできる。
しかし,翌日も同じように95未満が表示されると,「注意」が積算されていき,より危険度が高まる。しかし90未満が表示されても,1回だけだとやはり「様子見してください」と言われるかもしれない。そのとき,「90未満が○○日と○○日に連続して計測された」とすると,危険度は一気に高まっていることになる。表でいうと,「トリアージュA」の紫色のところが,危険度が高い色になっていることを示している。
ここで示した計算式はあくまで素人がExcel上で適当に作ったもので,ほとんど根拠がない。ぜひ,さらに正しい判断ができるような数式,あるいはインテリジェンスのある判断手段を与えてほしい。
実は,ここの計算式は単純である。計測値が95以上は0,90~95未満は0.5,90未満は1 【修正】計測値が96以上は0,93~96未満は0.5,93未満は1という数字を計算し,3回の数字を加えたものを「トリアージュA」の数字としている。緑(96以上)が続けば,トリアージュAの数字は常に0である。黄色(93~96未満)が1回計測されても,3回の和は0.5なので,ここまでは問題ないとする。黄色(93未満)が3回中2回計測されると,3回和が1となり,トリアージュAも注意を促す黄色になる。3回続けて黄色(93~96未満)が出ると,3回和が1.5となり,より注意のピンクに,そして1回でも赤(93未満)が出ると,トリアージュAも赤になる。この段階は,保健所に連絡を取って急変の可能性を伝えるべき段階で,保健所もいつでも動けるようにスタンバイしてもらう必要がある。赤(93未満)が2回続けて出るとトリアージュAは紫色となり,入院手配に動いてほしい段階である。
「トリアージュA」としたのは,単純に3回計測値の和だけを判断材料としたからだ。本来は,計測日,計測時刻も判断材料とすべきである。短い間隔で異なる値が出た場合は,測定誤差としてその値を外した方がより精度が上がる。その数値の表示を薄くするなどの工夫も必要かもしれない。これらを加えたより精度の高い「トリアージュB」が提供できるといいと思っている。
この試みはローカルのExcel上で表示されたが,本来はネット上のシステム,つまりたとえばgoogle spreadsheetを使って入力し,これを保健所でも常にモニターできるようにするといいと思うのである。つまり,自宅待機,自宅療養を指示した患者さんに,渡したパルスオキシメーターの値をどんどん入力してもらう。患者も入力したときに自分の状況がある程度判断できるとともに,保健所でも同時に情報共有し,たとえばトリアージュが「赤」になった患者に対して注意喚起するアラートを出す仕組み,また「赤」や「紫」になった場合のアラートで,直接電話連絡をとって様子を確認する,といったより早期の対応が可能になると思うのである。
現在の自宅待機・自宅療養者が東京で2万人近くになっている。もしこのシステムが導入されたら,おそらくひっきりなしにアラートが出て大変なことになるかもしれない。しかし,このアラートは患者の声であると思えば,なんとしてでも対応しなければならなくなるのではないだろうか。まさか,嘘の告知をする人はないと思うのだが。