石破茂首相の外交報道を見ると、彼の印象が少し良くなった。ネットでは盛んに服装のだらしなさや座ったままの握手などが礼儀知らずだとか書かれているのだが、それよりも自然な感じが好感に思える瞬間がある。
やはり大物政治家なのかも知れない。それまではずいぶんぶっきらぼうな印象で偉そうにしていると見ていたが、首相になってからは表情も穏やかになり、笑顔も見えるようになった。衆議院議員選挙での大敗で消沈するかと思えばさにあらず、積極的な野党共闘と外交を進めている。
首相選挙の決選投票で争った立憲民主党の野田佳彦党首は,石破氏をして手ごわい論客と言っていた。物事に動じない人物なのだろう。習近平国家主席とも対等に渡り合っていた。まあ,トランプ次期大統領への当てつけと言えなくもないが。就任式までは他国の首脳と会わないことにしているようだが,正式就任後に会うとしてもとりあえず任せられる気がする。
それにしても,選挙中の公約以降も主張を少しずつ変えながらうまく渡り歩いているようにも見える。選挙で躍進した国民民主党の主張をあっさりと取り入れて,税制改革をして,政権を安定化させる作戦なのだが,この辺りの変わり身は気になるところである。外交ではポイントを稼げるかもしれないが,内政では国民の信頼を得ることができるのかどうか微妙なところかもしれない。しかし,各党の党首が新しくなり,それとともにSNS戦略で話題になった,筆者からするとややこしい人たちが,新政党を作るだの言い始めているので,政権運営はちょうどやりにくいタイミングかと思われる。
しかし,ウクライナやガザ地区の紛争が非常に緊迫し,これに北朝鮮の派兵,米英の長距離ミサイルの支援など,もっとややこしい段階に入っている。この難しい世界情勢の中で,石破首相が適任であってほしいと願うところである。ただし,服装,態度はもう少しスマートにされた方がいいかなと,正直に思ってしまう。