厚労省のデータから,病床数と入院数(東京)を作ってみた。第6波と第7波の入院数増加カーブはあまり変わらないようである。
全体の病床数は,2年半前の約2倍まで段階的にではあるが減らすことなく増やしているのに対し,重症病床が,6月までの1488から1007へとかなり減らしたのが気になりる。第7波に入っても増やされていない。
病床使用率は,病床数の母数を増やせば簡単に減らすことができる。しかし,病床を一気に増やすことは難しく,あっという間に病床逼迫を招く実態は,まったく変わっていない。仮に病床数は増やせたとしても,患者を診る医者,看護師を急に増やすことはできない。どうせ医者が足りないのだから,病床を増やしても仕方がない,といった意図が見え隠れする。
しかし,中等症病棟では,医師や看護師が付きっきりになる必要はない。容態が急変する危険をいち早く察知できれば,処置にかけつけることができれば間に合う。そのためには,入院患者のモニタリング機器をもっとインテリジェントにし,かつ無線LANで情報を定期的に取り込んでモニタリングするようにすればいい。パルスオキシメーターの数字が90を下回ったとか,熱が38℃を超えたとか,そういうサインを集中モニタリングすれば,1人の医師で100人の中等症入院患者を診ることは可能である。
一方で,重症病床は付きっきりの措置と看護が必要になる。機器も不足,医療従事者も不足ということになると,また措置されずに亡くなる方が出てくるのを心配してしまう。