jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

昆虫食を考える

昆虫食が話題になっている。狭い場所で少ない餌で年に何回も収穫でき、高タンパク質である。すでにヨーロッパではミールワームの大量生産工場が稼働しているという。

 タンパク質を得るために、哺乳類の肉を食べたのは、他の肉食動物が捕らえた草食動物を、最初は生で、後に森林火災で焼け死んだ動物の肉を食べてその美味しさを知ってからである。鳥の肉も同様に食べたのだろう。

 その次が爬虫類だが、食用になったのはワニぐらい。ヘビもごく一部である。両生類も大型のカエルぐらい。あとは魚類や甲殻類、貝類などの海産動物である。

 ポンと飛んで日本が量産に成功したのが、ユーグレナ、いわゆるミドリムシである。自走するが動物ではなく、藻類なのだが、細胞膜が柔らかく、消化しやすいタンパク源である。先に量産されていたクロレラが、細胞膜が硬くて消化しにくかったのに対して、非常に優秀である。しかも、栄養分を水に溶かしておけば、太陽のエネルギーを使ってタンパク質を体内に溜める。排泄物も少ないなど、好都合である。せっかくの技術なのだが、起業者は選択を誤ったのか、一向に市場に出回らない。

 その間隙をすり抜けるように、昆虫食が話題をさらってしまった。当初、ミドリムシが虫だから嫌だ、という変な噂で出鼻をくじかれたこともあるが、昆虫食は筆者にとってはもっと抵抗がある。

 もともと、昆虫を日常的に食べていたのは、東南アジアやアフリカなどの熱帯地方が中心である。貴重なタンパク源ではあるが、現代人にとっては、寄生虫を抱えたまま食べることになり、危険を伴う。虫を食べる鳥をヒトが食べる場合も、寄生虫のいる内臓や血液は避けて肉を食べる。肉食は、寄生虫をフィルタリングできる手段であり、安心できる。魚の場合も、肉に食い込むアニサキスのような特別な寄生虫以外は、内臓を取り除くことで安心して食べられる。しかし、昆虫はそういう訳には行かない。

 したがって、管理された工場で、管理された餌で飼育するので安全だというのだが、やはり抵抗は残る。どのように検査するのかも、基準はない。

 少ない餌で飼育できるといっても、大量に飼育するには大量の餌がいる。その糞も大量に出てくる。おそらく、一部の肥料に還元しているのが現状だろうが、これがもっと増えたらどうなるのだろう。ここもまだ答えはない。

 街中でも昆虫食レストランが登場した。袋入りで販売している店も出てきた。興味本意でブームに乗ってほしくない。健康被害を保証する方法もない。早く、基準を決めて、農水省厚労省が乗り出さないと、大変なことになると心配している。

 むしろ,家畜生産を制限し,その飼料としていた穀類をそのまま食糧にすることと,大豆タンパクをさらに改良して,動物性タンパク質から植物性タンパク質に転換していく方が,平和だと感じるのである。

 食物連鎖をもう一度考えてみようと,チャートを作ってみた。

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食の相関図。内臓を食べない肉食と加熱食により,細菌や寄生虫の害から逃れられている。昆虫食は内臓を食するので,安全性に疑問が残ると考える。