jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

微生物からプラスチック--水素細菌プロジェクトを国家レベルで進めることを再提案。太古の地球の原理に戻ろう

微生物×二酸化炭素でものづくり? 2022/7/13のNHKニュースのタイトルである。水素細菌が,空中の二酸化炭素を餌として水素を作るとともに,自身の中に生分解性プラスチックを作る,という話で,筆者も少し前にフォローしていた 水素細菌ねぇ--まず電気分解水素でのインフラの確立が先決だが安定供給には必至の技術かも - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/5/13。

 筆者はどちらかといえば水素生産による「水素発電の方に力を入れるべき派」なので,生分解性プラスチック生産については実は否定的な考えを持っていた。水中で分解するとしても,数年もかかるようでは海洋生物への被害は減らないし,またバラバラになることで今度はマイクロプラスチックとして浮遊することに問題があると思っているからである。

 今回,日本の技術を知ることができた。カネカが開発したPHBHという生分解性プラスチックが,この水素細菌を使って製造したものである。詳細は同社HP カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®︎でなぜ世界が健康になるの? | 株式会社カネカ (kaneka.co.jp)NHKニュースではスターバックスの持ち帰りスプーンへの一部採用が紹介されていたが,セブンイレブン資生堂などの採用例が紹介されている。

 ロシアからの天然ガス輸入がストップする懸念が出てきて,北海道を中心に「節ガス」要請が出された。日本全体では,ロシアからの輸入は9%程度らしいが,北海道ガスはおそらくこのサハリンからの供給に依存しているからだろう。国産エネルギーによる自給体制を,早く確立しなければならない中で,水素細菌プロジェクトでプラスチックと水素エネルギーを同時に生み出すというのは,実に理にかなっていると思われる。

 考えてみれば,太古の植物が太古の大気中の膨大な量の二酸化炭素を取り込んでタンパク質を生み出し,同時に大量の酸素を放出することで,今の地球の原型が出来上がった。その植物が大地殻変動で地中に埋められ,熱と微生物分解によって出来上がったのが石油であり天然ガスである。

 その化石燃料を使い果たし,固定された二酸化炭素を大量に放出してしまった現代人としては,再び太古の時代と同じように微生物に頼る必要があるのではないか。人類の知恵が生み出したエネルギーは数々あるが,常に厄介な副産物を生じてきた。水素細菌による実にクリーンな生産プロセスを最大限活用させてもらい,地球を元の姿に戻す,つまり「微生物に託す」という謙虚な態度が今必要なのかもしれない。

 考えてみれば,「植物+微生物」による発酵現象によって,タンパク質もアルコールも生み出せている。自身に石油様のオイルを生み出す藻類も発見されている。おそらく,何らかの有用な食糧もこのプロセスで大量生産できるようになるのではないか。そうすれば,二酸化炭素の削減,生態系に優しいプラスチックの生産,エネルギーの生産,食糧の生産と,SDGsが掲げる目標を一気に達成できる可能性を持っている。

 もう時間がない。急いでこのプロジェクトを世界規模でリードすべきだろう。BA.5による新型コロナウイルス禍第7波を漫然と見守っているだけ,北朝鮮や中国,ロシアから言いたい放題言われているだけ,不幸にも命を奪われた元首相にいつまでも関わりあっている平和ボケしているだけの日本では,また世界から取り残されてしまう。早く気持ちを思い切って切り替えることを提案したい。