jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

自治体は,ICチップ,写真なしの「マイナンバーカードmini(仮称)」をただちに配布することを提案--新型コロナをいい機会に全手続きにマイナンバーを活用

マイナンバーカードの普及が進まない。当たり前である。今どき,役所に出頭してしか発行しないものなど,運転免許証とパスポートを除けば何もなくなった。クレジットカードでも,ICチップ入りのカードが郵送されてくる。銀行のキャッシュカードも,生体認証登録をしなければ銀行で手続きしなくても発行される。運転免許証ですら,新規発行は試験会場で行われるし,更新のときには警察に出頭する必要はあるが,その場で写真も撮影されてICチップ入りの免許証が発行される。パスポートは2回出頭しなければ受け取れないが,これは海外でも自分の身の安全を保証するのに最低限必要なので,ガマンできる。

 ところが,マイナンバーカードは,取得することによるメリットのアピールが極めて弱い。別に持っていなくても困る場面がほとんどない。個人を特定するのに,運転免許証やパスポート,健康保険証などがあれば済む。運転免許証やパスポートのように,所持しなければ移動できない,ということもない。

 マイナンバーという個人を特定する数字を全国一律で作ったのはいいが,これがなければ何もできない,というものが何もない。本来なら,納税や年金などときちんと紐づいていて,個人の一生をトレースできる仕組みのはずで,その個人が所持すべき物理的な証明書として,「マイナンバーカード」というモノを作ったはずなのだが,「マイナンバーカードでなければならない」理由がどこにもないのである。

 アメリカのグリーンカードは,いわば身分証明書である。仕事をするにも,さまざまな証明書を申告するにも,このグリーンカードがなければ受け付けてくれない。家を借りることも買うこともできない。医療機関に掛かることもできない。

 筆者がこのブログでマイナンバーカードに言及した最初の事例は,新型コロナウイルスの空気感染の可能性について-PCRスクリーニングをより綿密に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/8。「PCR検査の全員実施と,マイナンバーカードとの紐付け,通行・入場証明が必要だろう」と提案している。しかし当時も「そもそもマイナンバーカードを持ち歩くという習慣がない」と書いている。

 新型コロナウイルスのごく初期段階においてアメリカやイスラエル,ヨーロッパ各国のように,国民全体の状態を完全把握する仕組みが機能していれば,今のようなHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)への複数の入力項目をすべてタイプ入力する,などというバカな状況は回避でき,受付でカードのQRコードを読み取るだけで瞬時に登録から集計までできたはずである。

 筆者からの提案である。発熱外来を含むすべての医療機関,保健所,薬局,民間のPCR検査所は,受付時にマイナンバーカードの提示を必須とすることをまず決定することである。そして,各地方自治体は,マイナンバーカード非申請者に対して,ICチップ,写真なしの「マイナンバーカードmini(仮称)」をただちに配布することである。

 マイナンバーカードminiには,マイナンバー,氏名,発行自治体名,QRコードだけが印刷されている。実際の使用時には,顔写真付きの免許証やパスポート,健康保険証などとのダブルでの提示で本人確認をし,QRコードの読み取りないしマイナンバーの打ち込みだけで受付が完了する。HER-SYSにもマイナンバー情報だけが引き継がれる。あとは国の仕組みなので,住所やふりがな,ワクチン接種情報などはV-SYSなどのシステムとリンクすればいい。それは医療現場の仕事ではない。

 しかし,マイナンバーカードminiには使用制限か使用期限を設けることで,本来のマイナンバーカードへの切り替えを順次促進する。何しろ,偽造カードを作る輩がまた出てくるからである。

 現在,マイナンバーカード未取得者に対して,QRコードで簡単に登録ができるという申込書の配布が進められているというが,これでもう3回目の案内になるのではないか。しかもポイントまで付けるというエサ付きでも登録が進まない理由は,いかに手続きが面倒と思っているかということにまだ気づかないのだろうか。

 第7波で1週間当たりの感染確認者数が130万人超えで,アメリカの95万人すら抜いて「世界1」になったという不名誉な結果が出ている。すでにマスクなしの日常を取り戻しているアメリカに比べて,医療逼迫,全数把握困難,医療機関介護施設だけでなく,テレビ局や撮影所までもクラスター発生,そしてここ数日の全国的な大雨によるまたも一級河川の堤防決壊というお粗末さと,政権与党と宗教団体との癒着,オリンピックを口実とした汚職など,日本の無茶苦茶ぶりが世界に知れ渡って,恥ずかしいこと限りない。

 国(政権政党)は,自分の身を清めるのはまず後回しにしてでも,今の新型コロナに対する対策として早急に新型コロナ関連受付にマイナンバーカードが必要なことを宣言し,マイナンバーカードminiの配布促進のための経費を各自治体に援助し,各自治体はマイナンバーカード未発行者が分かるのだから,未発行者にマイナンバーカードminiを作成して配布することは1週間で実現すべきだろう。

 現在,1日の感染確認者が20万人で止まっているが,はっきり言えばこれはPCR検査が間に合っていないからである。それは,陽性者率がどんどん上がっていることからもはっきり分かる。検査数が問題なく伸びれば,陽性者率は一定しているはずなのである。BA.5で感染率は上がっているが,陽性率がどんどん増える,というのは理屈に合わない。検査が順調に進めば,おそらく感染確認者数はさらに増え,1日100万人を超えることも予想される。しかし,病床数は努力しても直線的にしか増えないうえ,医療従事者の感染によって用意した病床に入院もできず治療も受けられない自宅待機者がまた激増し,在宅で亡くなるケースがまた出てくると思われる。

 医療提供のための,いわば「配給券」である。戦時中の食糧難の時代に,配給制を維持するのに国民を特定して公平に食糧を配給する制度が機能していた。今は有事である,という意識があまりにも希薄なのではないか。国民も電話をすれば無条件に診察してもらえるという平和ボケをしていないか。