jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

性犯罪はなくせるか--グルーミングという“絶対的依存関係”を考える

2022/1/29 朝からNHKで「グルーミング」というキーワードが報じられた。追跡 SNS性犯罪 悪質な“グルーミング”の手口とは… - みんなでプラス - NHK。子供の悩みの相談に乗ると言って信頼を得,周りから孤立させ,精神的な依存関係になり,性的な関係に発展するという巧妙な手口が,海外でも日本でも進んでいるという。特に,スマホを使った関係構築が急速に進んでいると指摘している。

 精神的な依存関係を構築するという意味で思い出すのが,ローマ・カトリック教会性的虐待事件である。宗教という絶対的な依存関係の中で,子供,特に男の子が性被害の対象となっていた。

 教員や家庭教師などの教育の場も,絶対的な依存関係である。教員による性犯罪も後を絶たない。筆者の同級生で恩師と結婚した人がいるが,正直言ってその年齢差に驚いたものだ。恩師に憧れ尊敬するというのは普通だが,それが一線を越えないという保証はどこにもない。

 宗教関係者や教育関係者は「聖職」という認識があり,男女関係と縁のない世界と思いたいが,当事者はあくまでも人間である。懺悔の部屋が密室につながっていることも危険な場でないとは言い切れない。指導と称しているものが,「グルーミング」とほぼイコールであることに驚かされる。

 そもそも,多くの男女関係は,女性から男性に対する依存関係が強い。まったくの男女対等という関係は少ない。経済的に依存し,安全安心を求めて依存する傾向がないとは言えない。そこにDV(家庭内暴力)が生まれたりする。

 男って結局,女性の敵。IT武装で独立を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/11/29。以前から考えていた。リアルな世界で対等な位置に立つには,知識で理論武装することと,ITでバーチャルな世界でも対等に立つことだ,と書いたのだが,どうもこのスマートフォンというIT機器を通じて「心の隙間」に入り込まれてしまうようである。

 これは男女を問わない。電話による詐欺,メールによる詐欺,PC画面を乗っ取る詐欺など,顔の見えない相手に対しても,心の準備をしておかなければならない。

 ここまで書くと,教育による競争社会が人間関係に最も大きな歪みをもたらしているように思える。というのも,まともに考えれば「教育=収入」であり,「先生=地位・名誉」だからである。一生懸命勉強していい学校に進むことで,将来収入的に安定した生活が送れる,と普通に考えると,そこから落ちこぼれた場合の恐怖があり,これが先生や占い,投資情報などに依存する関係を生み出している。

 「依存」の反対語は「自立」である。男性も女性に依存している部分はあるが,基本的には自立している。1人で生きて行くことができるために,生活に十分な収入を得るための仕事選びが,人生の最大の目標になる。

 これに対して,女性は男性への依存傾向が強い。小さいころからの刷り込みもあり,自立であったり,1人で生きて行くことができないと,どこかで思い込んでしまっている可能性が高い。「依存」を「愛情」にすり替えてしまうと,自分を見失ってしまうこともある。グルーミングはこの女性の依存傾向に付け込むことで性犯罪に結びついてしまうように思う。

 油断をしていると付け込まれるのは,男性も女性も同じである。そこで自分の弱みを見せずにいかに対応・表現するかで,危険を逃れられる確率が高まるように思う。自分に自信があること,自分自信を信じること,そのために多くのことを学んで吸収することだろう。

 かくいう筆者も,若いころに詐欺にあったことがある。今でいうマルチ商法である。クーリングオフなどない時代で,気づいてすぐに対応したものの,初期被害は取り戻せなかった。心理的犯罪は,ますます巧妙を極めており,特にオレオレ詐欺系の犯罪に巻き込まれないという自信はまだない。普段から用心をし,家族とも話し合いをしてるが,頭では理解していても,いざというときに対応できるかどうかは心配である。なにしろ,警察,裁判所,弁護士,自治体職員など,専門職を名乗る相手である。どこまで冷静でいられるだろうか。

 同じように,グルーミングも教員や親戚,聖職など主に専門職が関わってくることが多く,厄介である。