jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

政見放送の堕落--これはもうYoutubeだ

政見放送が続いている。以前からこの存在意義について疑問があった。

   まずNHKという有料放送で流されていることが疑問である。国営放送なら問題ないが、NHKは国営放送ではない。国民の視聴料を取って運営している。国営放送なら、きちんと税金で運営すべきだし、スタッフも公務員であるべきだ。NHKを攻撃している政党があるが、そもそもの論点が間違っている。

   次に、言論の自由という意味を履き違えている。自由というのは、何をやってもいいということではない。権利と義務はセットで語るべきものである。言論は、相手があって初めて成り立つものである。自由に勝手にしゃべるのが、独り部屋なら問題ないが、他人がいれば、相手にとっては聞く権利とともに聞かない権利もある。聞きたくない相手を拘束してしゃべって聞かせるのは、相手の権利を侵害している。まず、聞いてもらいたいという意思を示すための最低限の常識が必要だろう。政見放送でもさまざまなパフォーマンスがある。国民に自分に投票してもらうためのパフォーマンスのはずが、ただのワンマンショーになっている。これはYoutubeである。

   3つ目は、視聴者の住む地域以外の候補の放送が流されることである。国民が票を投じることができるのは、自分の選挙区の候補に限られる。NHKとしては、例えば「関東局」という地方局の時間帯で運用しているのだが、それはあまりにも広すぎる。他県の候補者の政見放送を聞いても、ほとんど意味がない。

   NHKも、ほぼ民放的な運営をしているのだから、「政見放送するなら国会が放送を運営管理すればいい」と開き直るべきではないか。おそらく誰も聞いていないし、政見放送が始まったら他チャンネルに変えられてしまっているはずである。やるなら、内容や構成に責任を持つべきではないか。それがマスコミの使命ではないのだろうか。