2023年に入ってから,NHKの“番宣”がおかしい。定時番組直前のお知らせが,「受信料」に関するものばかりだからである。
「引っ越ししたらNHKにも連絡してください」「NHKプラスが無料で見ることができます」「学生の皆さんは実質無料になります」などなど。
一方で,総務省はNHKネット配信を必須業務化し、ネットだけでの視聴者にも負担金を課すことを提言した(NHKネット配信を必須業務化、視聴者に負担金 総務省案 - 日本経済新聞 (nikkei.com) 2023/8/29)。NHKの業務を拡大するとともに,その視聴料聴取を義務づける内容である。
エンタメが日本を滅ぼす--癒しだけでは生きて行けない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/6/18 と筆者はコメントしている。正直,NHKが国営放送ならエンタメは要らない。情報発信,教養番組だけでいい。それで,国の予算で運営すればいい。視聴者が見るかどうかは,関係がない。きちんと業務を果たしていればいいことである。視聴者から受信料を取る必要はない。
NHKは,国がスポンサーとなり,国が伝えたい情報を発信すればいいと思うのである。民放ではなく国放にすればいいのである。
筆者は,NHKの情報が最も信頼できると考えている。発信する前に必ずチェックしてフィルタリングされている(と思う)からである。
受信料の“番宣”をアナウンサーがするのもおかしい。受信者にお願いするのなら,それは経営者の仕事である。会長が話せばいい。アナウンサーに話させるのはおかしい。しかも当然ながら,アナウンサーにはにこやかに視聴者に語りかけることが求められる。普段,正しい情報を届けてくれているアナウンサーが,「受信料を必ず払え」と語っているのを聞くのは,矛盾を感じるのである。
もちろん筆者は,NHKなんとか党とはまったく関係がない。そんな枝葉の議論だけを主張しているのではない。
メディアも経営をするためには収入が必要である。民放も一般企業も,収入の道は営業収入と広告収入である。そして民間企業の場合,ほとんどの収入は広告収入である(密室犯罪とマスメディアの対応--経営における権威・権力の構図が変わることを期待 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/9/1)。
視聴者から料金を取るなら,視聴者が求めるものを作るべきだろう。それはエンタメでもないし,ましてや芸人にカネを払ってまでMCを依頼する必要もない。外部の業者の持ち込み企画を流すだけの発想力のない企画部なら,それは企画部を名乗る資格などない。
国民が必要な情報を提供していると感じたら,視聴者はNHKを視る。そして税金の一部が経営に使われていることにも納得するだろう。