jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

“ThreadsにAIフィルタリング”がないなら賛同しない--匿名登録できるSNSは結局は誹謗中傷の温床

タレントのryuchellさんが自殺した。SNSでさまざまな誹謗中傷を受けていたらしい。27歳。最初は男性として頬に赤い丸いお化粧をした目立つだけの印象だったが,結婚して子供もでき,楽しい家庭を築いたかに見えた。その後,離婚し,ここ1年ぐらいは筆者には美しい女性と見えるほど洗練され,嫌味もなく,筆者としてはこのまま活躍されることを期待していた。カミングアウトした方の中では順風満帆と見えたのに,残念である。

 女子プロレスの木村花さんは,ドラマ出演の内容についてSNSで誹謗中傷を受け,2020年に自殺した。母親がテレビ局を相手に訴訟を起こしている。ドラマの内容も問題だが,やはり匿名SNSによる誹謗中傷が続いていることが最大の問題である。

 パソコン通信が1980年代後半から1990年代に流行った。テーマごとに会議室があり,管理人が運営を仕切っていた。すべて登録制であり,実名ではなくハンドルネームでやり取りされていた。

 初めて匿名でやり取りができる仕組みが,1999年に始まった2チャンネルである。名前を入れずに投稿するとすべて「名無しさん」となることから,匿名での投稿ができた。そこでは,たとえばソフトが動かないといった真面目な質問をしたとしても,「ここに書き込む資格なし」とか「言っていることが意味不明」とか,その他,ここでは書くのも憚られるような罵詈雑言が延々と続く。管理者がいないから,だれも止めようとしない。まさに今でいう「炎上」と個人攻撃である。

 それでも,誹謗されるのは発言に対してであり,自分のアカウントに対して誹謗されるわけではないので,さっさと参加をやめてしまえばそれ以上に自分に被害が及ぶことはなかった。

 しかし,SNSで個人のアカウントでのブログに対して匿名で延々と誹謗中傷が書き込まれるのは,たまったものではないだろう。有名人になると,応援してくれる人がいる一方で,妬む人が出てくる。それは昔からあったことだが,今は匿名による言葉の暴力が物理的な暴力と同じ,あるいはそれ以上に広がってしまった。いわば,誰もがスマホという「武器」を持ってしまったからだろう。

 SNSでの誹謗中傷を排除するためのAI利用傍受の法制化を提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/2/5 と1年前に書いている。今,流行りの生成AIが出る前の話である。AIは,こういうことに使うべきなのである。

 旧Facebook社,現在のMeta社のマーク・ザッカーバーグが,イーロン・マスクが買収したTwitterに対抗してThreadsというSNSを立ち上げた。しかし,これはただのSNSだった。匿名投稿による誹謗中傷や犯罪予告などの不正な書き込みをAI技術で自動的に排除する仕掛けは入っていなかった。これでは,ただの「野党」である。イーロン・マスクは嫌いだが,マーク・ザッカーバーグはもっと嫌い--旧twitter対抗の「Threads」 に5日で1億人登録など信じられない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/7/12。

 言葉は,神聖なものである。コンピュータが勝手に作り出したり,無責任に発言すべきものではない。文字なら,発信する前にもう一度見直して思いとどまることができるが,口から出る言葉は取り消すことができない。SNSへの発言も,匿名で身元がバレないから何を言ってもいいという安易な考えで誹謗中傷の言葉を発信しているが,これは明らかな犯罪である。しかし,明確な犯罪名としては(1) 名誉毀損罪(2) 侮辱罪(3) 信用毀損罪,ぐらいしか定義されていない。明らかに,受け手側が証明しなければならないという不自由さがある。

 今回のryuchellさんや木村花さんのように,自殺を誘発するほど追い詰めたとしても,この犯罪性を立証するのは難しい。誹謗中傷を書き込んだ側が,「自殺にまで追い込む意図はなかった」と言ってしまえば,法の解釈からは罪を逃れてしまうからである。

 言論の自由は,言論の統制と常に裏腹である。言う側は,何を言っても自由だと権利だけを主張し,その社会的影響や聞く側の自由についてはまったく配慮しない。これを第3者が判断することも難しい。

 やはり言論統制にはなるが,誹謗中傷や犯罪に関わる発言については,AIが自動判断し,一瞬の下に削除する仕組みを作る必要があると考える。犯罪に関しては,警察のデジタル部隊がメールなどをチェックして犯罪の危険性について判断しようとしているが,そこには個人的な判断基準の違いもあれば,判断に至るまでの時間的な違いもある。より公平な基準で,とにかく数秒以内に発言を削除するような仕組みがないと,あっと言う間に情報は拡散してしまうのである。

 もう一度言うが,生成AIなどは逆に禁止し,言葉は人だけが発信できるものとし,不適切な発言は即座に削除し,発言者の特定まで行えるようなフィルタリングAIの開発を,各社は力を入れてほしい。そして,不用意な発言を繰り返す人物は,ネットワークにアクセスするあらゆる手段を奪ってほしい。しかし,こうやって書くと,結局は裏社会に入ってしまってまた取り逃がしてしまうのだろうか。